宙畑 Sorabatake

経営・資金調達

Space BDとGilmour Space、衛星打ち上げサービス提供で提携。7月30日にはGilmour Spaceがロケットの打上げ試験も実施

Space BDと、オーストラリアのロケット開発企業Gilmour Space Technologiesが、衛星打ち上げサービスに関する戦略的提携を発表。その概要やGilmour Spaceの事業についても簡潔にまとめました。

2025年7月9日、Space BDと、オーストラリアのロケット開発企業Gilmour Space Technologies(以下、Gilmour Space)が、衛星打ち上げサービスに関する戦略的提携を発表しました。

Gilmour Space 営業部門責任者のDavid Jervis (デイビッド・ジャービス)氏 (左)とSpace BDローンチサービス事業ユニット、事業ユニット長の李 美亜さん(右)

Space BDは、日本の宇宙ビジネスを、世界を代表する産業に発展させることを目指す企業です。これまでに90件以上の衛星ミッションと600件以上の宇宙関連プロジェクトに携わってきました。

Gilmour Spaceは、オーストラリアの宇宙ビジネス企業で、オーストラリア国内およびアジア太平洋地域に向けた信頼性の高い打上げサービスの実現を目指しています。小型ロケットEris(エリス)を開発中で、同機は3段式で複数の小型衛星を軌道投入できる設計となっています。同社は2025年7月30日にはオーストラリア初の商業軌道発射施設であるボーエン軌道宇宙港を世界で初めて使用し、エリスロケットの1回目となる打ち上げ試験を行いました

他にも、幅広いミッションに対応可能なモジュール型の小型衛星プラットフォームElaraSat(エララサット)の提供も行っています。

今回の提携により、Space BDの国際的なサービス提供能力がさらに拡大すると見込まれます。

具体的には、Space BDはGilmour Spaceの小型ロケットErisの専用打ち上げと、相乗り打ち上げの機会を、日本および世界中の衛星顧客に向けて提供できるようになります。また、Gilmour Spaceの衛星プラットフォームElaraSatを用いた軌道上実証サービスの提供と、同プラットフォーム開発に必要な部品・コンポーネントの調達支援も行うとのこと。

打ち上げは、Gilmour Spaceが運営する、オーストラリア・クイーンズランド州北部にあるボーエン宇宙港(Bowen Orbital Spaceport)から行われる予定で、南半球からの多様な軌道アクセスの提供と、柔軟なミッション設計が可能です。

Gilmour社の営業責任者David Jervis氏は、「Space BDとの提携を非常に嬉しく思います。日本の宇宙業界で豊富な実績とネットワークを持つ彼らとの連携により、オーストラリア製の打ち上げサービスをアジア太平洋全域の顧客に届ける道が開かれました。」とコメントしています。

Space BDの打ち上げサービス部門責任者であるMia Lee氏は、「Gilmour Spaceとの連携により、地理的な優位性と一体型の衛星プラットフォームを活かし、世界中の顧客の宇宙実証ミッションを全面的に支援していきたい。」とコメントしています。

今回の提携は、日本とオーストラリアというアジア太平洋地域の、宇宙ビジネスにおける協力関係を深め、両国の宇宙ビジネスを発展させる重要な一歩となりそうです。

【参考記事】
豪州・Gilmour Space社と、衛星打上げ・調達支援に係る 業務提携契約を締結 – Space BD
Gilmour Space and Space BD Partner to Deliver Satellite Launch Services

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