水道事業者のSevern TrentがICEYEと提携し、洪水および下水インフラ管理に衛星技術を導入【宇宙ビジネスニュース】
2025年12月15日、イギリスの大手水道事業者Severn Trentは、世界規模の衛星データ解析を手がけるICEYEと連携し、洪水および下水インフラ管理に衛星技術を導入すると発表しました。
2025年12月15日、イギリスの大手水道事業者Severn Trentは、世界規模の衛星データ解析を手がけるICEYEと連携し、洪水および下水インフラ管理に衛星技術を導入すると発表しました。これにより、Severn TrentはICEYEの技術を導入したイギリス初の水道事業者となります。
Severn Trentは、イギリスを中心に800万人以上へ水道・下水サービスを提供する大手企業です。
ICEYEは世界最大規模のSAR衛星コンステレーションを保有しており、昼夜を問わず、また厚い雲の下でも、ほぼリアルタイムで地表の状況を把握できる環境を実現しています。これにより、豪雨や嵐の直後でも洪水の範囲や深さを迅速に把握できます。
今回Severn Trentが導入したのは、ICEYEが保有する合成開口レーダー(SAR)衛星を活用した「Flood Insights Solution」というサービスです。
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洪水は下水インフラを圧迫し、サービス停止や環境汚染につながる恐れがあります。つまり、被害状況を素早く可視化することができれば、影響を受けやすい設備を特定、対策を迅速に実施できるようになります。これにより、住民への影響を最小限に抑え、防災力強化に繋がる見込みです。
両社は、洪水リスクが高いことで知られるイギリスのシュルーズベリーにて、洪水マッピングから取り組みを開始しました。現在はSevern Trentの全サービスエリアへと拡大しています。
災害の発生後には、衛星データをSevern TrentのセンサーやGIS(地理情報システム)、データ分析と組み合わせることで、河川の氾濫が下水インフラに与える影響をより正確に把握し、耐災害性を高める取り組みも進めています。
Severn TrentのRichard Walwyn氏は、「これは当社にとって、まさに変革的な一歩です。ICEYEの衛星技術により、雲に覆われた状況でも、極端な気象時に地上で何が起きていたのかを明確に把握できるようになりました。浸水が当社の設備にどのような影響を与えるかをより深く理解することで、適切な対策を計画し、ネットワークの運用を最適化し、お客様や環境への影響を最小限に抑えることが可能になります。」とコメントしています。
またICEYEのJeffrey Apeldoorn氏は、「気候変動に伴う事象の際に、より迅速な対応と的確な情報発信が水道事業者に求められる中、当社の洪水データは、Severn Trentが顧客を守るために必要である明確な状況把握を可能にします。これは嵐による影響を示す重要なデータ源となります。私たちは、世界中の公共事業者や水管理機関を支援し、イノベーションと責任の新たな基準を築いていけることを誇りに思います。」とコメントしています。
下水インフラと衛星データ宇宙技術の融合が、気候変動時代における新たなソリューションとして浸透することが期待されます。
参考記事
Severn Trent and ICEYE Pioneer Satellite-Based Flood and Wastewater Monitoring in the UK

