「この契約は宇宙軌道上の防衛における転換点となる」Slingshot Aerospaceが宇宙防衛に必要なAIエージェントの開発で2,700万ドルの契約を米国宇宙軍から受注【宇宙ビジネスニュース】
2025年1月15日、Slingshot Aerospaceは、米国宇宙軍から2700万ドル(約41億円)の契約を獲得したと発表しました。今回獲得した契約では、宇宙での防衛を想定した既存の訓練システムに、リアルタイムで変化する敵の宇宙戦術を再現できるAI技術を統合します。
2025年1月15日、Slingshot Aerospaceは、米国宇宙軍から2700万ドル(約41億円)の契約を獲得したと発表しました。
Slingshot Aerospaceは、2017年に創業された、衛星追跡や宇宙シミュレーションなどの分野でAI技術を活用する企業です。
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今回獲得した契約では、宇宙での防衛を想定した既存の訓練システムに、リアルタイムで変化するほぼ同等の能力を持つ競合勢力(リリース中ではNear-peer adversariesと表現)の宇宙戦術を再現できるAI技術を統合します。
宙畑メモ:宇宙での防衛
自国の衛星を妨害・無力化する、他国の動きに対する防衛。主な手法は、地上からのミサイル攻撃、他の衛星による破壊、電波妨害、サイバー攻撃など。中国やロシアはキラー衛星(他国の衛星をロボットアームなどで攻撃する衛星)の開発などを進めている。
リリースによると、現在、競合勢力は衛星の自律性を高め、状況に応じてリアルタイムで軌道を変更する戦術を採用しているそう。このような複雑な状況に対応するため、訓練では予測不可能、かつ高速で戦略的に動く対戦相手が必要とされています。それを実現するのが、Slingshot Aerospaceが開発した「TALOS AI」です。
TALOS AIは、衛星の挙動を自律的に模倣するAIエージェントで、2025年7月にリリースされました。事前にプログラムされたシナリオではなく、実際の競合勢力の衛星のように、状況に応じた行動を取るAIに対して訓練ができます。そのため、より実践的な訓練が可能となります。
Slingshot Aerospaceは、TALOS AIが宇宙軍の既存の訓練システム、データソース、AI機能とシームレスに統合できるように設計されています。
同社CEOのTim Solms氏は以下のようにコメントしています。
「この契約は、軌道上の防衛における転換点となります。人間と機械の知能が協働して、指揮官に作戦上の優位性を確実に与えることができる、AIネイティブな宇宙訓練の幕開けです。」とコメントしています。
契約期間は18カ月で、国防長官の戦闘獲得システム改革指令に沿った民間向けの公募を通じての契約締結となりました。
宇宙における防衛力強化に向けて、AIと宇宙技術の融合が新たな段階へと進んでいることが感じられます。
参考記事
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