「重要インフラにおける衛星ベースの監視ニーズが高まっている」ドイツのAI企業LiveEO、インフラ監視に向けた自社の衛星開発とコンステレーション構築を発表【宇宙ビジネスニュース】
2026年1月28日、ドイツのAI企業LiveEOは、国内インフラ監視向けの衛星コンステレーション「Twinspector」を打ち上げると発表しました。ドイツはこれまで、広範囲で高解像度の地球観測データを提供できる国内事業者が不足しており、他国に依存してきました。今回はこの課題解決に向けた取り組みとなります。
2026年1月28日、ドイツのAI企業LiveEOは、独自の国内インフラ監視向けの衛星コンステレーション「Twinspector」を構築することを発表しました。ドイツはこれまで、広範囲で高解像度の地球観測データを提供できる国内事業者が不足しており、他国に依存してきました。今回はこの課題解決にもつながる取り組みとなります。
LiveEOは元々、AIによる衛星データ解析を強みとしていた企業です。近年、エネルギー・物流・安全保障分野などで、地球観測衛星によるインフラ監視のニーズが高まっています。同社は、外部の衛星データに依存した今までの解析だけでは、増加するインフラ監視の要求事項を十分に満たせないことが明らかになりました。その状況を打破すべく、3年以上前から独自の衛星コンステレーション開発を進めてきました。
本プロジェクトには、過去に5機の地球観測衛星コンステレーション「RapidEye」を立ち上げたManfred Krischke氏も参画しています。同氏は「技術主導ではなく顧客ニーズ主導で設計された点が画期的です」と評価しています。
宙畑メモ:RapidEye
5機の小型衛星で構成される商業地球観測システム。1日最大500万km²の撮影が可能。農業、安全保障、地図作成、災害管理、環境監視などに利用された。2008年に打ち上げられ、2020年に運用を終了。
Twinspectorは、広範囲かつ高解像度な地球観測データの取得が可能になります。リリースによると、Twinspectorのカメラは単体で1,000機以上のCubeSat(10cm×10cm×10cm の立方体を基本単位とする超小型衛星) に相当するサイズを持ち、非常に高品質な画像撮影が可能とのこと。
例えば、110万本の樹木の高さであれば、誤差±1mの精度かつ1秒未満で計測できるそうで、衛星内に複数GPUを搭載することで、軌道上でのAI画像解析も可能になっています。
LiveEOの共同創業者Sven Przywarra氏は「ドイツは宇宙分野で主導的役割を担うための多くの機能を備えています。Twinspectorにより、欧州の技術的自立性を強化する商業衛星能力を構築しています」とコメントしています。
衛星製造はドイツ国内のサプライチェーンによって進められています。LiveEO共同創業者Daniel Seidel氏は「衛星本体とカメラの両方について、10社以上の海外メーカーを評価しましたが、最終的には国内サプライチェーンの品質が最適と判断しました。ドイツはしばしば過小評価されていますが、非常に高い宇宙技術力を持っています。この力を結集し、世界で最も高性能な3Dカメラを実現します」とコメントしています。
今回の発表は、衛星データの解析企業が、増加するインフラ監視のニーズに応えるために、自社の衛星コンステレーションを持つようになる事例でした。広範囲かつ高解像度の地球観測データが利用可能になり、より多くの顧客が要求通りのインフラ監視を実現することが期待できます。同社の取り組みに今後も注目です。
参考記事
RapidEye | UN-SPIDER Knowledge Portal
RapidEye | 一般財団法人リモート・センシング技術センター
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