宙畑 Sorabatake

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SpaceXが30000機のStarlink衛星打ち上げを申請!【週刊宇宙ビジネスニュース 10/14〜10/20】

一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを厳選してお届けする連載「週刊宇宙ビジネスニュース」は毎週月曜日更新!

SpaceXが30000機のStarlink衛星打ち上げを申請

SpaceXが、新たに30000機のStarlink衛星の打ち上げを国際電気通信連合(ITU)に申請しました。

SpaceXは今年5月に最初の60台のStarlink衛星を打ち上げており、今後も定期的に打ち上げていく予定です。

国際機関であるITUは、衛星事業者向けに衛星が地上と通信する際の周波数の調整及び、特定企業による周波数の占有を防ぐ役割を担っています。申請する書類には、使用する周波数・予定される軌道高度・希望する衛星の数などに関する詳細が含まれています。

SpaceXのStarlink衛星は、過去に申請を受理された12000機に加えて、今回の申請により書類上は42000機の打ち上げることができるようになります。世界最大の通信衛星コンステレーションを計画しているSpaceXの歩みは更に加速しそうです。

積みあがったStarlink衛星 Credit : SpaceX

LeoLabsが3番目の追跡レーダーをニュージーランドに構築

SSA(宇宙空間監視業務)スタートアップであるLeoLabsが、同社として3番目となる宇宙監視レーダーの構築を完了したと発表しました。

レーダーの名称の”Kiwi Space Radar”からもわかる通り、今回のレーダーの建設地は、ニュージーランド南島の中央オタゴ地方です。(ニュージーランドは、Kiwi Landと呼ばれることもあります。)

Kiwi Space Radarは、LEO(低地球軌道)の2 cm級の小さな宇宙ゴミ(デブリ)を追跡することも可能であるとのことです。

LeoLabsが発表したKiwi Space Radar Credit : LeoLabs

The Kiwi Space Radar raises the bar on addressing the threat of collisions that have never before been tracked in LEO

(訳:Kiwi Space Radarはこれまでより高い水準で、LEOで今まで追跡されてこなかった宇宙デブリの脅威に対処していきます。)

と、LeoLabsの共同設立者兼CTOのMichael Nicolls氏は声明で発表しました。

Kiwi Space Radarは、以前のセンサーよりも高い周波数で観測することで、推定25万個の2 cm級の宇宙デブリを追跡できる仕様になっています。これらの宇宙デブリは宇宙空間での衝突のリスクの大部分を占めているので、Kiwi Space Radarは、SpaceXを始め、今後打ち上がる数千の新しい小型衛星のLEOの安全航行に貢献すると期待されています。

LeoLabsは、2020年代前半までに6つのレーダーによる観測を始める予定です。加速する小型衛星のコンステレーションを宇宙デブリ監視の観点で支えるLeoLabsに注目です。

Swarm Technologiesが150機の衛星の打ち上げ許可をFCCから取得

通信を他の基地局へと中継する小型衛星を開発しているSwarm Technologiesが、150機の衛星を打ち上げる許可をFCC(連邦通信委員会)より得たようです。

Swarm Technologiesが開発する衛星”SpaceBEE”はたったの10cm × 10cm × 2.8cmと格段に小さいのが特徴です。このサイズの衛星を追跡することはできないだろう、という理由から、過去にはFCCから打ち上げ申請を棄却されたこともありました。

しかし、衛星の追跡能力が向上していることもあってか、FCCはこの点について今回は心配していないようです。

Swarm Technologiesが目指す衛星コンステレーション網 Credit : Swarm Technologies

Swarm Technologiesは、世界中のスマートデバイスを、衛星が提供する低帯域幅でネットワークと接続することを目指しています。

同社のSpaceBEE衛星は、IoT対応端末などから蓄積したデータをVHFで送受信できる衛星で、インターネット環境が十分に整っていない地域でもIoT機器を利用できるようにする狙いがあるとのことです。

FCCからの衛星打ち上げの承認は、宇宙ビジネスを進める長いプロセスのほんの1つのステップですが、大きな意味をもちます。 基本的には、衛星が地上と通信するためには、特定周波数帯での送受信が必須です。そこため、衛星を(アメリカで)運用しようと思うと、FCCへの申請が必須となるのです。

従来のCubeSatと呼ばれた10 cm立法の衛星に比べて半分のサイズの同社の衛星。衛星を小型化する技術とともに、LeoLabsのように衛星の監視技術も向上することで、宇宙を利用したサービスの敷居はどんどん下がっていきます。

どこが安価に安定したサービスを提供し始められるのか、楽しみですね。

Swarm TechnologiesのSpaceBEE衛星の概要 Credit : Swarm Technologies

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参考文献

SpaceX submits paperwork for 30,000 more Starlink satellites

SpaceX Requests to Launch Another 30,000 Satellites For Controversial Starlink Network

LeoLabs unveils next generation with Kiwi Space Radar

Swarm gets green light from FCC for its 150-satellite constellation