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ギアナ宇宙センターの危機 [週刊ニュース] 

日本の種子島や内之浦、先週ファルコン9ロケットが打ち上げられたケープ・カナベラルなど、ほとんどのロケット打ち上げ場は海沿いにあります。

週刊宇宙ビジネスニュース2017.04.03-04.09
一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを厳選してお届け!

ギアナ宇宙センター Credit : CNES

日本の種子島や内之浦、先週ファルコン9ロケットが打ち上げられたケープ・カナベラルなど、ほとんどのロケット打ち上げ場は海沿いにあります。
フランス領ギアナもそのうちの一つです。宇宙開発に興味がある方なら仏領ギアナといえばロケット打ち上げ場、というイメージがあると思いますが、それ以上のことはあまり知らないかもしれません。そんなギアナ宇宙センター(CSG)が、現在危機に陥っています。

仏領ギアナは南アメリカの北東に位置するフランスの海外領土です。人口は約26万人(2016年)ほど。1975年、フランス国立宇宙研究センター(CNES)によってCSGが設立されました。以降、ESAやアリアンスペースの打ち上げ場として使われています。CSGでは約1700人が働いており、在日フランス大使館によると「さらにその5倍の間接雇用が生み出され、仏領ギアナの人口の20%近く」がロケット打ち上げに従事しているそうです。まさにロケット打ち上げによって成り立っている地域といっていいでしょう。逆に言えば、それ以外の産業がほぼ無いに等しいのです。

AFP通信によると、2017年3月20日、CSGで働く従業員らが賃金引上げを訴えてストライキを起こしました。さらに、4月4日には労働条件の改善を求めてデモを行うCSG外の人々がCSGの占拠に乗り出しました。仏領ギアナでは、センターで働く人とそうでない人の間に激しい経済格差が生まれていることが占拠の原因です。

ストライキとデモの影響により、3月21日に予定されていたアリアン5ロケットの打ち上げが無期限延期されてしまっている状況です。今後の目途は立っていません。
商業衛星の打ち上げ市場で世界シェアの約半分を誇り、打ち上げ業者として信頼度が高いアリアンスペース。その打ち上げサービスが再開するのはいつになるのでしょうか。

参考サイト
フランスは宇宙産業への投資額で世界2位 在日フランス大使館
https://jp.ambafrance.org/article7172

ロケット打ち上げても地元住民に照明なし、仏領ギアナでストとデモ AFPBB News
http://www.afpbb.com/articles/-/3124066

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