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人工衛星にも保険が必要??第28回「今週のSPACE ENGLISH」

英語が苦手で最新の宇宙ビジネス情報をキャッチするのに四苦八苦。そんな宙畑編集部員T.N.と一緒に、宇宙ビジネスで使用される英単語を学ぶ本連載。

英語が苦手で最新の宇宙ビジネス情報をキャッチするのに四苦八苦。そんな宙畑編集部員T.N.と一緒に、宇宙ビジネスで使用される英単語を学ぶ本連載。

今週は9/30~10/6の7日間で『SpaceNews』内で最も頻繁に出現した英単語(※これまでに同連載でご紹介した英単語を除く)を10個ご紹介します。

それではさっそく、Let’s 今週のSPACE ENGLISH!!

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
集計対象記事:『SpaceNews』で該当期間に公開された記事のすべて
集計期間:2018/9/30~2018/10/6
※()内の数字は該当期間の登場回数です。

1.insurance(35)

保険。

私たちが車を買うとき、多くの人は自動車保険に入りますよね。また、家を買うときは火災保険に入ります。同様に、「宇宙保険」もあるのです。今回は、超小型衛星にも保険は必要か?という記事がSpacenewsに掲載されたためにランクインしました。

宇宙保険の目的は主に2つに分かれます。それぞれについて、ロケットと人工衛星の2パターンで考えてみましょう。
第一の目的は、人や物に甚大な被害を与えた際の賠償金支払いをカバーすることが主な目的です。ロケットの打ち上げを例にとって考えてみましょう。ロケットの打ち上げは、墜落の場合の危険性を考慮して周囲に民家や施設がない場所で行われますが、万が一ロケットが人や物に被害を与えた場合、賠償責任が発生します。
その際の賠償金額は莫大なものとなるため、それをカバーするために宇宙保険があります。

第二は、人工衛星が衛星製造者以外の責任により機能しなくなった際の補償です。これには、打ち上げ前保険、打ち上げ保険、寿命保険が含まれます。衛星が製造されてから射場に輸送される間の事故、打ち上げの失敗に関して製造者は一切責任を負わないため、その費用への補償があります。また、衛星の初期機能検査を終了した後も衛星は急激な温度変化や放射線被ばく、さらにはデブリ衝突など様々な機能停止リスクに晒されており、そういった衛星の寿命より早い段階のアクシデントにも保険がかけられています。

近年、人工衛星は小型化しており、製造者はスタートアップや大学研究室が増えています。このような製造者は衛星に保険をかける資金がないため、この超小型衛星の流行は宇宙保険への需要の減少を招いています。現在、低軌道にある超小型衛星の約5%しか保険に加入しておらず、保険会社としては利用者の増加を狙っています。

2.credit(34)

信用。出版物、放送などに使用された画像や動画など資料の提供者。

ネットで記事を読んでいると「©」というマークを目にすることは多いのではないでしょうか。これは、その資料の出典を示しており、例えば「©NASA」であれば、その資料の提供者はNASAということになります。

3.orion(28)

オリオン宇宙船。

オリオン宇宙船とは、ロッキードマーティン社が開発を行っている有人宇宙船です。当初はNASAのオリオン計画として単独で始動し、現在はSLS(Space Launch System)計画に統合されました。SLSとは、現在NASAが開発しているスペースシャトルから派生した大型のロケットの名称であり、SLS計画はこの大型ロケットと有人宇宙船の両方の開発を目的としたプロジェクトです。

オリオン宇宙船のモジュールを製造するフランスのエアバス社が、アメリカへの輸送の準備が完了したと発表し、今回ランクインしました。

オリオン宇宙船イメージ図 Credit : NASA

4.including(25)

~を含む

~を含むサービス、といった形で使用され、宇宙開発に関わらず多くの英文の中で使用されます。

5.ula(23)

ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(United Launch Aliance)。

ULAは、2006年にボーイング社とロッキードマーティン社の衛星打ち上げ部門を統合して設立された合弁事業です。
同社は契約から3ヶ月での打ち上げという迅速なサービスが特徴であり、現時点では主にアメリカ政府の衛星を打ち上げています。

ヴァルカン宇宙船イメージ図 Credit : ULA

6.build(22)

建てる、作り上げる

建造物を建築する、という意味だけではなく、何かを一から作り上げるという意味でも使用されます。本記事内では「将来性のある新しい宇宙を作るために」という意味合いで使用されていました。

7.agencies(22)

代理店、国家機関

少し分かりづらいこの英単語。代理店という訳を見て「?」と感じる人も多いでしょう。
代理店とは、ある会社と契約をして特定の業務を行う業務形態です。保険会社がその一例で、大手保険会社は販売店での顧客業務を代理店に委託し、手数料を支払っています。

宇宙関係の記事でagencyという単語が出てきた場合、多くは行政機関を指します。ESA(Europe Space Agency)、JAXA(Japanese Aerospace eXploration Agency)などです。ちなみに、NASAはNational Astronautics and Space Administrationの略なのでagencyという語は使用されていません。

JAXAは、日本国政府から資金を提供され日本の宇宙開発政策を行う機関です。JAXAは日本国政府から専門的な宇宙分野の政策の業務や権限を移譲されて機能しているため、agencyという語が使用されます。

8.Germany(22)

ドイツ。

10月1日から5日にドイツのブレーメンで第69回IAC(International Astronautics Congress、国際宇宙会議)が開催されました。名実ともに世界最大規模の宇宙分野の国際会議です。IACで各国宇宙機関や民間企業が大きな発表を行うことが多く、過去には2016年にSpaceX社CEOのイーロンマスク氏が火星移住計画を発表したことが記憶に新しいです。

今年のIACでは、前回のSpaceEnglish記事で紹介したLOP-Gや、本記事に登場したSLS、今年7月に発足したオーストラリア宇宙機関(Australia Space Agency)などについての発表が目立ちました。

9.bremen(21)

ブレーメン。

ドイツの都市。今年はドイツのブレーメンでIACが開催されました。
グリム童話の「ブレーメンの音楽隊」で知られるメルヘンチックな町ですが、造船や航空宇宙産業が活発であり、ドイツ国内では最も宇宙産業の雇用が多い町です。

10.competition(21)

競争、コンテスト、コンペ。

ブレーメンで開催されたIACで、アメリカスタートアップのAstranis社は学生が開発する1Uサイズの衛星に対し、コンペティションを通ったプロジェクトには出資する予定だと発表しました。

Astranis社は、マサチューセッツ工科大学やスタンフォード大学出身の学生で設立されたスタータップです。コンステレーション衛星による全地球通信システムを開発しています。この全地球通信システムは、SpaceX社やソフトバンクが10億ドルの出資を発表したOneweb社が先行して参入しており、Astranis社にはスピード感のあるビジネスが求められます。

同社が出資する衛星の競争の場として、学生が参加するコンペティションを発表したことにより本単語がランクインしました。

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以上、第28回「今週のSPACE ENGLISH」いかがだったでしょうか。

次回の「今週のSPACE ENGLISH」は10/21(日)に10/7(日)~10/13(土)に公開された「SpaceNews」記事の最頻出英単語TOP10(これまでに紹介した英単語は除外)をご紹介します。

これまで英語が苦手でなかなか海外の宇宙ニュースを敬遠していたという方も、「今週のSPACE ENGLISH」で少しずつ宇宙英単語を学んで海外の宇宙ニュースにチャレンジしてみましょう!

 

※これまでの「今週のSPACEENGLISH」はこちら

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