Space BDと医療機器メーカーが共同で、診断薬開発を目指す宇宙実験へ。ISSにサンプルを打ち上げ【宇宙ビジネスニュース】
【2023年6月27日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
6月14日、宇宙商社として衛星の打ち上げやISSでの実験サービス等を手がけるSpace BDが、ドラゴン補給船運用28号機で、ISSの日本実験棟「きぼう」へ国内外の企業・研究機関のライフサイエンス関連のサンプルを打ち上げたことを発表しました。
Space BDはこれまでにもJAXAのアカデミア公募案件を中心に合計350以上のサンプルの打ち上げを成功させてきました。また、今回の打ち上げによって、Space BDが受託しISSに送り届けた有償利用サンプルの合計は28になったといいます。
今回打ち上げたサンプルのなかには、Space BDと臨床検査機器や検査用試薬の開発などを行うシスメックスが共同研究契約を締結し、診断薬開発の基礎データ取得を目的としたサンプルも含まれていました。サンプルを地上で回収したあとは、本実験結果をもとにした新規診断薬の開発を進めていく予定だといいます。
さらに、6月16日に、Space BDは微小重力環境を活用した宇宙実験を一貫してサポートするサービスを発表しました。
JAXAは、地球低軌道が持続的な社会・経済活動の場となることを目指し、その技術実証・事業実証の場として「きぼう」日本実験棟を最大限活用するため、料金メニューやリソース料の減免制度を設けています。
これまでの民間企業向けのトライアルユース制度では、原則初回利用のみが減免の対象とされていましたが、2回目以降の利用の場合でも、事業実証のためであれば回数の制限なく減免制度を活用可能とすることをJAXAがWebサイト上で発表しました。
減免制度が開始したことや宇宙実験を一貫してサポートするサービスが登場したことにより、民間によるISS利用がさらに進むことが期待されます。
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参考
ライフサイエンス事業3回目となるISSへの打上げ完了 SpaceX社ドラゴン補給船でサンプル輸送 シスメックス株式会社と共同で新規診断薬の開発に挑戦
国際宇宙ステーション船内利用サービス拡充 微小重力環境を活用した宇宙実験をご提案から実験設計・打上げまでを一貫型でサポート