XRHealthのVRヘッドセットがISSへ。閉鎖環境での宇宙飛行士のメンタルケアに活用【宇宙ビジネスニュース】
【2023年11月13日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
11月3日、バーチャルリアリティ(VR)を活用した遠隔リハビリ治療をはじめとするヘルスケア製品を提供するアメリカのスタートアップXRHealthは、宇宙飛行士のメンタルケアに使用するVRヘッドセットをISSに送ると発表しました。同社によると、VRヘッドセットが宇宙で使用されるのは今回が初めてだということです。
VRヘッドセットは、スペースXの補給船「カーゴ・ドラゴン」を利用したISS補給ミッション「CRS-29」で打ち上げられました。そして、現在ISSに滞在しているヨーロッパ宇宙機関(ESA)のアンドレアス・モーゲンセン飛行士が使用する予定です。
ISSのような閉鎖空間に長期滞在する場合、宇宙飛行士は地上と異なる環境によりストレスを感じやすくなり、精神的な問題を引き起こす可能性が示唆されてきました。このようなストレスを軽減するため、XRHealthはシステムエンジニアリングを手掛けるNord-Space Aps、スマートフォンやソフトウェアを開発するHTC VIVEとともにVRヘッドセットの開発を行いました。
VRヘッドセットは、既に販売されている「HTC VIVE Focus 3ヘッドセット」を微小重力環境でも使用できるように改良しました。これまでの研究から微小重力環境におけるVRヘッドセットの使用は、コンテンツの振動により、宇宙飛行士がヘッドセット内のコンテンツを読めなくなるなどの課題が複数ありました。
そこで、今回コントローラーを介した特別な方法とシュミレーターモードを利用して、宇宙空間で動くVRプラットフォームを設計したということです。
Nord-Space Apsの最高技術責任者であるPer Lundahl Thomsenは、「孤立状態でのメンタルヘルスニーズに対処する仮想プラットフォームを作成することは、彼らが健康なライフスタイルを維持し、地球に帰還した時に健全でいるために不可欠です。」とコメントしています。
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参考
宇宙でミッション中の宇宙飛行士のメンタルケアを目的とした初のVRヘッドセットが国際宇宙ステーション(ISS)で使用される。