ULAの新型ロケット「Vulcan」の打ち上げが成功。月面着陸船や宇宙葬企業のペイロードが搭載【宇宙ビジネスニュース】
【2024年1月9日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
1月8日、アメリカのUnited Launch Alliance (ULA)が新型ロケット「Vulcan(ヴァルカン)」の初打ち上げを実施し、成功したことを発表しました。
Vulcanは地球低軌道に最大2万7200kg、静止軌道に7000kgのペイロードを輸送できる大型ロケットです。プレスリリースによると、ULAはこれまでに、Amazonの通信衛星コンステレーション「プロジェクト・カイパー」や政府による安全保障関連の衛星など、70機以上のVulcanの打ち上げ枠を販売しているといいます。
今回搭載されたのは、遺灰などを打ち上げる宇宙葬サービスを手掛けるアメリカ企業CelestisのペイロードとアメリカのベンチャーAstrobotic Technologyの月面着陸船「Peregrine」の2つです。
Astrobotic Technologyの月面着陸船には、NASAの商業輸送サービス(CLPS)による実験装置や大塚製薬らによる「LUNAR DREAM CAPSULE PROJECT」のタイムカプセルをはじめ、20のペイロードが積まれています。
Astrobotic Technologyは月面着陸船が月へ向かう軌道への投入が成功したことを発表していましたが、不具合により機体を安定して太陽の方向に向けることができず、トラブルシューティングを行っているといいます。
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参考
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ASTROBOTIC’S PEREGRINE LAUNCHES TO THE MOON
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