【167の実証事例のカテゴリ別採択割合推移】令和6年度の衛星データ無料利用事業者の公募第2回目がはじまる
衛星データ無料利用事業者の公募第2回目が始まりました。これまでに採択された衛星データ利活用における実証事例のカテゴリをまとめて紹介しています。
2024年8月5日より令和6年度、経済産業省「衛星データ利用環境整備・ソリューション開発支援事業」における衛星データ無料利用事業者の第2回公募が始まりました。公募期間は8月22日(木)16:00までとなっています。
衛星データ利用環境整備・ソリューション開発支援事業とは、経済産業省が地方公共団体・企業・団体からのニーズ情報の提供を踏まえ選定した地域(北海道、富山県、福井県、山口県、熊本県、福岡県、大分県、鹿児島県、佐賀県、長崎県)において、各地域の課題の解決に必要となる様々な商用衛星データを調達し、衛星データ以外の地理空間データも充実させた上で、ソリューション開発実証を支援するというものです。
これまでの実証内容採択結果とそのカテゴリ別推移
では、実際に衛星データはどのような地域の社会課題を解決するのでしょうか?
以下は2022年から続く本事業において採択された119の実証におけるカテゴリ別採択割合推移です(カテゴリの分類は宙畑編集部で実施)。
この結果を見ると農業、防災、漁業、都市計画、環境・生物多様性……と様々な分野で衛星データ活用の可能性を探る実証が行われていると分かります。特に2024年度の第1回の採択結果では防災・災害対応の分野での衛星データ利用実証が多く採択されています。実証内容としては「斜面崩壊域検知」「災害時の道路状況把握」「浸⽔域検知」など、少子高齢化による人手不足に対して、人の見回りが必要な事象をいかに衛星データによる解析で置き換えるかということに実証の期待値が高まっていることが分かります。
過去の採択結果については以下のスプレッドシートにまとめておりますので、ぜひどのような課題に対して衛星データ利用が役に立つと期待されているのかを眺めていただけますと幸いです。
ちなみに、2017年から続く内閣府主催「課題解決に向けた先進的な衛星リモートセンシングデータ利用モデル実証プロジェクト」の2024年までの48件の実証におけるカテゴリ別採択割合推移は以下の通りです。
2024年度の採択結果を見ると幅広い分野での採択となっており、交通・経済活動は初めての採択です。その内容はANAホールディングスが顧客候補となる「人工衛星データを用いた雷AI予測モデルの開発」というものでした。日本国内の被雷件数は年間数百件で、 1回の被雷で1億円規模の被害が生じるケースもあるため、航空会社は年間20億ドル以上の損失にもなり得るという課題が語られていました。
内閣府の実証事業についても過去の事例は以下のスプレッドシートにまとめておりますので興味がある方はぜひご覧ください。
以上、「衛星データ利用環境整備・ソリューション開発支援事業」における衛星データ無料利用事業者の第2回公募開始の紹介と合わせてこれまでの実証事業について整理した結果を紹介しました。
衛星データの利用事例については宙畑で50本以上のインタビュー記事をまとめています。
気になる記事があれば読んでいただき、実証したい事例が見つかれば公募への応募を検討いただけますと幸いです。また、本記事を衛星データ利用に興味を持っていただけそうな企業勤め・地方自治体職員・政治家の知人・友人の方にお知らせいただけますと宙畑編集部としてはとても嬉しいです。