高頻度で低コストな次世代再使用可能ロケットを開発するiRocketがSPAC上場を2025年度四半期に目指すと発表【宇宙ビジネスニュース】
次世代再使用型ロケットを開発するアメリカのスタートアップ企業iRocketが、元米商務長官Wilbur Ross氏が後援する特別買収目的会社(SPAC)「BPGC Acquisition Corp.」との合併を通じてSPAC上場するとの契約を締結しました。
2025年7月23日、次世代再使用型ロケットを開発するアメリカのスタートアップ企業iRocketが、元米商務長官Wilbur Ross氏が後援する特別買収目的会社(SPAC)「BPGC Acquisition Corp.」との合併を通じて株式公開を目指すと発表しました。
これにより、iRocketの企業価値は事前評価で4億ドル(約590億円)とされ、取引完了後の新社名は「iRocket Technologies Inc.」となります。
iRocketは、液体酸素とメタンを燃料とした自社開発エンジン「MACH-i」を搭載した再使用型ロケット「Shockwave」を開発中で、飛行機のように、打ち上げから24時間以内に再打ち上げできる状態を目指しています。
同社は米空軍研究所や宇宙システム司令部などと提携しており、1.8億ドルの研究協定や契約も獲得済み。また、2025年8月4日には、SpaceBelt KSAと6億4000万ドルの複数年打ち上げ契約を発表しています。
【関連記事】
ロケット開発スタートアップiRocketが米空軍研究所と共同研究開発契約を締結。空軍基地の設備が使用可能に【宇宙ビジネスニュース】
iRocket CEOのAsad Malik氏は「単にペイロード(宇宙に送る荷物)を軌道に投入するだけではない、より大きなミッションを果たすために存在しています。BPGC Management LPやWilbur Ross氏とのパートナーシップは、世界的な宇宙アクセスの推進と打ち上げ技術革新を加速するという共通のビジョンを反映しています。当社の再使用型・高性能ロケットは、ミッションあたりのコストを削減し、打ち上げ頻度と迅速性を高め、世界中の同盟国や戦略的パートナーに対して重要な能力を提供します。」とコメントしています。
また、iRocketの初期フェーズでの投資家であり、ビル・ゲイツ、エリック・シュミット、リード・ホフマンが支援するVillage Global LPの共同創業者兼ゼネラルパートナーであるアン・ドウェイン氏も「iRocketが創業当初から他社とは一線を画していました。独自のエンジン技術と再利用可能な機体の構築に注力し、スケールアップを実現してきました。粘り強さを発揮する先見の明のあるCEOが率いる、商業宇宙および防衛分野の顧客にとっての宇宙アクセスの産業基盤を変革するチームを支援できることを誇りに思います。」とコメントしています。
宇宙産業の市場規模は2035年に1.8兆ドル規模に成長すると予測されていますが、その成長を支える鍵は衛星サービスです。
これからも多くの人工衛星が打ち上げられることが期待される中、従来のロケットよりもさらに高頻度で低コストな打ち上げ手段が求められています。
iRocketはこのトレンドに沿ったロケット開発を進め、商業・防衛の両面から宇宙アクセスの基盤となることを目指しており、今回の上場によってそのスピードがさらに加速することが期待されています。