宙畑 Sorabatake

輸送

Blue Originの「New Glenn」2号機、NASA火星探査機「ESCAPADE」の打上げに成功。完全再使用型ブースターも回収【宇宙ビジネスニュース】

2025年11月13日、Blue Originは大型ロケット「New Glenn」で、NASAの火星探査機の打上げに成功したことを発表しました。11月20日には新型ロケットの計画についても発表しています。

2025年11月13日、Blue Originは大型ロケット「New Glenn」がNASAの双子衛星「ESCAPADE(Escape and Plasma Acceleration and Dynamics Explorers)」の打上げに成功したことを発表しました。ロケットは指定の衛星軌道に投入されたとともに、1段目のブースターを再使用するため、大西洋上の洋上回収船に着陸させることにも成功。

宙畑メモ:ESCAPADEとは
双子衛星を火星周回軌道に投入し、同時多地点観測によって火星のハイブリッド磁気圏や太陽風との相互作用を立体的に測定することを目的とした調査ミッションです。ESCAPADEの衛星本体はカリフォルニア大学バークレー校のSpace Sciences Laboratory(UCBSSL)が主導。また、設計や開発は2006年にニュージーランド出身のピーター・ベック氏が創業したアメリカの宇宙企業Rocket Labが担当しています。

ミッション(NG-3)以降から「New Glenn」をアップグレード。打上げ技術と再使用化技術の向上を目指す

2025年11月20日、Blue Originは「New Glenn」のアップデート計画を発表しました。公式リリースによれば、3回目のミッション(NG-3)以降から、段階的にロケットのエンジン・構造・再使用や回収運用技術など多数の改良を導入するとのことです。 

特筆すべきなのは、エンジン性能の向上です。第一段ブースターに搭載される7基のBE-4エンジンの総推力は、従来の390万lbfから450万lbfに引き上げられます。また、過冷却された推進剤を用いることで、BE-4エンジンの最大推力は従来の550,000lbfから、最終的には640,000lbfに達する見込みとされています。さらに上段で使われるBE-3Uエンジンも、従来設計の320,000lbfから約400,000lbfまで強化していくとしています。

新型超重量級ロケット「New Glenn 9×4」の開発計画を発表

同日には、現在運用中のロケット「New Glenn」の派生型として「New Glenn 9×4」の開発計画を発表しました。第1段にBE-4エンジンを9基、第2段にBE-3Uを4基を搭載し、さらに直径8.7mの大型フェアリングを備えた設計になるとしています。低軌道で70トン以上、静止軌道への直接投入で14トン以上、さらには月遷移軌道への20トン以上の運搬が可能とのこと。このことから、現行の「New Glenn」では難しい超大型・重質量ペイロードの打上げを想定していることが明らかになりました。

今回の打上げ成功は、SpaceXとBlue Originとの開発競争がさらに加速していくことを強く予感させるものでした。さらに、その後に発表された「New Glenn 9×4」の開発計画で、再使用ロケットとしての利便性とコスト効率性が一段と高まることが期待されます。今後の動向に目が離せません。

関連記事: