日本全域で0円~38.87億円!? 衛星画像・データの価格まとめと今後の展望

先日、宙畑のtwitterで衛星画像の紹介をしたところ、「販売単価はこれで一枚いくらくらいですか?」とご質問をいただきました。

”衛星画像の価格”

宙畑の返信をご覧いただくと分かる通り、Twitterで引用リツイートした衛星画像は高く、個人がポケットマネーで変える代物ではありません。しかしながら、同じ衛星画像でも無料で利用できるものがあります。

本記事では宙畑編集部が世界の衛星画像価格を調査した結果をご紹介。ぜひ衛星画像について「お金」という切り口から衛星ビジネスについて妄想してみてください。

夢やロマンで語られる宇宙ビジネスのあまり語られることのないお金の話をとことん掘り下げます。

※本記事で紹介している衛星画像は各国それぞれに販売代理店があり他の国の価格でそのまま手に入るとは限りません。分かりやすさを重視し本記事執筆時のレート(1ドル111円)で円に換算した金額を示しています。ご紹介する価格はあくまで目安と思っていただければと思います。

【目次】
(1) 衛星データで分かることと市場規模
(2) 価格を左右する変数と主要な衛星データの価格一覧
 - 価格を左右する衛星データの鮮度と価格例
 - 低解像度(1mより大きい)の衛星画像と価格例
 - 中解像度(0.5m~1m)の衛星画像と価格例
 - 高解像度(~0.5m)の衛星画像と価格例
(3) 衛星画像の価格を決める衛星とロケットの価格
(4) 衛星データ利用視点で考える衛星データ価格
(5) 無償で利用できる衛星データがあるワケと各国の衛星データ戦略
(6) まとめ

(1) 衛星データで分かることと市場規模

そもそも衛星画像を買って何をするのでしょうか?

衛星画像で分かることの一例を、陸海空のエリア別でまとめたのが下図です。地表の様子から降水・降雪、海面高度まで様々なことを知ることができます。

※詳しくは「衛星データのキホン~分かること、種類、頻度、解像度、活用事例~」をご覧ください。

”衛星画像から分かること一例”
衛星画像から分かること一例
Image Credit: sorabatake

また、実際に世界全体で使われている衛星データ(画像を含む)の市場規模は、衛星データそのものの売買として1,870億円、衛星データを利用したサービスとしては3,520億円、合計5,390億円に上ります(Euroconsultの2016年のレポートより)。

さらに、2026年までに衛星画像および付加価値サービス市場は8,500億円まで成長すると言われてる年平均成長率5%を超える成長市場です。

”衛星データサービスの市場規模と内訳”

サービスの内訳で最も大きい割合を占めるのは、「衛星データを元にした地図作成」「土地がどのように使われているのかの確認(地籍の確認)」といったインフラ関係で全体の33%、次いで環境モニタリングが21%です。

衛星画像の市場で61%を占める安全保障がサービス分野では15%であるのは、業界の特性上秘匿性が高いため、画像を内部組織で加工して知見化しているためであり、高額な衛星画像はこの分野でよく用いられます。

逆にインフラや環境モニタリングの分野では衛星画像自体の割合は高くないですが、サービスで大きな割合を占めています。これは、無料または低価格の画像から様々な付加価値を付けたサービスを作り出しているためと考えられます。

   

(2)価格を左右する変数と主要な衛星データの価格一覧

では、実際に衛星画像の値段について見ていきましょう。ここでは、最も多く市場に出回っている光学センサの画像について紹介します。

冒頭でも紹介したように、衛星画像はモノによって、無料のものから1平方キロ(皇居外苑と同じくらい。ディズニーランド約2個分)で1万円程度のものまで幅があります。

その価格の差はどこで生まれているのか。衛星画像の価格を左右する変数についてまずはいくつかご紹介します。

価格を左右する衛星データの鮮度と価格例

衛星画像は情報なので、撮影した日(情報の新しさ)によって価格が異なります。

昔の画像であれば安く、最近撮影した写真になると値段が上がります。さらに、こちらからリクエストして新たに撮影してもらうには別途費用がかかるケースもあります。

下の表はWorldViewと呼ばれる商用では世界最高レベルの衛星画像の価格表の一例です。

”WorldViewの衛星画像価格”

カラー(4 band)の40cm解像度の場合、撮影から90日以上経過している画像の価格は1平方キロ2,000円程度ですが、撮影から90日以内または新たに撮影をする場合3,000円になります。

さらに、いつまでに撮影してほしいか指定すると1平方キロで5,500円を超え、14日以内に撮像してほしい場合には1万円を超える価格に。日本の面積が378,000 km²なので、WorldViewで日本全域の最新のデータを買おうとすると38.87億円必要になるということになります。

   

価格を左右する衛星データの解像度と価格例

衛星画像は解像度でも価格が変わってきます。実際に低解像度・中解像度・高解像度の衛星についてそれぞれどこまで見えるのかとその価格をご紹介します。

低解像度(1mより大きい)の衛星画像と価格例

解像度が1mよりも大きい解像度であればかなり手ごろな価格で手に入ります。車のカウントなどは難しくなってきますが、農業や建物などに使えます。

”SPOT-6の衛星画像例”
1.5m分解能衛星画像の例。画像右下に船が、画像の中央やや右上のコンテナはカウントできる(画像はSPOT-6)
https://content.satimagingcorp.com/static/galleryimages/spot-6-gibraltar.jpg
”解像度1mよりも大きいクラスの衛星画像の価格”

中解像度(0.5m~1m)の衛星画像と価格例

解像度が1m程度であまり撮像位置精度にこだわらなければ、1平方キロあたり500円程度です。1m解像度は乗用車が分かるレベルの解像度です。

”キヤノン電子の衛星画像例”
1m分解能衛星画像の例。乗用車がかろうじて見えるレベル(画像はキヤノン電子)
Image Credit: キヤノン電子
”解像度1mクラスの衛星画像の価格”

   

高解像度(~0.5m)の衛星画像と価格例

解像度が0.5m前後になってくると価格が高くなり1平方キロあたり2,000円から1万円を超えるものまで出てきます。0.5mを切ると人が見えたり、車がより詳細に見えてきます。

”WorldView-4の衛星画像例”
0.3m分解能衛星画像の例。車の形までわかる。人も見えている。(画像はWorldView-4)
Image Credit: Digital Globe Inc.
”解像度0.5mクラスの衛星画像の価格例”

   

最後の落とし穴、衛星画像の最小購入面積に気をつけろ

ここまでお読みになって「あれ、衛星画像って意外とお手頃価格なんだな」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、ここに一つ落とし穴があります。それは「最小購入面積」です。

ご紹介してきた価格は1平方キロ単位の値段でしたが、1平方キロから買えるわけではなく衛星毎に最小購入面積が決まっているのです。(居酒屋で鍋を頼もうとするとご注文は2人前からなど、よくあるシステムと同じです)

前の章でご紹介した衛星画像の最小購入単位は例えば以下のようになります。つまり、単位当たりの金額に最小購入面積をかけたものが、衛星の価格となるわけです。

”衛星画像の最小購入面積と価格”

こうなるとちょっと個人では手が出にくい価格になってきますね……。

ただし、近年出てきている宇宙ベンチャーではこの「最小購入面積」を撤廃する動きや、近年の価格競争激化から、全体として年間3~5%で金額は安くなっていくという予想もあるので、今後に期待です。
   

(3) 衛星画像の価格を決める衛星とロケットの価格

ここまで記事を読まれて高解像度の衛星データを買ってみようと思われた方はよほどお金を持っている方や明確なビジネスチャンスを見出されている方でしょう。

そもそも、なぜ衛星画像はこんなに高くなってしまうのでしょうか?

それはずばり衛星の製造コストと衛星を宇宙に運ぶためのロケットの価格が高いからです。

それぞれどの程度のお値段なのか見ていきます。
   

人工衛星の価格

人工衛星の価格も性能によって、大きく差があります。大型高性能な衛星と小型で機能を絞った衛星の比較は以下の通りです。

”大型衛星と小型衛星の価格の比較”

重さ数トン、大きさ数mの衛星(これでも少し小さいレベルですが)では衛星の製造費用に数百億円かかることも珍しくありません。

宇宙空間という厳しい環境に15年以上耐えるために宇宙用の部品を使い、多くの人がかかわり様々な試験を行って製造されるため、大型人工衛星の価格はこれくらいかかってしまうのです。

一方の小型衛星は重さ50kg未満、大きさ50cm程度で数億円レベルです。最近では量産効果などで1億円を切るケースも見られ始めています。

小型衛星では、軌道上でのトラブルをある程度許容し再起動などで対応する、もしくはたくさん衛星を打ち上げることで数機の故障は許容するというコンセプトで設計を行っています。

したがって、絶対に止まったらダメな部分は宇宙用の部品を用いますがそれ以外の部分には地上用の部品を用いています。小型化を実現するために機能を絞っているため、試験なども短くて済むのです。
   

ロケットの価格

ロケットの価格も各ロケット毎に様々です。ロケットでは、運ぶ衛星の質量によって金額が変わってきます。

以下に現在の主要なロケットとその打ち上げ価格を示します。

衛星質量に示すようにこれらのロケットはもともと大型の衛星を1機または2機搭載して打ち上げることを意図して作られています。

”H2A含む大型ロケット打ち上げ価格”
”イプシロンを含む中型ロケット打ち上げ価格”

ロケット打ち上げ価格は、大型衛星の価格と同程度かその半分程度ということが見えてきます。2020年を目途にロケット各社は打ち上げ価格の半減を目指しています。

”小型衛星のロケット相乗り打ち上げ価格例”
小型衛星のロケット相乗り打ち上げ価格例
Image Credit: spaceflight industries

小型衛星の場合、これらのロケットを丸ごと購入するのは難しいので相乗りをして打ち上げることが多いです。ロケットの相乗り斡旋業として有名なSpaceflight Industriesのホームページには衛星の質量(ペイロードと言います)毎に価格が掲載されています。

50kgの小型衛星であれば、打ち上げの価格は約2億円程度。小型衛星の場合、ロケットの打ち上げ価格は衛星と同程度かやや高いレベルですね。

しかしながら、ロケットの相乗りでは何機かまとめて打ち上げるため、自分の打ち上げたいタイミング・軌道に衛星を打ち上げることができません。

その課題を解決するために、近年大きな盛り上がりを見せているのが小型ロケットです。堀江貴文さんの名前とともに度々話題に上がる「インターステラテクノロジズ」も商用小型ロケットビジネスにチャンスを見出しています。。

”インターステラ含む小型ロケット打ち上げ価格”

上記表をご覧いただくと分かる通り、価格は相乗りに比べてややお高めですが、それでも時期と軌道を自由に選べる点を評価して小型ロケットを選択するユーザーが一定数いると考えられています。

   

衛星にかかる費用をまとめると

ということで、超ざっくりですが衛星画像を生み出すための衛星にかかる費用をまとめると以下のようになります。

”地球観測衛星にかかる費用一例”

実際にはこれまで紹介した金額に衛星を運用するためのコストが加算されていきます。

衛星画像が高いのも納得、といったところでしょうか。

※厳密にいえば他にも考えるべきことがありますが、ざっくりとした価格感をつかむということでご容赦ください。
   

(4) 衛星データ利用視点で考える衛星データ価格

さて、衛星画像提供側の値付けの裏側はざっくりと分かりました。

次はモノやサービスの価格は原価からの積み上げではなく「商品にユーザーがどれほどの価値を見出すか(その商品にどれほど払ってもよいと思えるか)」という視点で考えてみます。

”衛星画像利用ビジネスの考え方”

つまり、「(衛星画像が生む価値)が(衛星画像の価格)×(みたい面積)×(頻度)を超えられるかどうか」という視点です。

今回は実際に利用価値について議論されることの多い2つの事例をご紹介します。
   

衛星利用:漁業のケース

まず良く衛星データ利用事例としてご紹介されるのは漁業です。

衛星データを用いることで、日本の平均漁労収入(664.5万円)が5%伸びると仮定すると、収入の増分は年間で約32万円です。さらにコストの大部分を占める燃料費を10%改善できたとすると、年間6万円のコストを低減でき、1経営体当たり年間で40万円弱の収益改善が見込めるということになります。

漁業の場合衛星画像の解像度は高くなくてもよいので、1m以上の衛星画像を用いることを考えます。

沿岸漁業の場合、一回に探索する漁場が30平方キロとすれば、4500円/回程度、つまり月の半分15日×12ヶ月で年間81万円のコストがさらに必要となる計算です。

ということはつまり、売上の改善と原価の低減を組み合わせても、"いち個人経営体の漁師目線"では、価格がペイできるほどの価格水準ではないことが分かります。

そこで、"いち個人経営体の漁師目線"として衛星画像の購入に価値を感じるとすれば、経営の大規模化もしくは衛星価格の低減が必要になります。

以上はあくまで"いち個人経営体の漁師目線"での試算でした。実際には衛星画像を利用したアプリサービスの提供もされており、漁業従事者の助けとなっているものもあります。

※計算の源泉は漁業について掘り下げた「漁業×宇宙(人工衛星利用)、現状と事例【宙畑業界研究Vol.2】」をご参照ください

   

衛星利用:金融のケース

よく話に上がる衛星利用の代表例として、石油タンクの監視があります。石油タンクの蓋は中にある石油の量に合わせて上下するため、蓋の位置から石油の貯蔵量が推定できるというものです。石油の貯蔵量が推定できると、石油の先物取引の重要な指標になります。

たとえば、世界最大の石油会社「サウジ・アラムコ」の時価総額は220兆円と言われています。日本最大の石油会社は「JXTGホールディング」で、時価総額は2.7兆円です(2018年8月現在)。

先物取引での利益を見積もるのはなかなか難しいですが、時価総額から考えてもかなりの金額が動くと考えられます。

一方で、衛星画像から石油の貯蔵量を推定するためにどれほどのコストがかかるのでしょうか。

タンクの蓋の高さを測るので、解像度は0.5mクラスの画像が必要と考えられます。頻度としては週に1回くらいは必要でしょう。

会社全体の動きを把握するのであれば、製油所は1箇所だけでありません。JXTGエネルギーを例にとると、日本だけでも10箇所はあると考えられます。

”JXTGエネルギー仙台製油所の石油タンク”
JXTGエネルギー仙台製油所の石油タンク
Image Credit: JXTGエネルギー https://www.youtube.com/watch?v=0s1Ro570uWk
”JXTGエネルギー製油所・製造所配置図”
JXTGエネルギー製油所・製造所配置図
Image Credit: JXTGエネルギー https://www.noe.jxtg-group.co.jp/company/about/branch/map/
”衛星画像を用いた石油タンクの貯蔵量監視例”
Ursa Spaceが衛星画像を用いて行っている石油量推定。毎週の変化を追っている。
Image Credit: Ursa Space https://www.ursaspace.com/single-post/2018/08/16/The-Myanmar-Crude-Connection

2章の調査より、高解像度の新規撮像は少なく見積もっても1枚100万円(272平方キロ)です。1つの石油タンク場の面積は1枚の衛星画像の中に十分入ると考えられます。

100万円/枚×4回/月×10箇所/社=4,000万円/月

以上より、JXTGエネルギー1社だけを見ても、毎月衛星画像だけで4,000万円程度かかることが分かります。

ただし、海外にも確認しておくべき石油タンクがあるかもしれませんし、衛星画像以外に入手しておくべき情報もあると思いますのでこれらの画像価格見積もりはあくまで目安として考えていただければと思います。

衛星画像から石油タンクの貯蔵量を解析する事例はアメリカのOrbital Insight社が行っており、世界の最新金融ニュース、マーケット情報、市場の分析や、マーケットデータ、金融情報を提供しているBloomberg社と契約を結びました。

詳細な内容は明らかにされていないものの金融市場にとって十分価値のある情報を提供できるということでしょう。

   

(5) 無償で利用できる衛星データがあるワケと各国の衛星データ戦略

さて、衛星画像を使ったビジネスを行うためには、必ず高いお金を払って衛星画像を購入しなければならないのかというと、そういうわけではありません。

少し解像度の粗い衛星画像ではありますが、冒頭で紹介したように無料で利用できる衛星データが解放されています。

無償で利用できる衛星データ

アメリカの政府衛星データ LandsatLook Viewer
広域撮像を目的とする光学センサ衛星の王道。観測頻度は2週間に1度。公開されている衛星データの中では最も古く、1972年からのデータがあります。最新機がLandsat-8で8機目。
   
ヨーロッパの政府衛星データ Corpernicus
Landsatと同様に広域撮像を目的とする衛星シリーズ。Sentine-1がSAR、Sentinel-2が光学、Sentinel-3が海洋観測となっていますSentinel-2はLandsatを意識して作られているためか、解像度はLandsat-8よりもやや良いです。

観測頻度も、1,2それぞれ2機ずつ打ち上げており5日程度とLandsat-8よりも短いです。また、それぞれの利用用途分野ごとに解析ツールを用意するなどユーザーフレンドリーであることも特徴です。
   
日本の政府衛星データ G-Portal
JAXAの衛星画像を無償で公開。広域の光学センサという意味ではデータ量等欧米にはかないませんが、マイクロ波を用いた観測データが多いのが日本の特徴です。降水や海面水温など画像情報以外の物理量からも選べるようになっています。

   

無償で利用できる衛星データがあるワケ

では、なぜ各国政府は無料で衛星データを公開しているのでしょうか。

● 衛星データは公共インフラだから

一つ目の理由は、「衛星データは公共インフラと考えられるから」です。

道路や公の場でのWIFIなど、私たちの生活にとってなくてはならないもので、国民全員がその便益を広く均等に享受すべきと考えられるものには政府の資金が投入されます。

衛星画像は客観的かつ広域なデータであり、あるレベルまでは国民全員が利用できてしかるべき(あって当たり前)という考え方です。

● 参入障壁を下げることで、衛星画像におけるイノベーションが加速されるから

もう一つの理由は、衛星画像利用促進のためです。

衛星画像自体は何も新しい話ではありません。人類は1960年代にはすでに地球観測を始めています。しかし、衛星画像の価格の高さや解析に必要とされる専門性の高さなどから利用があまり広がることはありませんでした。

衛星画像のコストをゼロにして参入障壁を下げることによって、多くの人が参加できるようになり衛星画像におけるイノベーションが加速されると考えられています。

”衛星データ利用の変遷”

   

各国の衛星データ戦略

   

● ヨーロッパ

民間企業が衛星データを用いたビジネスを促進できるように 、衛星データを少なくとも2030年までは提供し続けることを、欧州宇宙機関と100以上の欧州企業との間で取り決めています。

●アメリカ合衆国

米国国家地球空間情報局は、民間の衛星データを積極的に活用していくことを表明しています 。政府が顧客になれば必ずリターンがあるため、投資家が民間の衛星ベンチャー企業にこぞって投資するという循環が生んでいます。これは間接的に「データの継続性」を保証する動きともいえるでしょう。

●日本

先に紹介したように、日本は今年、経済産業省が主導となり、「オープン&フリー」なデータプラットフォーム「Tellus」の用意が検討され始めています。

「Tellus」に関して詳しくは「なぜ日本初衛星データPF「Tellus」のデータビジネスに期待が集まるのか」で。
   

(6) まとめ

本記事では普段あまり触れられることのない、宇宙ビジネスのお金の話を掘り下げてきました。

イメージ通り非常に高額な衛星画像もある一方で、政府による無料の衛星画像の取り組みも見えてきました。

現在の宇宙産業は90年代のインターネットによく例えられます。

インターネットができた当初、みんなどうやって使うのか、何に役立つのか良くわかっていなかったのです。しかし、多くの人が「面白そうだ」と参入しインターネットで「遊んでみた」結果、現在では我々の生活になくてはならないものに成長しました。

衛星画像も現時点で想定されている利用方法は少なく、何の役に立つのかよくわかっていない部分も多いです。しかしだからこそ、多くの人集まって衛星データで「遊んでみる」ことで思いもよらない衛星画像の新しい使い方が見えてくるかもしれません。

   

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