ロケット相乗り時代のニューアイテム“ESPAStar”とは? 第26回「今週のSPACE ENGLISH」

英語が苦手で最新の宇宙ビジネス情報をキャッチするのに四苦八苦。そんな宙畑編集部員T.N.と一緒に、宇宙ビジネスで使用される英単語を学ぶ本連載。

今週は9/16~9/22の7日間で『SpaceNews』内で最も頻繁に出現した英単語(※これまでに同連載でご紹介した英単語を除く)を10個ご紹介します。

それではさっそく、Let’s 今週のSPACE ENGLISH!!
   
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
集計対象記事:『SpaceNews』で該当期間に公開された記事のすべて
集計期間:2018/9/16~2018/9/22
※()内の数字は該当期間の登場回数です

今週はアメリカで行われたAir Space Cyber 2018に関連して、アメリカの防衛関係の話題が目立ちました。話題の中心は、トランプ大統領が提唱している「宇宙軍」だったようです。

wilson (53)

Heather Wilson。アメリカ空軍の長官。

今週は宇宙軍の創設について、人員13,000人、予算3,300億円で開始することを提案しました。

シンポジウムで講演をするHeather Wilson長官
Image Credit: USAF

■元記事:
Air Force Secretary lays roadmap to a new space force

shanahan (21)

Patrick Shanahan。こちらは国防副長官です。
企業のCEO経験もある彼は官僚的なやり方を嫌っているようですが、それでも宇宙軍の創設は複雑を極めるだろうという見立てです。

Patrick Shanahan国防副長官
Image Credit: AFA

espa (20)

EELV Secondary Payload Adapterの略。
MOOG社が製造する、ロケットに衛星を取り付けるアダプターの商品名。
名称に”Secondary”と入っている通り、メインとなる衛星ではなく、その脇に乗る衛星のためのアダプターです。

超小型衛星が盛り上がっている昨今、ロケットに相乗りして打ち上げることが多いため、そのためのアダプターにも注目が集まっています。

MOOG社のESPAサイト

一番左側の銀色の円管がESPA。小さな衛星をいくつも搭載して、宇宙へ打ち上げる。
Image Credit: SpaceFlight Industries

grumman (18)

Northrop Grumman。アメリカの大手衛星メーカー。衛星だけでなく防衛関連品も多く手掛けています。

先ほどのESPAと呼ばれるリングから小型衛星を分離せず、そのまま電源などを供給するプラットフォーム構想”ESPAStar”を打ち出しています。

Northrop Grummanが計画するESPAStar。アダプターに太陽電池パネルをつけて、超小型衛星に電力を供給できるようにしている。
Image Credit: Northrop Grumman

Northrop Grumman社のESPAStarに関するサイト

■元記事:
Government agencies prepare for piggyback flights, secondary payloads

senior (17)

シニア。年上の、上級者の。

NASAでは、運用しているプログラムの生産性を最大化するため2年に1度Senior Reviewというものが行われます。

今回はそのレビューについて、NASAが検討していることがニュースになっていました。

■元記事:
NASA planning alternative reviews of SOFIA

review (17)

レビュー。審査。
先に挙げたSeniorとともにSenior Reviewでランクイン。

Senior Review以外にも、開発系では

● Preliminary Design Review (PDR):基本設計審査
● Critical Design Review (CDR):詳細設計審査

などの審査が良く行われます。

その時点までの設計が正しくできているかを確認するもので、プロジェクト外の審査員が審査を行い、次フェーズへの移行の可否を判断します。
プロジェクト全体のマイルストーンとして扱われることが多いです。

宇宙空間で確実に動作するものを作るために欠かせないプロセスですが、資料は膨大な量になるため、審査会が近くなると、メンバーの残業が増えていきます。

プロジェクトの流れの一例。左から右に時間が流れていく中で△で書かれているのが審査会です。次のフェーズに移行してよいか判断されます。
https://www.slideshare.net/NASAPMC/maryfaller

payload (17)

pay(払う)+load(荷物)で、お金を払って乗せてもらう荷物という意味になります。

ロケットにとってのペイロードは衛星であり、衛星にとってのペイロードは観測機器などのミッション機器なので、英語でニュースを読む際には注意が必要です。

第19回のSPACE ENGLISHに複数形が登場していましたが、ここでは単数形で再度ランクインしました。

ssl (17)

Space Systems Loral。アメリカの衛星製造メーカーです。

世界でもトップ5に入る通信衛星メーカーですが、近年の静止軌道上の通信衛星の冷え込みを受けて、静止衛星市場からの撤退を表明していました。

今週のニュースでは、すでにSSLが契約している通信衛星Amos-8の契約が履行されないのではというニュースでした。

■元記事:
SSL’s Amos-8 contract in doubt as Maxar eyes a GEO exit

scheduled (16)

schedule(予定する)+edで、”計画的な、定期的な、予定した”などの意。

宇宙ニュースでは打ち上げやテストが予定されていることが多いです。

今週の英語フレーズ

International Launch Services has KARI’s Kompsat-6 radar satellite scheduled to launch on a Russian Angara 1.2 rocket in 2020.

国際打ち上げサービス(ILS)はKARI(韓国宇宙機関)のKompsat-6というレーダー衛星を、2020年にロシアのアンガラ1.2ロケットで打ち上げる計画だ。

■引用記事:
Arianespace signs fifth Vega C contract

including (16)

含まれる。
in(中に)+clude(閉じる)で含まれるという意味です。

同様の考え方でex(外に)+clude(閉じる)で、締め出す、排除するという意味に、con(共に)+clude(閉じる)で結論という意味になります。

今週の英語フレーズ

Bezos showed animation videos of New Glenn, including one where the booster lands on a drone ship.

ジェフベソス(AmazonのCEO)はニューグレンロケットのアニメーションビデオを披露したが、その中にはブースターが無人船に着陸する様子も含まれていた。

■ 引用記事:
In front of a military audience, Bezos touts investments in rockets, launch facilities

final (16)

最後の。
Finallyで最終的に。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
以上、第26回「今週のSPACE ENGLISH」いかがでしたでしょうか。

次回の「今週のSPACE ENGLISH」は10/7(日)に9/23(日)~9/29(土)に公開された「SpaceNews」記事の最頻出英単語TOP10(これまでに紹介した英単語は除外)をご紹介します。

これまで英語が苦手でなかなか海外の宇宙ニュースを敬遠していたという方も、「今週のSPACE ENGLISH」で少しずつ宇宙英単語を学んで海外の宇宙ニュースにチャレンジしてみましょう!
   
執筆:ルッコラ担当

※これまでの「今週のSPACEENGLISH」はこちら
   
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