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日本の月面探査ベンチャーispaceが101.5億円の資金調達に成功

日本の月面探査ベンチャーiSpaceが日本のスタートアップ企業として国内最高額となる101.5億円の資金調達に成功。その背景とは

世界の宇宙ニュースを宙畑編集部が、易しく解説!

月面着陸艇とローバーのイメージ Credit : ispace

Google Lunar X PRIZEによる月面探査レースにも参加している、日本の月面探査ベンチャーispaceが日本のスタートアップ企業として国内最高額となる101.5億円のSeries A(*1)による資金調達に成功した。ispaceは今回の資金調達によって、「月周回」と「月面着陸」の2つのミッションを開始し、2020年末までに月面探査を行う予定だ。

出資者一覧には、産業革新機構、日本政策投資銀行、東京放送ホールディングス(TBS)、コニカミノルタ、清水建設、スズキ、電通、リアルテックファンド、KDDI、日本航空、凸版印刷、スパークス・グループが名を連ねている。

月面輸送サービス

「月周回」と「月面着陸」の2つのミッションが成功した次のステップでは、30kg程度の荷物を定期的に月面に送るサービスを展開していく計画だ。月面での低重力・低温環境などを生かした研究、技術開発を行いたいと考えている大学や企業が利用することができる。

創業者である袴田武史氏は、「我々は月面輸送サービスを開始する。顧客の要望に応じ、毎月、定期的に月面輸送サービスを提供することが重要になるだろう。」と語っている。

月面基地から広がる宇宙進出

月を基地として利用した際の月の役割 Credit : ispace

月面探査に取り組む意義は何なのだろうか。月はNASAによって水の存在が確認されており、この水を利用することで月を宇宙進出する際の出発点とすることができるのだ。

人間や植物が生命を維持するために水が必要不可欠なのはもちろんのこと、水を分解すると酸素と水素を得ることができる。これは液体燃料ロケットの推進剤と酸化剤である、液体水素と液体酸素の原料である。

月面基地でロケット燃料を精製することで、衛星や火星や小惑星へ向かうロケットの燃料補給を月面基地で行うことが出来る。

地球から発射されるロケットは、地球の重力圏を抜けるための必要最低限の燃料を積載し、月の中継基地で燃料を補給することによって積載燃料の無駄を省き、大幅なコストカットを実現することができる。

現在、世界から注目されていふる将来の活躍がとても楽しみな日本発の宇宙開発ベンチャーである。

今週の英語フレーズ

Through these two missions, we’re going to validate our technology to land on the moon safely. After we validate the technology, we’re going to enter the lunar transportation business.
これら2つのミッションを通して、我々の月面に安全に着陸する技術を実証する。技術の有効性を実証した後、月面輸送サービスビジネスに突入する。

用語解説

*1 Series Aはいくつかあるスタートアップの資金調達の方法の1つである。製品開発、技術開発への投資段階に相当する。

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出典元

2017/12/18, SPACENEWS, Japanese lunar exploration company ispace raises $90 million

2017/12/18, ispace, シリーズA国内過去最高額となる101.5億円の資金調達を実施 日本初、民間開発の月着陸船による 「月周回」と「月面着陸」の2つのミッションが始動

2017/12/18, engadget 日本版, 日本発宇宙ベンチャー「ispace」 が101.5億円を調達、月面輸送サービス商用化めざす

2017/12/18, Investopedia, Series A, B, C Funding: What It All Means and How It Works