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欧州も再使用ロケットに興味

SpaceXやBlue Originなどアメリカのベンチャー企業が取り組む再使用ロケット。 欧州も興味を持っているようですがそのメリットとは

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欧州の次期ロケットAriane 6 Credit : arianespace

欧州の次期ロケットAriane6も再使用ロケットに興味

SpaceXやBlue Originなどアメリカのベンチャー企業が取り組む再使用ロケット。
成功すれば、ロケット打ち上げの価格低減が可能となると言われている。
欧州の最大手ロケット打ち上げサービス会社であるArianespaceは、2020年打ち上げ予定の次期ロケットAriane6を再使用可能にする可能性があると述べた。

Ariane6プロジェクトのリーダーであるBonguet氏は、「再使用することで本当に価格低減ができるか、まだ判断できていない。」と述べた。Ariane6は年12回打ち上げを行う予定であるが、12回ロケットが再使用できるとすると、年1機しか製造しないことになる。これでは、Arianespaceが狙う大量製造によるコスト削減効果が十分に得られないという。

Ariane6コスト削減の3つのポイント

前号機Ariane5からの違いは大きく3つある。

一つ目は、製造プロセス重視の設計だ。Ariane6は、Ariane5の産業化バージョンと言える。Arianespaceは部品の供給会社と製造の観点を入れながら共同で設計を行う“extended enterprise”コンセプトを打ち出し、設計段階でいかに費用を抑えたロケットにできるかを考え抜いている。

2つ目はフランスとドイツのリソースの合体である。以前はAirbusとSafranという2つの会社に分かれていたが、両社を統合していく方針だ。しかし、欧州宇宙機関のメンバーからは内部での競争力を失うとして拒否される可能性もある。

3つ目は3Dプリンターの活用である。Ariane5の時は、1つしか3Dプリンターで製造した部品を使用していなかったが、Ariane6では十数点に及ぶ。機械加工の難しい部品を3Dプリンターで製造することによって、コスト削減と生産性の向上を図っている。

2020年の打ち上げに向け、すでに長納期部品の手配は始まっている。
次世代ロケットの開発競争から目が離せない。

3Dプリンターで制作されたAriane 6上段推進モジュールのパーツの一つ Credit : EOS GmbH

今週の英語フレーズ

“Ariane 6 is basically an industrialization of Ariane 5. So, it is not a brand new design. The innovations are more to make it robust to manufacture,”
Ariane 6は基本的にはAriane 5の産業化版である。真新しい設計はない。我々にとってのイノベーションはもっと安定してロケットを製造することだ。

2017/10/05, SPACENEWS, Ariane 6 could use reusable Prometheus engine, designer says,

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