宙畑 Sorabatake

Tellus

「しきさい」(GCOM-C)のNDVI(正規化植生指数)データをTellusOSで公開開始!

2020年5月28日にTellus OSに新しく追加された「しきさい」(GCOM-C)のNDVI(正規化植生指数)データについて、その概要と使い方をご紹介します。

2022年8月31日以降、Tellus OSでのデータの閲覧方法など使い方が一部変更になっております。新しいTellus OSの基本操作は以下のリンクをご参照ください。
https://www.tellusxdp.com/ja/howtouse/tellus_os/start_tellus_os.html

気候変動を観測する衛星「しきさい」(GCOM-C)が観測しているNDVI(正規化植生指数)のデータが、2020年5月28日よりTellusで公開されました。

この「しきさい」で観測されたデータは、地球環境変動観測、災害監視、資源探査のために利用することが期待されているほか、農作物の生育や黄砂の状況の把握、漁場の把握などに活かせることが期待されています。

本記事では、Tellusに搭載される「しきさい」データの概要と活用事例などについてご紹介します。

★Tellusの登録はこちら

(1)「しきさい」(GCOM-C)のデータ概要

「しきさい」は、近紫外から熱赤外域(380nm~12µm)の複数の波長域で観測を行う光学センサー「多波長光学放射計(SGLI)」を搭載しており、雲、エアロゾル(大気中のちり)、海色、植生、雪氷などの4つの圏にわたって28項目もの気候変動に関係する物理量を1日に地球の約半分、2日で全地球を観測することができる宇宙航空研究開発機構(JAXA)の気候変動観測衛星です。

Credit : GCOM-Cミッションが目指すもの|GCOM-C@EORCより

Tellusではこれまで、「しきさい」の「海面水温」「クロロフィルa濃度」「地表面温度」のデータを公開しており、Tellus OS上でいつでも閲覧することが可能です。

「しきさい」のデータに関する詳細は、以下の記事でもご紹介しておりますので、ぜひこちらもご覧ください。

宙畑の「しきさい」(GCOM-C)関連記事

(2)Tellus OS上で「しきさい」(GCOM-C) NDVIのデータの確認方法

まずTellusで必要情報を入力し、アカウントを作成して手順に沿ってTellus OSにログインします。

Tellus OSを開いたら左のメニューより「マイライブラリ」を選択します。

「植生指数|GCOM-C」を探し、目のアイコンをクリックしてデータを表示させます。

データを表示できたら条件を設定し、調べたいエリアに画面を移動させて地表面温度を調べてみましょう。

例えば、東京23区内ですと、以下の画像にピンで示しているように、植生指数が高い箇所が3地点ほどありますが、左から「代々木公園」「赤坂御所」「皇居」になります。

(3)「しきさい」(GCOM-C)NDVIの利用イメージ

NDVI(正規化植生指数)のデータが見られるようになると、どのようなことがわかり、利用することができるでしょうか?

まず、「しきさい」ならではの魅力はデータの更新頻度が高いこと。現時点では2020年1月の1カ月間のみのため、その特徴を活かした衛星データの活用法は限られてしまいますが、宙畑では昨年から今年の初めにかけて起きたオーストラリアの森林火災を見てみることにしました。

ニュースサイトで調べたところ、オーストラリアの南東部、キャンベラ周辺で2020年1月頃に火災が起こっていることが分かりました。

特に、2020年1月4~7日の間、火がついていた箇所をオレンジで示しています。

Credit : European Comission Source : https://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/ECDM_20200107_Australia_Bushfires_update.pdf

これを実際にTellus OS上で見てみましょう。前章で説明したように「しきさい」の植生指数を表示させてみると、以下のようになりました。

「しきさい」(GCOM-C)の植生指数(左)1月9日の画像 (右)1月31日の画像

火災の煙でかなりデータの欠損が見られますが、データがある範囲でも赤い領域が増えている、すなわち、植生が失われていることが分かります。

現在のTellusにはこのエリアの以前の光学画像がありませんが、EO Browserで同じ場所の2019年11月の画像を見てみると、以下のようになりました。

CopernicusのEO browserの画像(2019年11月)
Credit : Carto © CC BY 3.0, OpenStreetMap © ODbL, © Sentinel Hub Source : https://apps.sentinel-hub.com/eo-browser/

たしかに、以前は植生があったことが分かります。先ほどの1月31日の赤くなっている部分と比べると、多くの自然が失われているようです。

また、植生の利用という意味では、森林伐採の様子や、植生地を切り開いて新たな土地を開拓する模様を監視することもできるでしょう。ぜひ興味のある場所で「しきさい」の植生データを見てみてください。

(4)まとめ

以上、2020年5月28日からTellusで公開された「しきさい」(GCOM-C)のNDVI(正規化植生指数)のデータについてのご紹介でした。現在、Tellus上で閲覧できる「しきさい」のNDVIデータは2020年1月のみとなっておりますが、今後のアップデートで随時搭載していく予定です。

今後もTellusには、さまざまな衛星データを随時追加で搭載し、公開していく予定でおります。また、膨大な衛星データの中からあなたのビジネスに役立つデータや解析方法、利用事例も随時ご紹介していきます。

あなたもぜひTellusの衛星データを使って、新しいビジネスをスタートしてみませんか。

★Tellusの登録はこちら