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Astroboticが月面探査車の輸送契約をNASAから獲得【週刊宇宙ビジネスニュース 6/8〜6/14】

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AstroboticがNASAから契約獲得

NASAは、2023年後半に打ち上げ予定の月面探査車VIPER(Volatiles Investigating Polar Exploration Rover)の輸送を担当する企業として、Astroboticと契約したことを発表しました。今回の契約により、AstroboticはNASAから1億9,950万ドルを獲得しました。

Astroboticによると、VIPERの輸送には同社の月着陸船「グリフィン」が使用されるとのことです。グリフィンは最大500kgのペイロード(積載物)を月面に輸送する能力があります。

今回の契約は、NASAが着陸船を購入するのではなく、商業月ペイロードサービス(CLPS)プログラムの一環で、月面へのペイロードの輸送サービスを企業から購入するものとなっています。

約450kgのVIPERには、4つの科学機器のほか、月面に約3フィートの穴を開けるドリルも搭載されています。100日間予定されているミッションの間、VIPERは数マイルの距離を探査し、様々な土壌環境をサンプリングして水や氷を探します。

Astroboticの着陸船からVIPERが出てくるイメージ図 Credit : Astrobotic

VIPER は氷の位置や濃度などのデータを収集し、月全体における水資源マップの作成に貢献します。また、VIPERによって収集された科学データは、宇宙飛行士の長期滞在中に水やその他の資源を採取できる場所の決定や、将来のアルテミス計画の着陸地点の選定にも役立ちます。VIPERが行う調査は、アルテミス計画を長期的に持続可能な月面有人活動を進める上で重要なミッションとなるでしょう。

Astroboticは昨年10月に、月面着陸機「ペレグリン」にペイロードを載せて月面まで輸送する契約をNASAと締結しています。このペイロードの一つは、株式会社ダイモンが開発する月面ローバ―YAOKIとなっています。

民間企業としてアルテミス計画の一翼を担うAstroboticに引き続き注目です。

ExolaunchがLoft Orbitalと打ち上げ契約を締結

ドイツの打ち上げサービスプロバイダーであるExolaunchは6月10日に、SpaceXのFalcon9によるSmallSat Rideshareプログラムの一環としてLoft Orbitalの超小型衛星YAM-3を打ち上げる契約を発表しました。打ち上げは2020年12月を目標としています。

Starlinkを打ち上げるSpaceXのFalcin9 Credit : SpaceX

Loft Orbitalが手がける超小型衛星のYAM-3には、

  1. ・IoTデバイス
    ・自律性オンボードシステム
    ・測位システム
    ・ブロックチェーン・アプリケーション

といった、多様な機器を搭載したペイロードが搭載される予定です。

YAM-3はFalcon9から、Exolaunchの超小型衛星用ショックフリー分離機構CarboNIXを利用して軌道投入されます。今回の打ち上げに加え、Exolaunchは2021年にもLoft Orbitalの次の超小型衛星の打ち上げ及び軌道投入サービスを提供する予定です。

これまでにExolaunchは100機近くの小型衛星の軌道投入を成功させてきました。超小型衛星の需要が高まるなか、打ち上げの斡旋業者の需要も同時に高まっていきそうです。

GomSpaceがノルウェー国防研究機構と契約

GomSpaceは6月10日に、ノルウェー国防研究機構(FFI)と超小型衛星の開発・納入契約を約200万ドル(1,900万スウェーデンクローネ)で締結しました。

今回の契約の主な目的は、極低地球軌道(LEO)からUHF帯の軍事戦術通信を実証することです。GomSpaceはペイロードの開発から打ち上げ、初期運用にも深く関わり、ミッション運用をサポートするとのことです。

また、プロジェクト開始から2年以内、契約締結から18ヶ月以内に軍事衛星ミッションが運用可能になるかどうかを実証することもミッションにあげられています。超小型衛星の打ち上げは2021年10月を予定しています。

FFIの主任研究員であるLars Erling Bråten氏は、以下のように述べています。

“To carry out this project on the fast track is an important goal of the project, with the long-term objective to establish an operational system that can provide this kind of SATCOM capability in the Arctic region”

(訳:今回のプロジェクトを早期に実施することは、今後、長期的に北極圏で通信衛星システムを運用していくために重要な目標です」

軍事目的のミッションでは、契約締結からミッション開始まで迅速に行えることが重要になります。超小型衛星を軍事目的で使用する事例も今後どんどん増えていくでしょう。

GomSpace Credit : GomSpace

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