今夏はどこへ行く!? 衛星画像から知られざる最高のビーチを探せ!
宙畑メンバーの海に行きたい欲が抑えきれず、衛星画像から海を探す新たな遊びを発見しました。
グアム、パラオ、石垣島……青く澄んだ海に真っ白な砂浜。憧れのビーチにため息をついたことのある人は少なくないだろう。
地球の表面積の7割は海である。他にも知られざる最高の海・ビーチがあるのではないか。
宙畑編集部が衛星画像から探しあてた「最高な(と思われる)海・ビーチ」を本記事で紹介する。
※本記事は宙畑メンバーが気になったヒト・モノ・コトを衛星画像から探す不定期連載「宇宙データ使ってみた-Space Data Utilization-」の第3弾です
1.衛星データを使ってできること
読者のみなさまにとって、もっとも馴染みの深い衛星画像はおそらく気象衛星「ひまわり」のものだろう。
この季節になると台風の話が出てくるたびにテレビやスマホのアプリ、ニュースで目にするあの画像だ。
だが、衛星が教えてくれるのは台風や雨雲の位置情報だけではない。たとえば特定の海の色や、気温、植物の植生などまでも衛星から取得することができる。
衛星データを使って何ができるのか。今年の3月に「衛星から桜は見える! 衛星画像を使った桜の探し方」と題して絶景花見スポット探しにチャレンジした宙畑編集部の次のターゲットは最高のビーチだ。
2.各国の著名なビーチの衛星画像を調査
表面積5.1億km^2の地球において、絶景の海・ビーチと一目置かれる場所はおそらくほんの一部である。
同様の海・ビーチはテレビやネットで騒がれる場所以外にも、もしかしたら意外と身近にあるかもしれない。そんな“穴場”を探すべく、宙畑編集部はリサーチを開始した。
まずは、リゾートビーチとして著名な「グアム」「石垣島」を調査する。
話題に上がるビーチはどのような傾向があるのか。今回は人気度を測る指標としての「〇〇 ビーチ」のGoogle検索結果数と、衛星からは光学画像のみ調査を行った。
※衛星データは「1時間で完成! 0から始める衛星画像の作り方」でも紹介した「Libra」から取得したLandsat-8のデータを使用
【グアム】
◆Google検索結果数:約9,510,000 件
【石垣島】
◆Google検索結果数:約4,510,000件
さすが著名なビーチだけあって、衛星画像だけでも行ってみたいと思わせる魅力を感じる。これはあくまで著者の主観だが、淡い水色の海がそれを感じさせるのかもしれない。
海の色については反射の角度ももちろんあるが、海の浅さと透明度も関係しているようだ。そこで、今回は淡い水色を良いビーチの指標として探索を開始する。
また、宙畑編集部のおすすめビーチ「ベリーズ」を調べてみると「あなたがきっと知らない世界の絶景ビーチを発見!中央アメリカ「ベリーズ」のプラセンシア・ビーチ」という記事が上がっているなど、ベリーズは知名度のボーダーラインかもしれない。
「ベリーズ ビーチ」と検索するとGoogle検索結果数は約1,350,000件だった。
そこで、乱暴ではあるが、知名度が低いビーチの定義をGoogle検索結果数が100万件以下のビーチとして、知られざる最高のビーチを探すこととする。
では、前置きが長くなってしまったが次章で宙畑編集部が見つけたビーチを紹介しよう。
3.宙畑編集部が見つけたおすすめビーチとその理由
【新島】
◆Google検索結果数:約212,000件
◆見つけた宙畑メンバーのコメント
今年は長期休暇がとれないので、関東近辺で良いビーチを探そうとしたところ、新島を見つけました。
実際に新島に関する情報を探してみると素敵なビーチがあるようなので、今年行ってみようと思います。
【木曜島】
◆Google検索結果数:約193,000件
◆見つけた宙畑メンバーのコメント
旅行の大敵である時差。なので、時差が少ない範囲で海の綺麗な地域を探してみたところ、木曜島を見つけました。
島のことを調べてみると、全盛期には7割の島民が日本人だったそうです。そして司馬遼太郎の小説の舞台にもなっているそう。
グレートバリアリーフのエリア内なため、綺麗なサンゴ礁を見ることもできそうです。
【アバコ島】
◆Google検索結果数:約16,300件
※「バハマ諸島 ビーチ」で約853,000件
◆見つけた宙畑メンバーのコメント
長期休暇もなければ、語学力もなく、海外旅行なんて行けそうにない。どうせ行けないならいっそ日本から行くのにとても時間がかかりそうなビーチを探しました。
こんなビーチに一生に一度くらい行ってみたいものです。
4.知られざるビーチ探しをもっと楽しくできる手法
衛星データから理想のビーチを探してみて、もっとこうできると楽しそうだ、という点が少なくとも2つある。
【労力】
たとえば類似画像を見つけるための労力。今回は「Libra」の光学画像のみを扱ったが、それだけでもこの辺りはどうだろうか……と当てをつけて探し、1枚の写真を作るために150MB以上のデータをダウンロードしなければならなかった。
地球全体を区切った特定の区画をひとつひとつ見ていかずとも、また、そのデータをダウンロードせずとも、特定のデータに合致するものを地球全体の衛星画像から一気に解析して探すことができればかなり楽になるはずだ。
【データの掛け合わせと精度】
今回は光学画像による海の色のみで最高だと思われるビーチを、Googleの検索結果数のみで知名度を乱暴に計測したが、衛星データでわかることはそれだけではない。
上の画像のように、衛星画像から取得できる植生データや地表面温度、その他のデータも利用すると、「サンゴ礁xビーチ」「避暑地xビーチ」という探し方もできる。
また、知名度についてもInstagramやTwitterのハッシュタグや画像と組み合わせることでリアルタイムの混雑度が判別できるはずだ。
5.衛星データの今後への期待
前章の「ビーチ探しはもっと面白くできるはずだ!」はそう遠い未来ではない。もしかすると今回挙げたアイデア程度なら技術があれば今日時点でできる程度かもしれない。
なぜならば、アメリカ、ヨーロッパではすでに衛星データ利用のプラットフォーム作りに力を入れている。
日本でも「なぜ日本初衛星データPF『Tellus』のデータビジネスに期待が集まるのか」で紹介したが、まさに先に述べた衛星データがもっと自由に、楽に使えるといいのにが実現しはじめている。
衛星データ利用の敷居が下がり、使いやすくなることで、漠然と「これができるといいな」と思っていたものが現実になるかもしれないのだ。
ぜひ、Tellusに登録して、様々なビーチを探してみてほしい。
Tellusの登録はこちら。
6.夏休みの自由研究に衛星データはいかが?
衛星データで取得できる様々なデータと、それ以外のデータを組み合わせることで、知られざる最高のビーチを探せるイメージが湧いただろうか?
また、衛星データでこんなこともできるのでは?というわくわく感を本記事で感じていただけたら嬉しい限りだ。
もし小学生のお子さんがいらっしゃる方がこの記事を読まれていたら、ぜひ夏休み中にTellusで衛星データをお子さんと一緒に眺めていただきたい。