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「O3b」って何の略? 第11回「今週のSPACE ENGLISH」

「O3b」はこれからの宇宙ビジネスのキーワードです。何の略か分かりますか? ヒントは通信衛星です。

Credit : sorabatake

英語が苦手で最新の宇宙ビジネス情報をキャッチするのに四苦八苦。そんな宙畑編集部員T.N.と一緒に、宇宙ビジネスで使用される英単語を学ぶ本連載。

今週は6/3~6/9の7日間で『SpaceNews』内で最も頻繁に出現した英単語(※これまでに同連載でご紹介した英単語を除く)を10個ご紹介します。

それではさっそく、Let’s 今週のSPACE ENGLISH!!

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
集計対象記事:『SpaceNews』で該当期間に公開された記事のすべて
集計期間:2018/6/3~2018/6/9
※()内の数字は該当期間の登場回数です

 

1.ses(31)

世界第一位の通信衛星を保有・運用する企業。ルクセンブルグに本社がある。

SESはO3bという衛星コンステレーション(群)プロジェクトを計画している。O3bとは「Other 3 Billion」の略で、世界中にいるインターネットにつながっていない30億人をネットにつなげようという計画だ。

今週のニュースでは、アメリカの許可が降りたため、赤道エリア付近だけでなく全世界でサービスが可能になるというニュースだった。

2.russian(22)

ロシアの。

人類初の人工衛星は1957年に打上げられたソ連の「スプートニク1号」。それは米ソ両国の冷戦状態において、アメリカとロシアの宇宙開発競争が加速した大きな節目であった。競争に競争を重ねた結果、飛躍的な技術進歩が起こったの末の今である。

ただ、現在はロシアのロケットでのみ宇宙飛行士はISSに搭乗できるなど、ロシアとアメリカの関係は強調も重要である。そこで「U.S.-Russian relations = アメリカとロシアの関係」といった使われ方も見かける。

3.billion(21)

10億。第5回「今週のSPACE ENGLISH」で登場した「million = 100万」同様、大きい金額を表す際に多用される。「billion」の頭文字をとって「B」のみ表記されることもある。

「$1.2 billion = 12億ドル = 約1320億円」「$100B = 1000億ドル = 約11兆円」など。

ちなみに、先日発表された2017年の宇宙ビジネスの市場規模は「$348B = 3480億ドル = 約38兆円」であった。

4.operations(21)

「operation = 運用、操作、運営、作業」の複数形。人工衛星はロケットで打ち上がった後が重要である。たとえば地球観測衛星であれば何を撮影するのか、また、軌道を維持するための姿勢制御など。その一連の作業について「operation = 運用」が使われている。

今回はISSの運用を民間企業にいかに引き継ぐのか、という件についての記事が上がっていた。

5.budget(20)

予算。宇宙ビジネスの市場規模を考えたときに民間のお金が増えてきているものの、いまだ各国の政府の予算というのは重要な変数である。

そのため、政府のどの政策にどのくらい予算がついたのか、もしくは当初の計画よりも削減されてしまった……というお話はクリティカルな話のため記事によく取り上げられる。

6.support(19)

サポート、支持、支援、援助。すでに馴染みのある言葉であるが、英語を読む際も通常はなしているものと同様のニュアンスととらえて問題ないだろう。

7.rogozin(18)

ドミトリー・オレゴヴィチ・ロゴージン。ロシア連邦政府副首相としてロシアの宇宙事業の推進に携わっていたが、ロシアの宇宙開発の進捗が他国と比較してよろしくないことから退任となった。現在はロスコスモスの社長に就任している。

8.roscosmos(18)

ロスコスモス。

2015年に設立されたロシアの宇宙開発を担う国営企業。
ロシア政府の宇宙計画と法規制の執行機関。機器の発注等も行う。
元々はソ連崩壊後、同名で国家機関として1992年に設立された。

9.center(17)

中央の、中央部隊、中心地、センター。「Taiyuan Satellite Launch Center」「National Satellite Meteorological Center」など、ポケモンセンターのような使われ方をすることが多い。

10.ohb(17)

ドイツの衛星製造メーカー。ドイツ語読みでオーハーベ―と呼ばれることも。
設立35年と大手衛星製造メーカーとしては歴史は浅い方。ヨーロッパ版GPS”ガリレオ”などの衛星製造を担当している。

 

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以上、第11回「今週のSPACE ENGLISH」いかがだったでしょうか。

次回の「今週のSPACE ENGLISH」は6/24(日)に6/10(日)~6/16(土)に公開された「SpaceNews」記事の最頻出英単語TOP10(これまでに紹介した英単語は除外)をご紹介します。

これまで英語が苦手でなかなか海外の宇宙ニュースを敬遠していたという方も、「今週のSPACE ENGLISH」で少しずつ宇宙英単語を学んで海外の宇宙ニュースにチャレンジしてみましょう!

※これまでの「今週のSPACEENGLISH」はこちら

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