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Amazonの通信衛星コンステレーション計画がFCCから承認を獲得【週刊宇宙ビジネスニュース 7/27〜8/2】

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Amazonによる3236基の低軌道通信衛星コンステレーションKuiper計画がFCCから承認を獲得

Amazonは7月30日に自社のブログにて、Kuiper計画(カイパー計画)として要請していた3,236基の低軌道通信衛星コンステレーションの運用について米連邦通信委員会(FCC)から承認を得たことを発表しました。同時に、Kuiperに100億ドルを投資することも発表しました。

FCCによると、Amazonは2026年7月30日までに少なくともコンステレーション全体の50%の衛星を打ち上げ、2029年7月30日までにコンステレーションを完全に構築させる必要があるとのことです。

AmazonはKuiper衛星を5つのフェーズに分けて展開し、578基の衛星が軌道投入を果たしたらサービスを開始する予定と述べています。

2019年10月にワシントンDCで開催されたIAC2020で講演するAmazon創業者兼CEOのJeff Bezos氏 Credit : Andrew Harrer | Bloomberg | Getty Images

Amazonの上級副社長のDave Limp氏は、今回の声明で以下のように述べています。

There are still too many places where broadband access is unreliable or where it doesn’t exist at all. Kuiper will change that. Our $10 billion investment will create jobs and infrastructure around the United States that will help us close this gap.

(訳:ブロードバンドアクセスが安定しない、もしくは全く繋がらない場所がまだ多くある。Kuiperはそれを変えるだろう。当社の100億ドルの投資によりこのギャップが埋まり、雇用とインフラを米国各地に生み出します。)

SpaceXのStarlink、英国に買収されたOneWeb、そしてAmazonのKuiperと、通信衛星コンステレーションの競争も激しくなってきています。今後の通信衛星業界に注目していきましょう。

Astraが新しい飛行試験の日程を発表

新興ロケットベンチャーであるAstraが、新しい機体の”Rocket 3.1”の飛行試験の日程を発表しました。
3月の打ち上げと同じく、アラスカ州コディアック島のPacific Spaceport Complexから行い、打ち上げウィンドウは、日本時間の8月3日~8日の11:00~13:00となっています。

今回の打ち上げは、同社がロケットの軌道投入能力を実証するために計画している3つの試験飛行のうちの最初の打ち上げの位置づけであり、ロケット第1段の性能をテストすることに重点を置いています。また、ペイロードは搭載されません。

Astraの創業者兼CEOのChris Kemp氏は、今回の打ち上げについて以下のようなコメントを出しています。

“We don’t intend to hit a hole-in-one here. We intend to accomplish enough to ensure that we’re able to get to orbit after three flights, and for us that means a nominal first-stage burn and getting the upper stage to separate successfully.”
(訳:ここでホールインワンを打つつもりはありません。私たちは3回の試験飛行で軌道投入を達成する計画で、まずは第1段の燃焼を正常に行い第2段の分離を成功させる予定です。)

水平状態のRocket3.0の様子 Credit : John Kraus/Astra

今回の試験飛行では、ロケット第1段に搭載される5機のエンジンを2分20秒燃焼し、その後フェアリングの分離及び第1段切り離しが実施されます。その後、第2段エンジンを約7分間燃焼します。

法人設立後3年のAstraは、早い段階から飛行試験を実施する開発スタイルを進めています。同社CTOのAdam London氏も、飛行中にしか学べないことがたくさんあるため、正確な飛行データを早い段階で得ることで迅速に機体開発を進めることが出来ると述べています。

Astraは、今年3月にDARPA Launch Challengeの最終審査として、Rocket 3.0の1回目の打ち上げに臨みましたが、燃料タンクの加圧中に異常信号を検知し、発射1分前に打ち上げ中断となっています。この問題については、ハードウェアとソフトウェアの変更を組み合わせて修正したとのことです。

また、3月下旬の2回目の打ち上げでは、ロケットに燃料を供給しカウントダウンの練習行う「ウェットドレスリハーサル」後、ロケットから推進剤を排出する際にバルブが故障し過加圧が起き、機体の損失につながっています。このバルブの問題も既に修正済みとのことです。

トラブルを乗り越えながら早急に対策を打ち、次の飛行試験に挑むAstraに注目です。

Rocket3.1と一緒に映るAstraの社員一同 Credit : Astra

Rocket Labが打ち上げ失敗の原因を発表

小型ロケットベンチャーのRocket Labは7月31日に、7月4日に行った小型ロケットElectronの軌道投入における失敗の原因を電気的接続の異常と特定し、2020年8月中の打ち上げ再開に向けて連邦航空局(FAA)から承認を得たことを発表しました。

7月4日のElectronの打ち上げでは、発射場からの離陸・第1段エンジンの燃焼・第1段の分離・第2段エンジンの点火・フェアリングの切り離しまで、計画通りに進みました。しかし、第2段エンジンの燃焼の数分後にエンジンが停止してしまいました。

この問題に際し、Rocket Labの事故調査委員会は、機体から25,000 以上のチャンネルで取得したデータを確認しテストを実施しました。その結果、今回の失敗は電気系のトラブルが原因と特定されたと発表されました。

発表によると、飛行中に特定の箇所の抵抗が増加することで発熱が起き、周囲のポッティングコンパウンド(電子部品を保護する絶縁体)が液状化し電気系統が切断されたことで、エンジンの停止に繋がったとのことです。

この問題は、振動・熱真空・熱サイクル試験などの標準的な試験では発生せず、過去の打ち上げでも一度も発生していませんでした。しかし同社のエンジニアが事故後に同様のコンポーネントでテストした結果、今回のトラブルを再現することができ、問題の特定に繋がったとのことです。

2020年7月4日のElectronの離床の様子 Credit : Rocket Lab

今後は、該当箇所の部品を交換することで対応するとのことです。同社CEOのPeter Beck氏は、今回の件により機体の設計変更は行わないとコメントしています。

 The actual system that this is associated with is really robust. It really doesn’t warrant a design change. It’s not a fundamental flaw.”
(訳:関連している機体のシステムは本当に堅牢です。設計変更の必要はありません。今回のトラブルは根本的な欠陥ではありません。)

Rocket Labが8月中に実施する打ち上げのペイロードについては、近日中に公表される予定です。一か月で原因を特定し次の打ち上げに臨むRocket Labに引き続き注目です。

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