宙畑 Sorabatake

宇宙ビジネス

400語を収録!宇宙ビジネス英語辞典

本記事では読者の皆様が英語の文献を読む時のヒントになるように、400語の英単語を宇宙ビジネス視点で解説します!

2018年5月から2019年7月までの14か月にわたって、全50回、400個の宇宙ビジネス英単語の解説を行ってきたSPACE ENGLISH
この中には通常の英語の知識だけでなく、宇宙ビジネスならではの知識もたくさん含まれています。
そこで、本記事では読者の皆様が英語の文献を読む時のヒントになるように、アルファベット順に並べ直した上で、この400語の説明を最新の情報も加えて再編集!
空いた時間に上から勉強していくもよし、聞きなれない単語があった時に調べるもよし、ご愛用いただけると嬉しいです!
掲載していない単語がありましたら、追記していきますので、ぜひご連絡ください!

A~E

ABCDE

A

abort[その他]

[名]打ち切り。

ロケットにはLaunch Abort System(LAS)またはLaunch Escape System(LES)というシステムがあり打ち上げ脱出システムと呼ばれている。打ち上げを中止しなければならなくなった緊急時に、乗務員が安全システムから空間カプセルというものを分離させる操作の事を指す。

「Ascent Abort2」は、Orionの打ち上げ脱出システムの事だ。

OrionはSLS計画(Space Launch System/米国が進める宇宙飛行士を乗せた大型ロケットの打ち上げ計画)と統合された有人飛行ミッションに関わる宇宙船である。この技術は、現在NASAが力を入れている、Artemisのミッションでも生かせると期待されている。

access[その他]

[名]接近、入り口、交通手段で連絡が取れること。

ISSに宇宙船がどのように接近するかなどを考える際に、接近ということを表す英単語として「access」が用いられる。

Accion Systems Inc[会社名]

[名]米ボストンに本拠地を置く、電気推進システムを提供する会社。

衛星に搭載する電気推進システムを製造している。電気推進はイオンの力をエネルギーとする。今まで懸念されていた毒性の可能性等がなくなったため、幅広い利用が期待されている。

[参考リンク]

Accion Systems Inc

acquisition[その他]

[名]買収。

[用例]M&A/merger and acquisition:合併と買収。
M&Aにより今まで自社になかった技術やチャネルを手に入れることができる。

海外では宇宙関連企業のM&Aが盛んに行われている。
近年だと、カナダの宇宙製造業MDAがアメリカ政府市場のチャネルを手に入れるために、アメリカ衛星製造大手のSpace Systems Loralを買収、さらに衛星画像販売大手のDigital Globeも買収し、衛星製造から衛星画像販売・解析までバリューチェーンを網羅した例がある。

added[その他]

[動]「add=追加する、加える」の過去形・過去分詞形。~と付け加えた。

additive manufacturing[その他]

[形]付加製造。
3Dプリンターなどを用いた製造のことを指す。

付加製造に関する安全標準として2017年、UL 3400という標準が発行された。
衛星製造大手のSpace Systems/LoralやLockheed Martinなどは衛星の部品を3Dプリンターで製造することを進めており、2社がUL3400の認定を受けた。
Lockheed MartinはすでにNASAの木星探査機Junoの部品の一部を3Dプリンターで製造することに成功している。衛星の部品は複雑な1点ものが多いため、3Dプリンターを用いることで、安く早く製造できることが期待されている。

administration[その他]

[名]行政、管理、経営。

ADS-B[技術用語]

[名]ADS-B / Automatic Dependent Surveillance Broadcast。
ADS-Bは、航空機から発信される位置情報などのデータを複数の受信機に送信することができる監視システムである。

[参考リンク]

Automatic Dependent Surveillance Broadcast (ADS-B)

advisory[その他]

[形]助言を与える、助言の権限を持つ

[用例]
NASA advisory committee:NASA諮問委員会

aerospace[その他]

[名]航空宇宙

China Aerospace Science and Technology Corporation (CASC):中国航天科技集団。ロケット、衛星、宇宙船、探査機などを開発、打ち上げる中国の国有企業
日本エアロスペース株式会社(JAC):日本の安全保障、社会インフラ向上に貢献することを目的に掲げている企業
というように社名にAerospaceが入る会社が航空宇宙産業において複数存在する。

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[参考リンク]

China Aerospace Science and Technology Corporation

日本エアロスペース株式会社

agencies[その他]

[名]代理店、国家機関。

代理店とは、ある会社と契約をして特定の業務を行う業務形態だ。保険会社がその一例で、大手保険会社は販売店での顧客業務を代理店に委託し、手数料を支払っている。

宇宙関係の記事でagencyという単語が出てきた場合、多くは行政機関を指す。ESA(Europe Space Agency)、JAXA(Japanese Aerospace eXploration Agency)などだ。ちなみに、NASAはNational Astronautics and Space Administrationの略なのでagencyという語は使用されていない。
JAXAは、日本国政府から資金を提供され日本の宇宙開発政策を行う機関だ。JAXAは日本国政府から専門的な宇宙分野の政策の業務や権限を移譲されて機能しているため、agencyという語が使用されている。

agency[その他]

[名]政府機関。局。
「Agency」の頭文字をとった政府機関は多数ある。

[用法]
JAXA:Japan Aerospace Exploration Agency / 宇宙航空研究開発機構
ESA:European Space Agency / 欧州宇宙機関
NGA:National Geospatial-Intelligence Agency / アメリカ国家地球空間情報局

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agreement[その他]

[名]協定、契約、同意。
宇宙開発には、諸外国や民間企業との調整や合意が必要不可欠だ。新たなプロジェクトが発足した際、多くの取り決めがなされ、協定や契約が結ばれる。

air[その他]

[名]空中、空。
アメリカの空軍と宇宙は密接な関係があり、頻繁に使用される英単語。
たとえば、地図アプリでおなじみのGPS衛星はアメリカ空軍第50宇宙航空団が運用している。
[用法]
the air force:空軍
USAF / United States Air Force:アメリカ空軍
AFSPC / Air Force Space Command:空軍宇宙軍団
Fourteenth Air Force:第14空軍。AFSPCに属する航空軍の一つ。人工衛星の打上げ・運用やミサイルの早期警戒を行っている。
cf. 50th Space Wing:第50宇宙航空団。アメリカ空軍空軍宇宙軍団第14空軍に属する組織。主に空軍の人工衛星の追跡・冠詞・制御を主任務としている。

Airbus [会社名]

[名]Airbus。

ヨーロッパの航空宇宙機器開発製造会社。 設立当初の事業体の名称エアバス・インダストリーでしたが、2001年に株式会社化されて現社名に変更された。 zephyr S という高高度疑似衛星を開発している。 こちらは、太陽光だけで2万1000メートル以上の高さで飛ばすことが可能で、世界のソーラーパワー航空機の中で最長である連続25日間の飛行を実現した。現在の人工衛星よりも低コストで製造可能で、飛ばす際は下の動画のように手で持ち上げる様にして飛ばせることからアメリカ軍の活動にも活用できると期待されている。 また、人工衛星と類似したサービスを提供できると考えている様だ。

[参考リンク]

AIRBUS

Airbus Zephyr S maiden flight launch - 11 July 2018

Aireon [会社名]

[名]Aireon LLC。アメリカの企業。
Automatic Dependent Surveillance Broadcast (ADS-B)という受信機を用いて、航空交通監視システムを提供している。ADS-Bは航空機から発信される位置情報を図審することができる。

[参考リンク]

Aireon LLC

alliance[その他]

[名]同盟、連盟。
C-band allianceとは2018年にINTELSAT、SES、eutelsat、Telesatから結成した、C-bandの再割り当てをオークション形式で実施しようとするものだ。C-bandは、マイクロ波の周波数帯域である6GHz(37-76mm)を指す。この周波数は衛星の通信に利用される。

INTELSATは業績悪化のため米国連邦破産法11条を申請したため、C-band allianceからは撤退している。

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altitude[その他]

[名]高度、高さ。
ISS(国際宇宙ステーション)は高度約400kmを周回している。気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)は高度800kmほどの太陽同期軌道を周回していいる。一方、超低高度衛星技術試験機「つばめ」(SLATS)は高度約200kmという超低高度軌道を周回していた。(つばめは2019年に運用を終了している。)

[関連記事]

[参考リンク]

人工衛星の高さってどれくらい?

amendment[その他]

[名]修正、改正
[用例]
Amendment to Senate bill allows continued imports of Russian rocket engines:
上院法案の改正により、ロシアのロケットエンジンの継続的な輸入が可能に

amos[衛星名]

[名]イスラエルが保有する通信衛星シリーズ。

[参考リンク]

AMOS by Spacecom

announced[その他]

[形]発表の。
[動]「announce=発表する」の過去形・過去分詞。発表した。
[用法]
Rocket Lab announced July 10 that:ロケットラボは7月10日に~と発表した
新しいリリースが出た際によく使われる。

antenna[技術用語]

[名]アンテナ。
通信を行うために必要なもの。お椀上の形をしているものは「dish」とも呼ばれる。
魚の骨のような形をしたテレビのアンテナを見たことがあるだろうか。あれは八木アンテナと呼ばれ、日本人が発明したアンテナであり、世界中で使われている。
[用法]
satellite communication antenna : 衛星通信アンテナ

approach[その他]

[名]近づくこと。アプローチ。
目標に対してどのように近づいていくのかを表す。

[用例]
Viasat’s approach to globalization is to “really understand each market and be able to deliver services to end users in those markets, not just sell to intermediaries,” he said.

Viasatのグローバル化へのアプローチは「それぞれの市場を真に理解し、単に仲介業者に販売するだけでなく、それぞれの市場のエンドユーザーにサービスを届けられるようになること」であると彼は語った。

architecture[技術用語]

[名]建築。コンピューター関連ではハードウェアを含むコンピューターシステムの構成を指す。

Lockheed Martinは、2024年までに月面に人を着陸させることを目標にアプローチを進めており、実現のためには新たなハードウェアの開発が不可欠とされ、そのアーキテクチャの開発を行っている。

ariane[ロケット名]

[名]アリアン。
日本で言えば「H2A」のように、欧州宇宙機関(ESA)が開発したロケットのシリーズ名である。開発しているのは、欧州各国が欧州宇宙機関で共同設立した企業『アリアンスペース (Arianespace)』。

日本の企業である『スカパーJSAT株式会社』の衛星も多くはアリアンシリーズのロケットで打ち上げられているなど、商用化が成功しているロケットの代表格である。

army[その他]

[名]軍隊。
軍事と宇宙に関する話題で使用される。
cf.
United States Space Force/USSF:アメリカ合衆国宇宙軍
アメリカ軍6番目の軍種として2019年12月に創設された。Armyという単語が使われていない点に注意。

artemis[宇宙船]

[名]NASAが進める有人月面着陸ミッション。
アルテミスの名は、アポロの双子の姉妹であり月の女神とされているギリシャ神話に由来している。

NASAが計画する月面着陸機
Credit : NASA

article[その他]

[名]①記事②条約や契約の条項③数あるもののなかの一つ。

cf.
宇宙条約第6項。

宇宙条約とは1967年に発効した宇宙空間における探査など利用の自由を定めた条約。100カ国以上が批准している。6条では月その他の天体を含む宇宙空間における自国の活動について、それが政府機関によって行われるか非政府団体によって行われるかを問わず、自国が責任をとらなければならないということが謳われている。

1967年当初は各国が政府主体で宇宙開発を行っており、政府が責任を負うことに問題はなかったが、近年民間企業が宇宙ビジネスを行う動きが活発になってきており、それに対し国がどのように責任を負うのか、議論になっている。

日本ではこのような動きをうけ、2017年に宇宙活動法と衛星リモセン法を施行している。

参考:月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約

[参考リンク]

月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約

asat[技術用語]

[名]asat / anti-satellite weapon。地球軌道上の人工衛星を攻撃する兵器。対衛星兵器と呼ばれることもある。

2019年3月27日、インドのベンガル湾に浮かぶAbdul Kalam島から試験的に打ち上げることに成功した。その後、上空280KmでMicrosat-Rに迎撃され、その際に生じた破片が宇宙デブリとなり問題になっている。

AsiaSat[会社名]

[名]AsiaSat。香港を本拠地に通信衛星の運用を行う企業。
AsiaSat 3S、4、5、6、7、8と新しいAsiaSat 9を含む7つの衛星を運用している。

[参考リンク]

AsiaSat

astrobiology[その他]

[名]宇宙生物学。
宇宙生物学とは、地球における生命の起源、地球外における生命の探査、宇宙への移住を含めた人類の宇宙進出に関して研究する学問だ。

20年以上前から生物学研究に取り組んできたNASA宇宙生物学研究所(NAI)は2019年末、他の分野を含めた科学者が共同して研究を行うRCN(Reaserch coordination networks)の一部となった。
政府当局は、RCNによって、特定分野の研究に必要な柔軟性を提供とできるとしている。

NASAは、現在、火星における生命の存在について、積極的な探査を進めている。一方、RCNでは生命の検出方法や、海洋学、生命誕生に関する分子を研究する生化学分野、そして細胞生存に関する研究室を設けている。互いに協力しあうことで研究の発展を図ろうというものだ。

[参考リンク]

NASA’s Astrobiology Program Evolving to Meet the Future

astrophysics[その他]

[名]天体物理学または宇宙物理学。
よく似た言葉でAstronomy(天文学)という言葉もあるが、歴史・意味的には天文学の方が広く、astrophisicsはその中の一分野で天文現象を物理的手法で解釈しようとしたもの。

Astro-は「星」「宇宙」などの意味を持つ接頭語。もともとはギリシャ語で「星」を意味する。

Atlas[会社名]

[名]Atlas Space Operation。衛星通信を提供する企業。

2016年に、地上ネットワーク「Freedom」の運用を開始した。
Freedom™というプラットフォームから衛星との通信を簡単かつ高速に行うことができる。

[参考リンク]

ATLAS SPACE OPERATIONS

aug[その他]

[名]8月。Augustの略称。
[語源]ローマ皇帝アウグストゥス(Augustus)の月

award[その他]

[動]AにBを与える、授与する
[用例]
NASA awarded study contracts:NASAが研究契約を締結した。

AWS[その他]

[名]AWS / Amazon Web Service。
Amazonは、顧客へのサービスとしてAWS Ground Station(衛星地上局)を提供している。これは、AWSが新たに設置した衛星アンテナによって、顧客が衛星を経由したデータ通信が取得できるというものだ。これにより、衛星を介したデータの送受信がより身近になると期待される。
このサービスは、特定の衛星のデータより、特定の場所や時間のデータの提供の方が必要とされているという考えより生まれたもので、AWSに提供されている様々な衛星データを活用すべく開発された。

B

band[技術用語]

[名]バンド、帯。宇宙産業の場合、周波数帯の領域に「band」を用いる。

衛星通信サービスの場合Ka-bandやC-bandを、地上から衛星への通信の場合にはS-BandやX-Bandを用いる。SAR衛星にも電波が使われており、だいち2号はL-Band、ICEYEはX-Bandである。

base[その他]

[名]基礎。基盤。
[用法]
Air Force Base:軍用飛行場。
SpaceXのロケット打ち上げ増加に向け、アメリカ軍が協力する姿勢を示し、アメリカ軍用飛行場をSpaceXの打ち上げの拠点とすることを決定した。

based[その他]

[形]~を拠点にした、~を元にした
[用法]
地名-based:どこを拠点にした会社
例:London-based satellite operator(ロンドンを拠点にした衛星オペレーター)

space-based/ground-based:宇宙用/地上用
例:Space-based SAR/Ground/based SAR (宇宙用SAR/地上用SAR)

bill[その他]

[名]法案。
宇宙ビジネスはまだ発展途上であるため、法律の整備も宇宙ビジネスの発展とともに進める必要がある。したがって、「アメリカで●●法案が通った」という話題にて使用されることが多い。

cf. 【法案紹介】
リモートセンシング規制の改正と、これまでになかった商用宇宙利用についての認可制度を定める法案。

なぜ認可制度が必要なのかと言えば、国際宇宙法6条で「条約の当事国は、月その他の天体を含む宇宙空間における自国の活動について、それが政府機関によって行われるか非政府団体によって行われるかを問わず、国際的責任を有し、自国の活動がこの条約に従って行われることを確保する責任を有する(※)」とあり、各国が自国の宇宙空間に置ける活動については責任を持っているからである。

※『宇宙ビジネスのための宇宙法入門 第2版(有斐閣, 小塚 荘一郎, 佐藤 雅彦)』より引用

billion[その他]

[名]10億。
「billion」の頭文字をとって「B」のみ表記されることもある。
[用例]
$1.2 billion = 12億ドル = 約1320億円
$100B = 1000億ドル = 約11兆円

ちなみに、2017年の宇宙ビジネスの市場規模は「$348B = 3480億ドル = 約38兆円」であった。

cf.million

BlackSky[会社名]

[名]BlackSky。衛星画像をサービスとして、提供する企業。
世界各地の衛星映像をリアルタイムで提供している。

[参考リンク]

BlackSky

block[技術用語]

[名]かたまり。積み木。区画。

[用法]
Falcon 9 Block 5:2018年5月の54回目の打ち上げ以降用いられている改良型のFalcon 9である。
SpaceXの内部ではほとんどヴァージョンと同じ様な意味合いでブロックナンバーを使っていたようだ。

Block house:ブロックハウス。
ロケット基地、ロケットの発射管制棟などの鉄筋コンクリートの建物を「ブロックハウス」と呼ぶことがある。

boeing[会社名]

[名]ボーイング。米国の宇宙機メーカー。

一般的には、飛行機メーカーとして知られるボーイングだが、宇宙関係の製造についても、大きなシェアを持っている。静止衛星を始め、火星探査機や有人宇宙機、ロケットなど幅広い。なお、航空機でのライバルはAirbusだが、宇宙業界でもAirbusがライバル。

[参考リンク]

boeing

booster[技術用語]

[名]ロケットのエンジン部分に装備されていて、推進力を積み増しする機構。

SpaceXはstarshipロケットを2021年に打ち上げる計画がある。このロケットにはsuper heavyと呼ばれるブースターが装備されている。ブースターは100トン以上もの重さを静止軌道まで飛ばすことができる。乗員と貨物を地球軌道、月、火星へ運ぶために設計された、再利用可能な輸送システムである。

[参考リンク]

Starship

Boundless[会社名]

[名]Boundless。
GIS(Geographic Information System=地球情報をコンピューターの地図上で可視化したもの)をソフトウェアとして提供していた会社。2019年にPlanetに買収された。Planetは衛星の設計、構築、また画像処理を行う企業である。

[参考リンク]

planet,USING SPACE TO HELP LIFE ON EARTH

planet,OUR APPROACH

branch[その他]

[名]枝。部門。

2018年当時、宇宙軍(Space Force)発足関連の話題で使われた単語。
トランプ大統領が宇宙軍を陸海空軍など五つの軍と同格のものとして発足させると主張する一方で、アメリカ国防省は同列にならない「部門(branch)」として設立することを提案していた。

cf.trump

branson[人名]

[名]Richard Branson。Virgin Galacticの創設者の1人。

Virgin Galacticとは宇宙旅行をビジネスとして行っている会社である。年間500人に1人当たり25万ドル(約2500万円)で宇宙旅行を提供することを目標として掲げている。

Virgin OrbitはVirgin Galacticから独立した人工衛星の打ち上げを目的に掲げている会社である。「Cosmic Girl」という飛行機を用いて、上空で衛星を積んだ「LauncherOne」という二段ロケットを発射させる仕組みを開発している。

bremen[地名]

[名]ブレーメン。ドイツの都市。

2018年10月1日から5日にドイツのブレーメンで第69回IAC(International Astronautics Congress、国際宇宙会議)が開催された。
グリム童話の「ブレーメンの音楽隊」で知られるメルヘンチックな町だが、造船や航空宇宙産業が活発であり、ドイツ国内では最も宇宙産業の雇用が多い町である。

bridenstine[人名]

[人名]James F.Bridenstine。ジェイムズ・ブライデンスタイン。
2018年4月23日、NASA発足から60年、初の政治家出身者として就任したNASA長官。トランプ政権発足から15ヶ月間、NASA長官の座は空席状態だったがようやく決まった形だ。

british[その他]

[形]イギリスの、イギリス人。
近年は独自路線の宇宙ビジネス施策に注目が集まっている。

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broadband[技術用語]

[名]広(周波数)帯域。
衛星に関する話題では多くみられる単語。

高速・大量通信衛星(HTS: High Throughput Satellite)は、莫大な利益を得る事ができるとされてきた。しかし、多くの衛星かは打ち上がっているため、費用の高い衛星を維持していくのは大変な状況である。衛星によって得られる利益はここ2年で30〜60%ほど減少し、来年以降も減少し続けると予想されている。

budget[その他]

[名]予算。

宇宙ビジネスの市場規模を考えたときに民間のお金が増えてきているものの、いまだ各国の政府の予算というのは重要な変数である。

そのため、政府のどの政策にどのくらい予算がついたのか、もしくは当初の計画よりも削減されてしまった……というお話はクリティカルな話のため記事によく取り上げられる。

build[その他]

[動]建てる、作り上げる。建設する。

建造物を建築する、という意味だけではなく、何かを一から作り上げるという意味でも使用される。

[用法]
built a satellite:衛星を組み立てること

business[その他]

[名]ビジネス、事業。
「事業」という言葉を辞書で調べると「生産・営利などの一定の目的を持って継続的に、組織・会社・商店などを経営する仕事」とある。

これは宇宙ビジネスも同様である。宇宙ビジネスの今については「日本の宇宙産業が10年遅れた理由、宇宙ビジネス≒ロケットじゃない」で詳説したので、ぜひご覧頂きたい。

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C

campaign[技術用語]

[名]運動。
[用例]Launch Campaign:ロケットの打ち上げ準備期間。

capability[技術用語]

[名]能力。

ロケットのcapabilityは打ち上げられる衛星の質量であり、通信衛星のcapabilityは通信容量(何bpsの通信ができるか)に相当する。

あまり使われないが、地球観測衛星だと(電力的に)どれほどの時間撮影していられるか、をcapabilityとすることもあるようだ。

capacity[技術用語]

[名]容量、能力。

通信衛星の送受信能力や、ロケットの輸送能力などを説明する際に用いられることが多い。
通信衛星の強みのひとつとして、テレビやラジオなど、大容量のデータを一斉に広域に送れるという強みがある。

Cape Canaveral[地名]

[名]ケープカナベラル。アメリカ合衆国のフロリダにある地名。

ケープカナベラルには、アメリカ軍の基地があるほか、ケネディ宇宙センターがある場所で、多くのロケットが打ち上げられる。
ケープカナベラルにあるアメリカ空軍基地はSpaceXの射場でもある。

[参考リンク]

Rocket Launch: July 20, 2020 5:30 PM ET | SpaceX Falcon 9 Anasis 2/K-MilSatCom 1

case[その他]

[名]場合。
[用例]
As NASA seeks to accelerate a human return to the moon, there’s the case that it could also pull forward a human mission to Mars.:NASAが再び人類を月に送ることを加速させることで、火星有人ミッションを前進させる場合もあり得る。

CBO[その他]

[名]CBO / Congressional Budget Office:議会予算局。

CBOは議会の予算および経済問題の独立した分析を作成し、議会のサポートをしている。毎年、政府機関の経済学者と予算分析者は、数十のレポートと提案された法律の数百の予算の見積もりを作成している。

[参考リンク]

Introduction to CBO

CCDev[その他]

[名]CCDev / Commercial Crew Development:商業乗員輸送開発。
CCDevではアメリカの航空宇宙産業と協力して、ISSや低地球軌道へクルーを運ぶ新しい宇宙船、打ち上げシステムの開発、運用を行っている。

[参考リンク]

Commercial Crew Program

Commercial Crew Program

center[その他]

[形]中央の、中央部隊、中心地、センター。
ポケモンセンターのような使われ方をすることが多い。
[用例]
Taiyuan Satellite Launch Center:太原衛星発射センター。中国のロケット発射場。
Space Weather Prediction Center; SWPC:宇宙天気予報センター。米国立気象局にある機関。

CEO[その他]

[名]CEO / Chief Executive Officer:最高経営責任者。
[用法]
Chief Technical Officer:最高技術責任者
Chief Marketing Officer:最高マーケティング責任者
日本でも様々な肩書がある。

chairman[その他]

[名]議長
[用例]
Rogers is the former chairman of the HASC strategic forces subcommittee and has played a key role in advocating for a separate military branch for space.
ロジャースは、下院軍事委員会における戦略的軍事小委員会の前委員長で、宇宙を対象とした独立した軍の部署を提唱するといった重要な役割を果たしてきた。
※HASC/House Armed Services Committee:下院軍事委員会
cf.
branch
subcommitee

Charter[会社名]

[名]Charter Communications。アメリカのケーブルとブロードバンドの大手企業。41の州でサービスを提供している。

[参考リンク]

Charter

china[地名]

[名]中国。

「宇宙強国なるか?中国の宇宙開発の今~ロケット、衛星、探査計画、予算~」でご紹介したように、既存ビジネスに限らず、宇宙開発においても中国の躍進は目覚ましいものがある。今後の中国の動向には引き続き注目していきたい。

chinese[その他]

[形]中国の。

中国の宇宙開発はロケット、人工衛星、有人宇宙開発、月探査というように幅広く行われている。またスタートアップも次々と立ち上がっており、開発は勢いを増している。

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CLPS[その他]

[名]CLPS / Commercial Lunar Payload Service。
CLPSプログラムはアメリカの企業と協力して商業的に小型ロボットとローバーを月に送ることを目的としたものだ。NASAの科学ミッションと共同で進められる。

[参考リンク]

Commercial Lunar Payload Services

clyde[会社名]

[名]AAC Clyde Space.
スウェーデンの衛星機器や地上試験機器を扱うAAC Microtecとスコットランドの衛星メーカーClyde Spaceが合併して作られたAAC Clyde Space。
ともに衛星やその一部分を担うメーカーだが、今後は小型衛星のオペレーターとしてコンステレーション事業にシフトしていく考えを示している。

[参考リンク]

AAC Clyde Space

colorado[地名]

[名]colorado。アメリカにある州の一つ。

command[その他]

[名]司令部。指揮官。指令・命令。
「U.S. Strategic Command = アメリカ戦略司令部」というように使われる。

commerce[その他]

[名]商業。
[用法] United States Department of Commerce : アメリカ合衆国商務省
商務省は名前でも想像がつくように、日本で言うところの経済産業省にあたり、アメリカにおける経済成長を担う官庁である。

commercial[その他]

[形]商業の。
[用法] commercial satellite:商業衛星

committee[その他]

[名]委員会。
[用法]
advisory committee:諮問委員会
House Appropriations Committee:下院歳出委員会
Senate Commerce Committee:上院商業委員会

communications[その他]

[名]伝達、報道、通信。
[用法]
maritime communications:海事通信
lunar communications:月面通信

通信衛星は昨今の宇宙ビジネストレンドの中でも最もホットな話題のひとつである。

companies[その他]

[名]「company(会社)」の複数形。
ロケットサービス提供会社しかり、衛星に関わる会社しかり、「companies building small launch vehicles launch companies」というように、宇宙ビジネスに関わっている会社を記事で紹介する場合、基本的には「companies」と複数形を用いられている。日本では小型ロケットに関わる会社といえば……と言うとインターステラテクノロジズ1社のみ頭に浮かぶだろうが、海外に目を向けると「Vector Space Systems」「Rocket Lab」と複数の会社が我先にと競合しているのだ。日本も頑張りたいところだ。

company[その他]

[名]会社。
[用法] the company’s president:社長

competition[その他]

[名]競争、コンテスト、コンペ。

conference[その他]

[名]会議、協議会。

congress[その他]

[名]会議。
主に大規模、かつ、正式な「会議」で用いられる。アメリカでは「議会」や「国会」という意味も持つ。
cf. meeting

constellation[技術用語]

[名]星座。複数のモノの集まり。
近年、衛星を複数機打上げ衛星群として利用することが流行っているが、この衛星群のことを衛星コンステレーションという。
日本語では、略して衛星コンステともいう。複数機上げることで、(1) 観測頻度を上げる、(2) 途切れなく通信できる、(3)衛星故障時の影響を小さくするなどの利点がある。

一方で、大量の衛星が最終的にはゴミになるので、ごみ問題も引き起こしている。
cf. space debris

contract[その他]

[名]契約。
宇宙ビジネスに限らず、ビジネスの場では契約というものが必ず存在する。企業と企業、または企業と政府など、誰と誰が、また、どのような契約かを理解することは記事の内容を把握するヒントになる。

control[技術用語]

[名]コントロール。管制。管理。

宇宙システムのような複雑なシステムの場合、どのように管理していくかが非常に重要だ。
開発の状況、日々更新されていく仕様など管理するものは膨大である。

[用法]
ICD(Interface Control Document):インターフェース管理文書
名前の通り、インターフェースがある2つのものの間で、取り決め事項の最新状態を維持するために作られる。
衛星システムと搭載される機器の間や、衛星とロケットの間で作成される。

cornwall[地名]

[名]コーンウォール。イギリスの南部を構成するイングランドの南西端に位置する地域。
コーンウォールには空港があり、Virgin Orbitの小型の空中発射ロケット「LauncherOne」の打上げ場所となり、話題になった。
cf.
Virgin Orbit:ヴァージンオービット。小型の人工衛星の打ち上げを目的とするヴァージン・グループの宇宙開発の企業。

cost[その他]

[名]費用。
宇宙ビジネスには大きな費用が必要である。衛星を打ち上げるためのロケットを打ち上げる費用。また、そもそも衛星を作る費用。そして衛星を打ち上げた後の運用費などなど。

当初見込んでいた費用が計画通りにうまく行かず、費用が膨れ上がってしまうこともしばしば。そのようなとき、費用が大きくなるという意味で「growing cost」といった使用例をよくみかける。

council[その他]

[名]会議、協議会。
[用法]
National Space Council(NSpC) = 国家宇宙会議
National Space Council(NSpC)」はアメリカの宇宙政策について大統領にアドバイスをすること、民生、商業、国家安全保障の各宇宙分野の政策調整を図ること等を目的として、1989 年に設置されたものである。

credit[その他]

[名]信用。出版物、放送などに使用された画像や動画など資料の提供者。

ネットで記事を読んでいると「©」というマークを目にすることは多いのではないだろうか。これは、その資料の出典を示している。例えば「©NASA」であれば、その資料の提供者はNASAということになる。

crew[技術用語]

[名]乗組員。
国際宇宙ステーションの宇宙飛行士のことを指すことが多い。

現在、「Commercial Crew Development =商業乗員輸送開発」の名のもとで、民間企業主導の宇宙船で乗員を国際宇宙ステーションへ送る計画が進んでいる。

crewed[技術用語]

[形]有人の。
宇宙機の設計は、人の有無によって大きく異なる。生命維持装置や人間が耐えられる振動に抑えるなど観点は様々。何を機械に任せて、何を人に任せるのか、昨今のAIが人間の仕事を奪うのかという話に似ており、議論は尽きない。
cf.
uncrewed[形]無人の。

test

cubesat[衛星名]

[名]キューブサット。10cm×10cm×10cmを基本ユニットとする衛星。

「smallsat」が漠然と小さい衛星を指し、「cubesat」では10cm×10cm×10cmの衛星を1U(Unit)といい、それの2倍、3倍、6倍などで大きさが標準化されている。

大きさを標準化することで中の基板の大きさが10cm×10cmに統一できるようになり、Cubesat専用の機器・基板を販売する企業も現れている。

customers[その他]

[名]customer:顧客の複数形。

顧客なしにビジネスは語れない。ロケットの顧客は衛星であり、衛星の顧客は衛星データユーザーや衛星通信を使う人だ。
今まで衛星の顧客は政府関係が多かったものの、近年民間向けのサービスも出てきている。

cygnus[宇宙船名]

[名]Northrop Grumman社が製造した国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送を目的とした宇宙船。

[参考リンク]

D

dankberg[人名]

[名]Mark Dankberg。『Viasat』の最高経営責任者。

普段日本企業のニュースが流れるときは最高経営責任者の名前が最後に掲載されている程度だが、『SpaceNews』では、いたるところに最高責任経営者のコメントや昔の発言が掲載されている。

data[技術用語]

[名]データ。
①コンピューターで処理されるデジタル情報
②物事の推論の基礎となる事実
語源はラテン語で「datum(与えられたもの)」である。

宇宙ビジネスに限らない話だが、様々なところで「データ!データ!データ!が重要だ」という話を耳にする。ただ、耳にタコができるほど聞き飽きた話かもしれないが、「データ」は事実に過ぎない。

重要なのは「(自らのビジネスに)こんな風に活用したいから、こんなデータが欲しい、だからこういう衛星が必要」の設計である。

debri[技術用語]

[名]ゴミ。
[用法]
space debris:宇宙ゴミ。

軌道上で故障したり寿命を迎えた衛星がそのまま軌道上を周回しているものを宇宙ゴミ、デブリと呼んでいる。

米連邦通信委員会(FCC)は、高度約2000km以下の低周回軌道の衛星の場合、運用終了から25年以内に大気圏へ突入するような設計にすることをガイドラインとして定めて規則としていた。今後多くの衛星の打ち上げが計画されており、宇宙ゴミはさらに増加し、衛星同士が衝突するなどの事故が発生することが予想される。そのような事態を防ぐため、FCCが新たなガイドラインを提示した。

衛星を打ち上げる際に直接投入したい軌道に入れずにまずは高度650km以下の比較的空いている軌道に打ち上げる。その後、衛星自身で所定の高度まであげていくことで打ち上げ直後に故障が生じた衛星が、混み合った650km周辺の軌道でデブリになることを防ぐ事ができるというものだ。
また、静止軌道以外の650km以上の軌道に打ち上げる際は、その軌道を選択した理由の説明を求めるとしている。

defense[その他]

[名]防衛。
国防の文脈で用いられる事が多く、たとえばアメリカ国防総省は「United States Department of Defense」である。

delta[ロケット名]

[名]delta(デルタ)。NASAが打ち上げたロケットの名前。

デルタロケットは1989年に打ち上げられ、アメリカで最も信頼のおけるロケットの一つと評価されているロケットで、2018年ついに役目を終えた。
デルタロケットはNASAで最も多く打ち上げられたロケットで、その数84回。そのうち失敗したのは、7回にとどまり、打ち上げ成功率は91.6%を誇る。

大きな信頼の原点はある大きな失敗にあった。1997年4月、打ち上げられる13秒前に欠陥が発覚したことだ。発射を停止することが間に合わず、発射して上空490メートルのところで爆発した。
この失敗について起きた問題をすぐさま解明し、同年の5月24日に打ち上げを成功させた。
現在でも失敗が伴う打ち上げの現場で、問題に取り組む姿勢として参考にされている事例だ。

[参考リンク]

department[その他]

[名]省。
米政治の仕組みは、宇宙ビジネスニュースを読み解くために必要な教養のひとつである。
[用法]
United States Department of Commerce:アメリカ合衆国国商務省
United States Department of Justice :アメリカ合衆国司法省
United States Department of Defense:アメリカ合衆国国防総省。宇宙ビジネスと安全保障・防衛は密接な関係がある。

design[技術用語]

[動]設計する。
[名]設計図。

日本語ではデザインというと、おしゃれな見た目のような語感もあるが、宇宙ビジネスではもっぱら衛星やロケットの「設計」という意味で用いられる。

衛星やロケットの設計が進むごとに、審査会が開催され、次の設計フェーズに移行してよいかがチェックされる。その審査会の名称はPDR(Preliminary Design Reviw:基本設計審査)やCDR(Critical Design Review:詳細設計審査)など、Designが含まれる。

development[その他]

[名]開発。
開発中のロケット、衛星、探査機の話題で用いられる英単語。
[用法]under development:開発中
cf. program
developing:developの現在分詞。開発中の。
develoed:developの過去分詞。開発された。
宇宙産業でも開発が終わっている(軌道上実績がある)のか、開発中なのかがとても大事になる。
[用例]
developed country:先進国
developing country:発展途上国

director[その他]

[名]ディレクター、監督責任者、理事、社長など。地位が高い人の肩書に用いられる。

[用法]
director of launch:打ち上げ責任者
director of the Space Propulsion Lab:宇宙推進研究室の責任者
上記のように、〇〇の責任者といった用いられ方をすることが多い。

draft[その他]

[名]草案

[用例]
The draft says it is “imperative that the United States adapt its organization, policies, doctrine and capabilities to protect our interests” in space.

草案では、宇宙において「私たちの利益を保護するために、米国がその組織、政策、教義、および能力を適応させることが義務付けられている」と述べています。

dragon[宇宙船名]

[名]Crew Dragon.
SpaceXが手掛ける有人宇宙船。

Crew DragonがISSにドッキングする様子
Credit : NASA

Dragonfly[技術用語]

[名]Dragonfly。
飛行をする惑星探査機。地球の生命の誕生の謎の解明に向け、土星の衛星の一つであるタイタンの地表の画像などの取得を目的としている。タイタンではメタン循環(メタンの雲、雨、川、湖など)が起きていると考えられている。大気主成分である窒素とメタンは紫外線により分解され複雑な有機物を生成する。どのような物質が生成されるのかを解明することも研究目的の一つである。

Dragonflyは2年半にわたってタイタンを横切って約175キロメートル飛び、目的のクレータがある着陸地点に到着するように設計されている。さらに、放射性同位体熱電発電機(RTG)を使用して電力を生成し、飛行中および他の任務活動中に使用するための電池に貯蔵する。

Dragonflyは、2026年に打ち上げ予定で、2034年にタイタンに着陸する予定だ。

[参考リンク]

Dream Chaser[宇宙船名]

[名]
「Dream Chaser」はシエラ・ネヴァダ・コーポレーション (SNC) が開発に着手している、有人宇宙飛行も見据えた有翼の宇宙船である。また、ISSへの貨物輸送とISSからの物資回収も可能な次世代スペースシャトルとして、NASAから受注を獲得している。2021年に打ち上げる予定だ。

それぞれの言葉の意味を分解すると
dream
[名]夢。
「realize the American dream = アメリカンドリームを実現する」という使われ方も見かけ、記事を読んでわくわくするポイントのひとつである。
chaser
[名]追うもの。
強い酒をストレートで飲む場合、続けて口直しに飲む水、炭酸水や軽い酒のこと、という意味もある。

[参考リンク]

E

early[その他]

[形] 早い。
in the early morning
[副]初期の。早く。
get up early

earth[その他]

[名]地球。
私達が住む青い地球、The Earthである。
地球環境のメカニズムを解決するため、人工衛星を利用した地球表面の観測(リモートセンシング)が行われている。得られた衛星データは解析され、様々な分野で応用されている。

end[その他]

[名]終わり、末。
[動]~を終了する
「by the end of the year = 年度末までに」といった使用例をよく見かける。

engines[技術用語]

[名]エンジン。

車のエンジンはイメージしやすいが、宇宙産業におけるエンジンはロケットの一部分を指す。
ロケットの一番下にある火を噴きだしている部分、スカート状になっているあたりがロケットのエンジンで、
ロケットの心臓部とも言える。

Credit : JAXA,MHI

ESA[会社名]

[名]European Space Agency。欧州宇宙機関。

ヨーロッパ21ヵ国にカナダを加えた22ヵ国により運営されている。本拠地はフランス・パリ。欧州連合(EU)とは密接な共有関係を有すが、独立した機関である。

[参考リンク]

ESPA[技術用語]

[名]ESPA / EELV Secondary Payload Adapter
MOOG社が製造する、ロケットに衛星を取り付けるアダプターの商品名。
名称に”Secondary”と入っている通り、メインとなる衛星ではなく、その脇に乗る衛星のためのアダプターである。

Europa[その他]

[名]エウロパ。木星の衛星。
「Europa Clipper」はNASAが進めている惑星間のミッションだ。
Europa Clipperは木星の周りを周回し、木星の衛星であるエウロパを目指す。エウロパの地下には水の存在が示唆されている。また地球生命の誕生に必要な条件である、エネルギー源、特定の化学物質の存在、温度が存在していると考えられている。探査でエウロパを約45回フライバイし、詳しい組成、地質を調べることで、エウロパのハビタビリティについて研究する。

european[その他]

[形]ヨーロッパの、ヨーロッパ人。
アメリカと並んで宇宙ビジネスの中心地になっているヨーロッパ。特に、政府が力を入れている地球観測衛星プログラムコペルニクスの影響で衛星データ関係のビジネスが盛ん。
cf.
ESA/ European Space Agency

[関連記事]

executive[その他]

[名]首脳部、経営者。
[用法] CEO / Chief Executive Officer:最高経営責任者

exploration[技術用語]

[名]探検。未知の地域に(危険をおかして)踏み込んで、そこを調べること。
宇宙開発は未知の領域ばかりである。NASA JPL研究所のエンジニア小野雅裕さんの言葉を借りれば、「銀河系には約1000億個もの惑星が存在すると言われています。そのうち人類が歩いた惑星は地球のただひとつ。無人探査機が近くを通り過ぎただけのものを含めても、8個しかありません。人類の宇宙への旅は、まだ始まったばかり」なのだ。
ちなみにJAXAは「Japan Aerospace eXploration Agency」の頭文字をとったもので、「exploration」が入っている。

extension[技術用語]

[名]拡張、延伸。
[用法]
Life Extension = 延命
軌道上サービスで衛星の寿命を延ばすために行う燃料補給や軌道維持の総称。

F~J

FGHIJ

F

FAA[その他]

[名]FAA / Federal Aviation Administration:米国連邦航空局。
航空の安全維持を目的としている組織。アメリカ国内においてロケットの打ち上げを行う際はFAAの許可が必要となる。

[参考リンク]

falcon[ロケット名]

[名]SpaceXのロケット。
Falcon Heavy,Falcon 9などの種類がある。
「falcon」の命名の由来は『スターウォーズ』シリーズに登場する宇宙船「Millennium Falcon(ミレニアム・ファルコン)」とのこと。

FCC[その他]

[名]FCC / Federal Communications Commission:アメリカの連邦通信委員会。
アメリカの放送通信事業における規制監督を担うアメリカの独立機関。

field[その他]

[名]分野、領域、畑。
[用法]field centers : 特定の分野の拠点。「NASA JPL(Jet Propulsion Laboratory, ジェット推進研究所)」もNASAの「field centers」のひとつである。
cf.
center

[関連記事]

final[その他]

[形]最後の
[副]最終的に

firefly[会社名]

[名]firefly。小型ロケットベンチャー。
2017年に一度破産しているが、投資を得て復活。小型ロケットを用いた商業打ち上げを目指している。

[関連記事]

fiscal[その他]

[形]国庫の、財政上の、会計の
[用例]
A final fiscal year 2020 spending bill:2020会計年度支出法案
宇宙開発におけるお金の話題で使われる。

flat[技術用語]

[形]平らな

[用法]
flat panel antenna:フラットパネルアンテナ
Credit : Alcan Systems

2018年10月、アンテナ製造者たちの間で、フラットパネルアンテナを一般消費者向けの市場にも出荷できるまでコストダウンできるかどうかで意見が分かれていた。

フラットパネルアンテナは今までのアンテナに比べ場所を取らず、より多くの衛星を追跡することができる高度な技術が用いられている。

衛星を追跡するプロセスに機械的な要素を含まず全てが電気的に行われ、アンテナで電波が送受信できる範囲の調整にも電子が利用されているため、任意の方向に瞬時にビームを向けることができる。したがって、空中のあらゆる衛星を素早く追跡する事ができるのだ。このような技術が使われているためフラットパネルアンテナの値段は高く、今までは軍での使用が主だった。

値段を安くするためには材料のコストダウンだけで解決できそうにない。アンテナ自体を小さくしても最低でも74㎝が必要で、大幅なコストダウンにはつながらないようだ。

そんな中、数十の会社が独自の技術を利用して、低コストでのアンテナの製造に取り組んでいるが、順調とは言えず10年以内での達成には遠いようだ。

fleet[技術用語]

[名]艦隊。宇宙ビジネスにおいては衛星群という意味で用いられる。

2015年に設立された、オーストラリアを拠点をおくFleet Space technologiesという企業がある。IoT(Internet of things)サービスを宇宙技術を利用して提供しており、低コスト衛星をベースにしたシステムの製作も行っている。

flight[技術用語]

[名]飛行
飛行機でもフライトという言葉を使用されるが、人の乗る宇宙機に関する話題で用いられることが多い。
宇宙旅行機や新しい輸送機の試験飛行を「test flight」と使われ方を良くみかける。
[用法]
crewed flight:有人飛行
Flight Enginee/FE:フライトエンジニア

ソユーズ宇宙船にはフライトエンジニアという資格がある。コマンダー(ロシア人が担当)を補佐するクルーで、ソユーズ宇宙船のシステム運用やスラスタ制御を担当する。日本の宇宙飛行士でもフライトエンジニアの資格を有している人がいる。なお、ソユーズ宇宙船での音声による交信は、全てロシア語で行われる。

[参考リンク]

force[その他]

[名]部隊。
[用法]the air force:空軍

Fred Kennedy[人名]

[名]アメリカ国防省の技術戦略局(Defense Advanced Research Projects Agency’s Tactical Technology Office)のディレクター。

cf.DARPA

fuel[技術用語]

[名]燃料。
[動]燃料を注ぐこと。

宇宙ビジネスにおいて燃料はは、ロケットの燃料と衛星の燃料に分けられる。

ロケットの燃料は、地球から飛び立つために用いられる。大きく固体燃料と液体燃料に分けられる。

固体燃料は構造が簡単であるというメリットがあるが、一度火をつけたら止められないため点火後の調整が難しいというデメリットがある。
一方の液体燃料は液体のため取り扱いが難しいが、点火後の制御がしやすいというメリットがあり、目的に合わせて方式が選ばれる。

衛星の場合は周回している軌道が外的要因によりずれてしまうことを補正したり、衛星の姿勢を変更するために、燃料が用いられる。

funding[その他]

[名]資金調達。
宇宙開発には大きなお金が必要である。

future[その他]

[名]未来。
宇宙ビジネスは現実に訪れる未来だ。私達「宙畑」は宇宙ビジネスを加速させる一助となり、より未来が豊かで楽しいものであることを楽しみにしている。

G

galactic[会社名]

[名]Virgin Galactic
宇宙旅行ビジネスを手掛ける企業。
有人宇宙旅行のサービス提供を目指しているVirgin Galactic社から独立したVirgin Orbit社は、衛星打ち上げを目指している。
Space Ship Two
Credit : SpaceNews/Debra Werner

[参考リンク]

Virgin Galactic

gateway[技術用語]

[名]出入口、玄関口。

宇宙開発の話題で「Gateway」は、「Lunar Orbital Platform-Gateway(LOP-G)」を指す単語として使用されており、日本語では「月軌道プラットフォームゲートウェイ」と呼ばれている。NASAが進める深宇宙探査における月周回軌道有人宇宙ステーション。

2018年9月24日、NASAは将来的な有人宇宙探査のロードマップを発表し、その中でLOP-Gについて言及した。2024年をもって運用終了が予定されているISSに次ぐ宇宙探査プラットフォームとして、主に月と火星への有人宇宙探査の拠点として利用される見通しだ。

NASAが発表した今後の有人宇宙開発計画
Credit : NASA

LOP-G完成予定図
Credit : NASA

geo[技術用語]

[名]GEO / Geostationary Orbit . 静止軌道。
日本語ではジオと読む。気象衛星ひまわりや通信放送衛星がこの軌道を採用している。
日本語の名前から勘違いされがちだが、静止軌道にある衛星は静止しているのではない。地球の自転と同じスピードで回転しているため、静止して見えるだけなのだ。

GEOINT[その他]

[名]USGIF’s GEOINT Symposium。

The United States Geospatial Intelligence Foundation(USGIF)が主催の毎年開催されるシンポジウム。USGIFは地理空間情報貿易を促進し、産業界、学界、政府、専門組織、および個々の利害関係者全体でより強力なコミュニティを構築することを目的とした組織だ。
シンポジウムにはNGA(National Geospatial Intelligence Agency)やNRO(National Reconnaissance Office)、米軍、また日本からも参加者がいる。世界中からインテリジェンスアナリストたちが集結し、米国の安全保障や防衛に関して、議論が行われる。

[参考リンク]

The GEOINT Symposium

geospatial[技術用語]

[名]地理空間。
[用法] GEOINT:Geospatial Intelligence / (意思決定をするために必要な)地理空間情報
cf. Intelligence

cf.GEOINT Symposium
2018年度のシンポジウムでは、空間情報は新鮮であることが非常に重要であり、データを取得するスピードの重要性の話題が上がっていたようだ。

geostationary[技術用語]

[形]地球から見て不動の
[用例]
geostationary satellites:静止衛星。

静止衛星は、地球の自転速度の同じ速度で周回するため、地球から見ると静止しているように見える。
常に地球の決まった地点と通信が行えたり、気象衛星のように24時間同じ地点を観測できるという利点がある。

Germany[地名]

[名]ドイツ。

2018年10月1日から5日にドイツのブレーメンで第69回IAC(International Astronautics Congress、国際宇宙会議)が開催された。名実ともに世界最大規模の宇宙分野の国際会議である。IACは毎年秋に開催され、宇宙開発計画や学術研究成果の発表の場である。各国宇宙機関や民間企業が大きな発表を行うことが多く、過去には2016年にSpaceX社CEOのイーロンマスク氏が火星移住計画を発表した。

[参考リンク]

第70回IAC(国際宇宙会議)2019

gilmour[会社名]

[名]Gilmour Space Technologies
シンガポールのスタートアップ。
同社はオーストラリアにて小型ロケットを開発している。低軌道への打ち上げの場合、イプシロンロケットは約1,200kg、H-IIAロケットは約10,000kgの打ち上げ能力があるのに対し、同社のARiELロケットは100kg級、ERiSは400kg級と、非常に低く抑えられた打ち上げ能力だ。

目標価格は、ARiELが約9,000ドル、ERiSが25,000~38,000ドルと、破格の打ち上げ費用を実現。同社によると、3Dプリンターで製造する燃料により、打ち上げ費用を数分の一程度に低減することに成功したとしている。また、高度は150kmと非常に低く、独特な特徴を擁したロケットだ。

[関連記事]

[参考リンク]

Gilmour Space Technologies

gogo[会社名]

[名]Gogo。世界有数の飛行機内インターネットサービスプロバイダ企業。

機内でのインターネットサービスやエンターテインメントに関連するさまざまなサービスを提供している。JAL(日本航空)はGogoの機内無料Wi-Fiを導入している。

government[その他]

[名]政府。
民間の宇宙開発が盛り上がってはいるものの、いまだに政府の影響力が大きい。
宇宙ビジネスを始めるためには、ロケット開発や衛星開発など初期投資が大きくなりやすく開発期間が長いため、投資回収の時間が長く自社投資も簡単にはいかない場合も多い。

gps[技術用語]

[名]GPS / Global Positioning System
全地球測位システム。
もはや知らない人はいない、地球上での位置を教えてくれるシステム。
30機以上の人工衛星が全球を覆うことによって実現されている。
システムを構築しているのはアメリカ合衆国。

grazier[人名]

[名]Dan Grazier
元アメリカの海兵隊で2020年現在は有識者として、防衛に関して様々な分野で活躍している人物。

griffin[人名]

[名]Michael D. Griffin
アメリカの調査および工学担当の国防次官(2018~2020)。
退任するという話が出ている。(2020年6月時点)

Credit : U.S Department of Defense

ground[その他]

[形]地上の。
[用法]
ground station:地上局
衛星はロケットで宇宙に打ちあがり、軌道に乗ってからが仕事の始まり。宇宙のデータや地球を観測したデータ、また、通信衛星の場合は送信局から送られてきたデータを地上の受信局に送らなければならない。

それらの送信局や受信局をまとめて「ground station = 地上局」とあらわす場合が多い。

growth[その他]

[名]成長、発展、増加。
2017年時点、宇宙ビジネスの市場規模は38兆円だった。これは前年比+1%の成長率である。では、この市場規模を100兆円まで成長させるには何が必要なのでしょうか。ぜひ考えてみてください。

grumman[会社名]

[名]Northrop Grumman
アメリカに本拠地を置き、戦闘機、軍用輸送機、人工衛星などを開発している会社。

cf. Northrop

[参考リンク]

Northrop Grumman

guideline[その他]

[名]ガイドライン。

衛星の打ち上げに関するガイドラインには「25年以内の衛星の軌道からの撤退」が記載されている。しかしこれを守っているのは、全体の30%にも満たないようだ。何千もの打ち上げに失敗した衛星が、低軌道に存在している。

gyro[技術用語]

[名]回転、輪。
宇宙関連の話題でgyro(ジャイロ)と聞くとgyroscope(ジャイロスコープ)の略の場合が多い。
gyroscopeとは、物体の角度や角速度(ある点を回る回転運動の速度)を検出する装置のことである。自分がどちらの方向を向いているかを把握するため、衛星にはこの装置が搭載されている。

H

harris[会社名]

[名]Harris Corporation
米フロリダに拠点を置く航空宇宙・防衛企業。

Harris社ではフロリダ州にある大学との連携を積極的に行っており、フロリダの宇宙研究機関の技術の向上に貢献する姿勢を示している。

[参考リンク]

L3HARRIS

heavy[その他]

[形]重い。
cf.
Falcon Heavy
SpaceXが開発したロケット。離陸時の推力が500万ポンドを超え、141,000ポンドの積み荷を軌道上へ運ぶことが可能だ。

high[その他]

[形]高い。
[用法]
high-throughput satellites:容量の大きい通信衛星
high-velocity logistics:高速の物流
何らかのものに対して高性能であることを示す際に用いられることが多い。
だたし、「High-latency = 高遅延」など、ネガティブな単語に対しても、その度合いが高いという意味で用いられることもある。

house[その他]

[名] the House
アメリカ合衆国下院
宇宙ビジネスニュースでは、「家」ではなく、もっぱら「米下院」の意味で使用される。
[用法]
House bill :下院法案
the House Appropriations Committee:下院歳出委員会
cf. 国ごとに表現が変わる
(日本)
衆議院:the House of Representatives
参議院:the House of Councilors

HTS[衛星名]

[名]HTS / High Throughput Satellite:高速・大量通信衛星。
通信容量の大量化を目的とする衛星通信システム。

[参考リンク]

ニーズに合わせて通信容量や利用地域を柔軟に変更可能な ハイスループット衛星通信システム技術の研究開発

hubble[衛星名]

[名]hubble space telescope
ハッブル宇宙望遠鏡
1990年、NASAがスペースシャトル「ディスカバリー」に搭載して打ち上げた高度解像度を誇る宇宙天体望遠鏡だ。

ハッブル宇宙望遠鏡
Credit : NASA/MSFC

I

iceye[会社名]

[名] ICEYE。SAR衛星を開発するノルウェーの宇宙ベンチャー。
光学センサーを搭載した衛星では夜間や雲があるときに地球を観測できないが、SAR(合成開口レーダー)では夜間、雲があっても観測ができる。

これまでSARについては必要な電力量が多く、衛星がどうしても大きくなってしまうという課題があったが、「ICEYE」は小型SAR衛星の開発とコンステレーションにおけるポジションを世界でも一歩リードしているのだ。

including[その他]

[動]includeの現在分詞。~を含む。

~を含むサービス、といった形で使用され、宇宙開発に関わらず多くの英文の中で使用される。

india[地名]

[名]インド。
あまり知られていないがインドは隠れた宇宙開発大国である。世界で数少ない、ロケットと人工衛星を自国で製造可能な国だ。

[関連記事]

industry[その他]

[名]産業。業界。
[用法]space industry:宇宙産業
commercial satellite industry:商業衛星産業
an industry-academia partnership:産学

information[その他]

[名]情報。
昨今は情報が価値を持つ時代。
[用法]
Information Age:情報化時代

inmarsat[会社名]

[名]通信衛星により通信サービスを提供している企業。
イギリス、ロンドンに拠点を置く。海洋エリアに強みをもち、船上通信でよく使われている。

[参考リンク]

inmarsat

insight[探査機名]

[名]NASAが打ち上げた火星探査機の名称

NASAでは、火星探査に力を入れている。このInSightの打ち上げには、NASAの科学ミッションのために用意されている資金額である10億ドル(1000億円)のうち、1億8000万ドル(約200億円)が投資されており、成果が期待されている。

InSight
Credit : NASA/JPL-Caltech

cf. Orbital Insight
地理空間分析サービスを開発・提供している企業。米カリフォルニアに本拠地を置き、アジア太平洋地域における地理空間アナリティクス需要の高まりに応えるべく東京にも営業所を構える。

insurance[その他]

[名]保険。

私たちが車を買うとき、多くの人は自動車保険に入る。また、家を買うときは火災保険に入う。同様に、「宇宙保険」もあるのだ。

宇宙保険の目的は主に2つに分かれる。ロケットと人工衛星の2パターンで説明する。
第一の目的は、人や物に甚大な被害を与えた際の賠償金支払いをカバーすることが主な目的だ。ロケットの打ち上げを例に挙げて説明する。ロケットの打ち上げは、墜落の場合の危険性を考慮して周囲に民家や施設がない場所で行われがるが、万が一ロケットが人や物に被害を与えた場合、賠償責任が発生する。このような事故の賠償金額は莫大なものとなるため、カバーするために宇宙保険がある。

第二は、人工衛星が衛星製造者以外の責任により機能しなくなった際の補償だ。これには、打ち上げ前保険、打ち上げ保険、寿命保険が含まれる。衛星が製造されてから射場に輸送される間の事故、打ち上げの失敗に関して製造者は一切責任を負わないため、その費用への補償がある。また、衛星の初期機能検査を終了した後も衛星は急激な温度変化や放射線被ばく、さらにはデブリ衝突など様々な機能停止リスクに晒されている。そういった衛星の寿命より早い段階のアクシデントにも保険がかけられている。

近年、人工衛星は小型化しており、製造者はスタートアップや大学研究室が増えている。このような製造者は衛星に保険をかける資金がない。そのため超小型衛星の流行は宇宙保険への需要の減少を招いている。現在、低軌道にある超小型衛星の約5%しか保険に加入しておらず、保険会社としては利用者の増加を狙っている。

intelligence[技術用語]

[名](意思決定をするために必要な)情報。
「defense」と並んで登場することが多く、その際の意味は諜報活動など、重要な事項に属する「情報」という意味を持つ。
また、日本語では「インテリジェンスに富む」「インテリジェンスに欠ける」など、「知能」「知識」「知性」と言う意味で使われる。
[用法]
DIA / Defense Intelligence Agency:アメリカ国防情報局。アメリカ国防総省の諜報機関。
AI / Artificial Intelligence:人工知能。

intelsat[会社名]

[名]Intelsat。1965年に設立された国際機関が発端の大手衛星通信企業。
主に静止軌道の通信衛星を運用していた。
2020年、COVID-19による業績悪化のため、また米国による5Gネットワークの構築のためのCバンド帯クリアリングに参画する必要性があることから米国連邦破産法11条の適応を申請をした。
業務や顧客へのサービスは継続させる。

[参考リンク]

INTELSAT

international[その他]

[形]国際的な。
国際的な、という意味ではGlobalとInternationalは同じ単語のように思えるが、実は明確な違いがある。接頭語 Inter-には「~の間」という意味があり、Nationalは国のためInternationalは国家間のというニュアンスがある。つまり、含まれていない国もある。

一方のGlobalはGlobe(全球)という意味の「国際的な」である。つまり、全世界が含まれる。ちなみに国際宇宙ステーションは「ISS(International Space Station)」であり、参画している国は15カ国のみである。

investment[その他]

[名]投資。

宇宙ビジネスに対する投資は、ピークを越えたとみる勢力と、まだ伸びるとみる勢力の両方が存在するようだ。

IOS[その他]

[名]IOS / In-Orbit Servicing:軌道上サービス。
軌道上サービスとは、文字通り軌道上で衛星に対して行うサービスのことである。たとえば燃料が尽きてしまいそうな衛星に燃料を補給したり、すでに運用が終わった衛星を致命的なデブリとなる前に安全に軌道から外して大気圏に落とすなどのサービスが構想されている。

IoT[技術用語]

[名]Internet of Things。
アイオーティー。インターネットに繋がれたモノ。

近年IoTとMtoM/Machine to Machine(人が介入することなく行われる機械同士のコミュニケーション)の市場が発達している。宇宙開発において、衛星を介して、物や機械同士、人と物をインターネットでつなぐというものが注目を集めている。

衛星を用いることで、wifiや電波の届かない国、地域でも通信することができる。近年では災害時に利用できるシステムとしても活用が進められている。

iridium[その他]

[名]イリジウム。
原子番号77番、年間の採掘量がわずか4トン程度の希少金属である。宇宙ビジネスにおいてイリジウムと言えば、衛星電話、衛星インターネットサービス「イリジウムコミュニケーションズ」のことである。
2019年までは初号機イリジウム衛星である66機が使用されていた。2017年から初号機の代替となる2号機を打ち上げ始め、現在計66機の2号機、Iridium NEXT衛星がイリジウムサータスという衛星通信を構築している。

[参考リンク]

iridium

ISS[その他]

[名]ISS / International Space Station:国際宇宙ステーション。
宇宙ビジネスとしてISSからの超小型衛星放出も話題に上がることが多い。

issue[その他]

[名](議論すべき)問題。
[用例]
They may cause interference issues, or bump the target satellite to take it out of service.
彼ら(中国)は電波干渉の問題を引き起こし、標的となる衛星を攻撃し動かなくさせてしまうだろう。

ITU[その他]

[名]ITU / International Telecommunication Union:国際電気通信連合。

国際連合の専門機関の一つ。本部はジュネーブ。
電気通信の良好な運用により、平和的関係、国際協力の推進、また経済的、社会的
発展を円滑にする目的をもって設立された。

衛星関連では、各国各企業が衛星通信で使用する周波数の調整を行う機能を持つ。
衛星の活用が広がる中、業界では無線周波数スペクトルの利用可能性が今後の衛星活用に大きく関わる事が考えられている。このことを見越し、ITUは無線周波数スペクトルが有害な干渉を受けないために様々な用途に特定の周波数を割り当てるという内容の規定を示した。

[参考リンク]

世界情報通信事情,国際電気通信連合(ITU)

J

JAXA[会社名]

[名]Japan Aerospace eXploration Agency
宇宙航空研究開発機構。
日本の航空宇宙開発政策を担う国立研究開発法人。日本の「宇宙」といえば、”JAXA”というイメージもあるだろう。コーポレートスローガンは”Explore to Realize”。今後も様々な宇宙開発を「実現」していく決意が込められている。

[参考リンク]

新しいJAXA理念とコーポレートスローガンについて

joint[その他]

[名]接合箇所。
[用法]
joint company:合弁会社。
特定の事業を目的として複数の会社が出資することで設立された会社。

JPSS[衛星名]

[名]JPSS / Joint Polar Satellite System
アメリカの気象衛星。
日本のひまわり衛星と同様にアメリカの気象衛星もNOAAという名前を付けていたが、次世代機として名前を変更した。

1号機となるJPSS-1はBall Aerospaceが受注していたが、続く2,3,4号機はOrbital ATKが製造する。2機目は460MUSD(約460億円)の契約が公表されているが、3号機は130MUSD、4号機は87MUSDであり、繰り返し生産による大規模なコストダウンが求められている。

jsat[会社名]

[名]スカパーJSAT株式会社 (SKY Perfect JSAT Corporation)。アジア・オセアニア地域最大の有料多チャンネル放送・衛星通信事業者。

衛星テレビの印象が強いが、アジア最大の18機の通信衛星を保有する衛星通信事業も行っている。

[参考リンク]

Sky Perfect JSAT mulls future technology investments

JWST[衛星名]

[名]James Webb Space Telescope。ジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡。

NASAがハッブル望遠鏡の後継機と位置付けて開発を進める、宇宙空間に設置され天体を観測する望遠鏡で、2021年に打ち上げ予定である。
望遠鏡の主鏡は6.5mと非常に大きいことから、精密に観測するためには、熱を遮断する必要がある。そのため、何枚もの薄い板を広げた構造になっている。

NASAによるJWSTの公式動画が公開されている。字幕もついており聞き取りやすい英語なので、リスニングもかねてチャレンジしてみてほしい。

[参考リンク]

About Webb Launch

[動画]James Webb Space Telescope: An Overview

K~O

KLMNO

K

ka[技術用語]

[名]Kaバンド。周波数帯26.5-40GHzのマイクロ波。
マイクロ波周波数帯の分類には以下のような名称が用いられる。
Kuバンド:12~18 GHz、Ku、はkurz-underの略。
Kバンド:18~27 GHz、Kは、ドイツ語のKurz(短い)の頭文字
Kaバンド:27~40 GHz、Kaは、kurz-aboveの略。

衛星製造会社Airbus Defense and Spaceは静止軌道にある2つの衛星Measat-3、Measat-3aに置き換わる、Measat-3dを製造している。
Measat-3dには、複数のペイロードが搭載されており、テレビ放送などに必要なCバンドや、Kuバンドに加え、Kaバンドにも接続可能だ。
打ち上げは2021年を予定している。

[参考リンク]

Airbus to build multimission satellite for MEASAT

X-band、Ku-band、Ka-band(Xバンド、Kuバンド、Kaバンド)

kepler[会社名]

[名]カナダの通信系スタートアップ企業。
通信サービスを提供するための靴箱サイズの人工衛星を開発し、その実際の打ち上げ配備もしている。

cf.
Johannes Kepler : ヨハネスケプラー(1571~1630)
ドイツの天文学者。3つの法則で成り立つ惑星運動に関する普遍的規則性、ケプラーの法則を発見したことで広く知られている。

[参考リンク]

Kepler Communications, Inc.

ヨハネス・ケプラー

kilograms[技術用語]

[名]キログラム。重さの国際単位。

宇宙ビジネスではよく衛星の質量が語られる。なぜなら質量がコストに直結する話だからだ。

新型のロケットが搭載できる衛星の質量は何キログラムなのか、新型の通信衛星の質量はどの程度か、それがいくらで達成されたのかが宇宙ビジネスにおいてポイントとなる。

kt[会社名]

[名]KT Sat。
韓国の衛星企業。
主に衛星テレビや衛星通信のサービスを提供する会社。

[参考リンク]

KT Sat

L

lander[技術用語]

[名]着陸船

[用例]
Blue Origin unveils lunar lander May 9, 2019:2019年5月9日、Blue Originが月面着陸船を初公開する。

Larson[人名]

[名]Jarry Larson
米ロケット開発企業UP Aerospace の社長。

launch[技術用語]

[動](ロケットの)打ち上げ。
[名]打上げ、打上。
[複数形]launches

JAXAでは「うちあげ」って漢字を使い分けているのを知っていますか?
実は3通りの表記を使っているのです。

①「打上げ」。
「ロケットの打上げ」や「今日、打上げがあった。」のように名詞として使うときの表記です。

②「打ち上げ」。
一般的に動詞として使うときです。「今日種子島で打ち上げられた。」や「打ち上げられたロケットが上昇中」のように使います。

③「打上」。
固有名詞の時です。「打上管制部」や「ロケット打上隊」のように使います。

まとめると、例えば、
「今日、種子島で地球観測衛星ALOSの「打上げ」があり、ロケット「打上」班長の小林主任に
連れられて、H-IIAロケットが「打ち上が」って行くのを見物した。」という風になります。

[参考リンク]

「打上げ」?、「打ち上げ」?

launch vehicle[技術用語]

[名]ロケット。

ロケットをそのまま英語にするとrocketだが、英語のrocketはロケットエンジンを指す場合もある。

legislative[その他]

[形]立法の

[用例]
The Defense Department is expected to submit a legislative proposal to the White House Office of Management and Budget by Dec. 1 2018 recommending that a Space Force be formed as a separate branch of the armed forces..

国防省が、2018年2月1日までにホワイトハウスの管理予算庁に、宇宙軍は現在ある軍組織と異なる部署として創設すること求める立法案を提出する予定です。

cf。branch

LEO[技術用語]

[名]LEO / Low Earth Orbit
低軌道。
高度2,000km以下の地球周回軌道。国際宇宙ステーション(ISS)などはこの軌道に存在する。
人工衛星はすべて地上から同じ高さ、傾斜角で打ち上げられていない。その衛星の目的に合わせて変わり、高さだけでも「低軌道 (LEO)」「中軌道 (MEO)」「高軌道 (HEO)」の分類がある。
「LEO」に存在する有名なものとしては「国際宇宙ステーション(ISS)」「ランドサット (Landsat)」などがある。
cf. orbit, MEO,HEO

leosat[会社名]

[名]LeoSat Enterprises。2013年に設立された周回軌道の通信衛星コンステレーションを計画する宇宙ベンチャー企業のひとつ。

2019年に、投資不足のために運用を停止した。

life[その他]

[名]生命、命、寿命。

[用法]
Life Extension:延命
軌道上サービスで衛星の寿命を延ばすために行う燃料補給や軌道維持の総称。

Lockheed Martin[会社名]

[名]Lockheed Martin
ロッキード。日本史で世界的に大規模な汚職事件と学んだ方も多いだろう「ロッキード事件」のロッキードである。事件があったのは1976年で、1995年にロッキード社とマーティン・マリエッタ社が合併して「ロッキード・マーティン社(Lockheed Martin)」となった。世界でも有数の航空機・宇宙機の開発製造企業である。

[用例]
The Orion is a spacecraft that Lockheed Martin designed and built specifically for the purpose of flying crewed missions to space. / Orion はロッキード・マーティンが有人宇宙飛行ミッションのために特別に設計/製造した宇宙船だ。

[参考リンク]

Lockheed Martin

Orion

long[技術用語]

[形]長い。
「長い」という言葉が使われる場合は主に2つ、開発に要する「期間」と衛星を運用できる「寿命」である。

「期間」とは宇宙開発には時間がかかるということ。また、衛星の「寿命」も重要な問題であって、姿勢制御のためのエンジンの燃料や機器としての寿命が過ぎてしまえば、新しい衛星を打ち上げる必要があるため、「cost(費用)」を考える際の重要な項目のひとつなのである。

また、寿命の話の際は「last」が動詞として用いられ、「how long ● last = ●はどのくらい続くのか」といった使用例を見かけることがある。

Long March[ロケット名]

[名] 長征。中国の人工衛星を打ち上げるロケット。
「長征9号ロケット」はアポロ計画で使用されたサターンV並の打ち上げ能力を持っているとのこと。
「長征」は、1934年から1936年にかけて国民党軍に敗れた紅軍が交戦しながら、1万2500kmを徒歩で続けた移動を指す。この故事にちなんで命名されているため、”March”という訳が当てられていると考えられる。

cf.
March[名] 3月
[語源] ラテン語「軍神Marsの月」の意。

low[技術用語]

[形]低い。
ロケットや衛星開発におけるコストが低いという際に「low」を用いる。
[用法]
Low Earth Orbit/ LEO:地球低軌道
cf. LEO

LSP[その他]

[名]①Launch Services Procurement:打ち上げサービス調達
②Launch Service Provider:打ち上げサービスプロバイダ

宇宙船やロケットを打上げることを専門とした企業。航空機で例えるとAIRBUSやBoeingは製造だが、ANAやJALはサービスプロバイダとなる。つまり、ロケットを作るのではなく、ロケットを使ってサービスを行う企業のこと。日本では三菱重工業、世界ではSpaceXやAriane space、RocketLabが有名だ。

lunar[その他]

[形]月の。

Luxembourg[地名]

[名]ルクセンブルク大公国、通称ルクセンブルク。

ルクセンブルクは、いま宇宙開発で高い注目を集めている。ルクセンブルク政府は2018年9月27日、米国スタートアップの「CubeRover」社、「Hydrosat」社、「Made In Space」社が同国に本社機能を移す予定だと発表した。大学研究機関や現地企業との共同研究などが目的であり、ロボットアームやローバーの開発が含まれるとされている。

ルクセンブルクの人口は58万人足らずだが、国⺠1⼈当たりの購買⼒平価ベースのGDPでは世界2位であり、各国民ベースでは非常に裕福な国といえる。しかし、その金融政策や法制度から事実上のタックスヘイブンと見なされ、非難を浴びてきた。

もとは金融業で存在感を示していた同国だが、1980年代には既に宇宙開発に参入している。地元衛星事業者であったSES社に対し財政支援や法改正を行った結果、売上高ベースで世界第2位の情報通信衛星運用者にまで拡大した。

また、近年注目を集めている小惑星探査においても、法整備により積極的に企業誘致を行っており、アメリカのスタートアップ、Planetary Resources社とDeep Space Industries社がルクセンブルクに本社を構えている。HAKUTOプロジェクトで注目を集めた日本のスタートアップのiSpace社も、同国に欧州拠点を置いている。今後、ルクセンブルクが宇宙産業で保持する影響力は大きく拡大しそうだ。

M

major[その他]

[形]主要な。
[名]専攻。
[動]を専攻する。
[用例]What’s your major?:ご専門はなんですか?
学会などアカデミックな場で初めて会う相手と話す際、使いやすいフレーズだ。
こう聞くと相手が長く話してくれるので、英語に苦手意識のある方にオススメ。

make[その他]

[動]~をする。~を作る。
「make」には英熟語もあり、多様な意味、そして使い方があるため解説が難しい英単語である。「make a decision = 決める」「to make ● ■ = ●を■にする」という使用例をよく見かける。
made:「make=作る」の過去形・過去分詞形。作った。

management[その他]

[名]管理、運営、取り締まり。
日本でも「マネジメント」という言葉は根付いており、宇宙ビジネスにおいては組織の管理、交通管理にて用いられる。
[用法]
traffic management:交通管理

宇宙ビジネスにおける交通管理とは何か。それは衛星同士の衝突や衛星とデブリ(宇宙ゴミ)の衝突が発生しないための管理である。

秒速7km以上もの速度で地上をくるくる回る衛星と衛星との衝突事故を想像を絶する。デブリを生み、それがさらにデブリを生み……と自然増殖し、人類では手の施しようがないほど宇宙がゴミだらけになってしまうかもしれない。

それを未然に防ぐため、交通管理を行うことが重要なのだ。現在デブリを処理するサービスも生まれ始めており、期待が高まっている。

manufacturing[技術用語]

[名]製造、加工、作業。
再利用ロケットや軌道上サービス、通信衛星のコンステレーションなど、新しい話にことかかない昨今の宇宙ビジネスだが、ロケットや人工衛星の「manufacturing = 製造」における革新的技術にも関心が集まる。

[用法]
3-D printing and in-orbit manufacturing promise to transform space missions:ロケットエンジンを3Dプリントで製造する次世代がやってきた。
機数が多いとはいえ、まだまだ少量生産である宇宙業界では、溶接などが必要な部品は3Dプリントの方が効率的であるという見方がある。どれだけのコスト削減になるのか、宇宙へのアクセスがますます身近になる未来は近い。

marco[衛星名]

[名]InSightから得られる情報をリアルタイムで中継する小型衛星。マルコは、二つのマルコA,マルコBの小さな人工衛星からなり、全体で約13.5Kg程度だ。InSightと一緒に打ち上げられていた。
マルコの役割は、InSightが発した信号を受信し、地球と中継することと、InSightの着陸時の速度計測だ。

MarCoが撮影した火星の様子
Credit : :NASA / JPL-Caltech

market[その他]

[名]市場。
広く言うと宇宙ビジネス市場だが、ロケット市場、衛星市場、さらに詳細にSAR衛星市場など、記事によっては市場のレイヤーが違うので、読み進めるときには注意が必要な英単語。
[用法] first-to-market advantage:市場初の優位性
まだまだ開拓する余地のある宇宙ビジネスだからこそよく見かける表現なのかもしれない。

mars[天体名]

[名]火星。

NASAは2024年までにSLS(Space Launch System/米国が進める宇宙飛行士を乗せた大型ロケットの打ち上げ計画)を用いて宇宙飛行士を月へ着陸させることを目指す、アルテミス計画を進めている。アルテミス計画の最終目標は火星において有人宇宙探査を行うことだ。

[参考リンク]

What is Artemis?

maxar[会社名]

[名]Maxar Technologies
米国コロラド州ウェストミンスターに本社を置く宇宙技術企業。
通信、地球観測、レーダー、軌道上サービス衛星、衛星製品、および関連サービスの製造を専門としている。
従業員の数は6,500人。対する日本の宇宙開発従事者数は9,000人と言われており、企業の巨大さがうかがえる。

2018年、Telesat LEOという通信衛星のコンステレーションの設計企業に選定された。117機の衛星を打ち上げ2022年にサービスを開始させる予定だ。

[参考リンク]

Maxar Technologies

medium[その他]

[形]中くらいの。中程度の。
ステーキの焼き加減は「レア」「ミディアム」「ウェルダン」

cf.
Proton Medium

meeting[その他]

[名]会議。
小さい会議のように人が集まって打ち合わせするなど、気軽に使えるシチュエーションでは「meeting」を使用する場合が多い。
cf. council, congress
「会議」という意味を持つ英単語は8単語以上あるようだ。混乱してしまう……。

mercury[天体名]

[名]水星。
2018年10月19日、Ariane5というロケットがフランス領ギアナより打ち上げられた。

このロケットにはMPO(Mercury Planetary Orbiter)という欧州が運営している探査機とMMO(愛称「みお」)という日本が運営する水星磁気圏探査機が乗せられていた。これらはBepi ColomboというJAXAとESA(欧州宇宙機関)が協力して行う研究計画に利用されている。このミッションはいまだ明かされていない水星の大気や、水星を取り巻くガスについての手がかりを見つけることだ。

[参考リンク]

国際水星探査計画「BepiColombo」/水星磁気圏探査機「みお」(MMO)

military[その他]

[名]軍事的。
宇宙ビジネスは安全保障との関わりが強いため、英単語も軍事的な特色が強いものが頻繁に登場する。

million[その他]

[名]100万。
「year」にて、宇宙ビジネスの成功までに多くの「時間」がかかると述べたが、同様に多くの「お金」も必要だ。また、「Million US Dollar」の略で、「MUSD」という記述もよく見かける。
[用法] $540 million = 540ドル x 100万 = 5億4,000万ドル = 約550億円

missile[技術用語]

[名]ミサイル。

世界初の人工衛星はロシアのスプートニクという衛星だが、実はその衛星の技術者たちは、ミサイル開発を行っていたという話がある。ミサイルの場合、一度大気圏を超えた後、再び大気圏に突入し、地球に戻ってこなければならないため、この技術が難しくて思うように開発が進まなかったそうだ。

開発の成果を求められた技術者たちが、やむなくミサイルの先に衛星を搭載して飛ばし、大気圏に再突入しなくてもよいロケットに転用した、というのが、宇宙開発のはじまりと言われている。

近年アメリカでは、人工衛星からミサイルの早期警戒を行う取り組みが進んでいます。中国の超音速ミサイルに対抗するためのようです。

[用例] Space and Missile Systems Center:米国空軍の宇宙ミサイルセンター。軍用の宇宙システムをつかさどっている。

Credit : Space and Missile Systems Center

mission[技術用語]

[名]ミッション。任務。
宇宙飛行士がただ宇宙に行くだけではなく、各々のミッションがあるように、人工衛星にもそれぞれのミッションがある。ロケットの打ち上げに焦点をあてた報道が多いが、ぜひ宇宙に飛び立つ人工衛星それぞれのミッションにもご注目いただきたい。

missions[技術用語]

[名]ミッション。
しばしばひとつの衛星・探査機で複数のミッションを持っている。たとえば、かの有名な「はやぶさ」も、「微小重力下の天体表面の標本を採取すること」以外にも「イオンエンジンを主推進機関として用い、惑星間を航行すること」「光学情報を用いた自律的な航法と誘導で、接近・着陸すること」といった複数のミッションを掲げていた。

mod[その他]

[名]Ministry of Defense
国防省。
意味は同じだが、英国や日本ではMinistryが、米国ではDepartmentが利用されている。
cf.
Ministry of Defense/MOD:国防総省
Ministry of State/MOS:国務省
dod
defense

monteith[人名]

[名]Wayne Monteith。
2019年から、アメリカ合衆国運輸省に航空の安全維持を目的としたFAA(Federal Aviation Administration:アメリカ連邦航空局)という機関の中にある、商業宇宙輸送局(Office of Commercial Space Transportation)という部署の指導者。

彼はアメリカ宇宙司令官など、主要な宇宙プログラムの指揮官を務めた経歴があり、2020年現在FAAのトップであるDan Elwell氏はMonteith氏は幅広い経験をもつ実績のあるリーダーだと評価した。Monteith氏は商業宇宙輸送局を指揮する役割を担う。ここでは、商業打ち上げの承認、打ち上げに関しての企業からのエントリーの募集や選考宇宙基地での安全に関する審査を担当する部署だ。

また、Monteith氏は、商業宇宙輸送局に米国の宇宙輸送産業を推奨、促進させることも役割も課しており、今後のMonteith氏の活躍が期待される。

[参考リンク]

Wayne R. Monteith

months[その他]

[名]「month = 月」の複数形。
「months」は新しい衛星・ロケットの製造のお話ではなく、それらが打ち上がった後の話、また、すでに打ち上げ予定日が決まっていたが遅れる話などの記事で用いられることが多い。

ロケットの打ち上げは分かりやすくわくわくする楽しいイベントだが、打ち上げの”数ヶ月後”に衛星の初仕事の報告もまた宇宙ビジネスを楽しむポイントのひとつである。衛星にとって、ロケットが無事に打ち上がったところからが仕事のスタートなのだ。

「years = “年”の複数形」も同じく頻出英単語だ。宇宙開発は道のりが長いため、時間を表す単位は日や月ではなく年の場合が多いためだ。

moon[その他]

[名]
①月。
日本で宇宙の話題となると「スーパームーン」や「ストロベリームーン」等だが、「月に着陸する」「月に基地をつくる」といった話題で多用される日はすぐそこまで来ている。
[用法]
a full moon:満月
a new moon:新月
a half moon:半月
a crescent moon:三日月

[文化]
日本では月は黄色で表すが、西洋ではsilverとされる。

②(地球以外の惑星の)衛星。
[用法]
Mars has two moons, Phobos and Deimos.:火星には2つの衛星、フォボスとダイモスがある。
cf. Artemis:ギリシャ神話の女神  Luna, Diana:ローマ神話の女神

muos[技術用語]

[名]MUOS / Mobile User Objective System
Lockheed Martin社が開発したモバイル向けの高周波数を用いて通信する通信システム。
このネットワークは5つの衛星と4つの地上通信局から成り立っている。5番目の衛星はアメリカの軍が海上および航空業務のサポート等、防衛分野において利用されている。

MUOSのコンセプト図
Credit : LOCKEHEED MARTIN

musk[人名]

[名]Elon Musk:イーロンマスク。
SpaceX社の共同設立者およびCEO。

N

nasa[その他]

[名]NASA / National Aeronautics and Space Administration
アメリカ航空宇宙局。
アメリカ合衆国政府内における宇宙開発に関わる計画を担当する連邦機関だ。
ちなみにNASA’s Visionは “To discover and expand knowledge for the benefit of humanity.”

[参考リンク]

About NASA

national[その他]

[形]国家の、国民の、国立の。
「national security = 国家安全保障」といった使われ方をよく見かける。他、アメリカの宇宙政策について大統領にアドバイスをすること、民生、商業、国家安全保障の各宇宙分野の政策調整を図ること等を目的として、1989 年に設置された国家宇宙会議「National Space Council(NSpC)」でもnationalという英単語が登場している。

navigation[技術用語]

[名]航法、交通。

ちなみに、おそらく読者の皆さんがほとんど知っているだろう「GPS」はアメリカの航空機・船舶等の航法支援用に開発されたシステムである。

ロシアはGLONASS、日本は準天頂衛星みちびきなどの測位衛星が存在し、そのような衛星測位システムの総称を「GNSS(Global Navigation Satellite System) = 全球測位衛星システム」と呼ぶ。

[参考リンク]

GNSSとは

NC3[技術用語]

[名]NC3 / Nuclear Command, Control and Communications systems:核・原子力の司令システム・制御システム・通信システム。

network[技術用語]

[名]ネットワーク、網、他の人と関わりを持つ。
主に通信ネットワークなど、通信衛星の話題に頻出する英単語。

NGA[その他]

[名]NGA / National Geospatial Intelligence Agency
アメリカ国家地理空間情報局
衛星画像の解析と取得及び米軍へのマッピングサービスの提供を行っている。

[参考リンク]

National Geospatial Intelligence Agency

NOAA[その他]

[名]NOAA / National Oceanic and Atomospheric Administration。米国商務省の機関の1つ。アメリカ海洋大気庁と呼ばれている。
NOAAは海洋と大気に関する調査、研究を専門的に行っている。

Northrop Grumman[会社名]

[名]Northrop Grumman Corporation。アメリカ合衆国の、主に人工衛星、戦闘機、軍用輸送機、軍艦などを製造しているメーカー。

現在NASAが中心となって進める過去最高性能の赤外線観測用宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)」の開発を請け負っており、打ち上げに向けて準備が進められている。

ESPAと呼ばれるリングから小型衛星を分離せず、そのまま電源などを供給するプラットフォーム構想”ESPAStar”を打ち出している。

[参考リンク]

Northrop Grumman

NRO[その他]

[名]NRO / National Reconnaissance Office。アメリカの国防総省の機関の1つ。
アメリカの諜報衛星の設計、構築、打ち上げ、維持の主管機関。

[参考リンク]

About the NRO

NSpC[その他]

[名]NSpC / National Space Council
National Space Council(NSpC)」はアメリカの宇宙政策について大統領にアドバイスをすること、民生、商業、国家安全保障の各宇宙分野の政策調整を図ること等を目的として、1989 年に設置されたものである。

NTS[衛星名]

[名]NTS / Navigation Technology Satellite 3。
米国空軍はGPSによって提供されたPNT(Positioning Navigating Timing system)といわれる、人工衛星から発信される信号を利用して衛星の位置や、姿勢の情報を得て、衛星の状態をコントロールする機能の強化を目指している。

そこでNTS3という衛星が実験用のPNT衛星として製造されることが決まった。GPSとの通信を強化された衛星で、国の防衛に利用される。NTS3の製造を行うのは、Northrop Grummanという会社だ。

NTS3は1250キログラムで、従来のGPS衛星に比べ、軽量化が実現できていることが大きな特徴といえる。

[参考リンク]

Navigation Technology Satellite 3

number[その他]

[名]数。

O

observation[技術用語]

[名] 観察。観測。

ESA(European Space Agency)は人工知能を搭載した地球観測衛星を2020年8月17日に打ち上げられるArianespaceのベガフライトVV16に搭載する。

人工知能を搭載するのは衛星データの選別の部分だ。地球観測衛星からは、1日に150テラバイトのデータが生成される。毎日の膨大なデータ量を処理するのはとても大変なため、人工知能を利用して地上に送るデータを選別する事を試みているのだ。

[参考リンク]

Vega launch postponed until 17 August

FSSCat/Ф-sat-1 ready for launch

office[その他]

[名]事務所。
[用法]
Cabinet Office:内閣府
Office of Space Commerce:宇宙商務庁

official[その他]

[名]役員、社員。当局。

[用例]
The Air Force official noted that the service hopes to improve its space situational awareness capabilities by adding small sensors to its operational satellites that could look out for potential threats.
空軍当局は、潜在的な脅威を監視することが可能な運用衛星に小さなセンサーを追加することで、そのサービスで宇宙空間における状況認識能力を向上させたいと述べた。

ohb[会社名]

[名]ドイツの衛星製造メーカー。ドイツ語読みでオーハーベ―と呼ばれることも。
設立35年と大手衛星製造メーカーとしては歴史は浅い方。ヨーロッパ版GPS”ガリレオ”などの衛星製造を担当している。
cf. galileo

[参考リンク]

OHB

omega[技術用語]

[名]OmegaA。Northrop Grumman社が開発した打ち上げロボット。

この打ち上げによりNorthrop GrummanはBlue Origin、United Launch Allianceと共に空軍が企画しているLaunch Service Agreementを受賞した。この3社は、空軍が選別している今後10年間で重要な軍用衛星の打ち上げを行う企業2社の候補として期待されている。

oneweb[会社名]

[名]アメリカのベンチャー企業。

OneWeb社は、2016年12月ソフトバンクが同社に10億ドルの投資を行ったことで日本でも注目されました。この投資によって、世界で初めて衛星を大量生産をするための製造工場を建設し、製造を開始。2000機以上の人工衛星を打ち上げ、人工衛星による通信網を構築することであらゆる地域にインターネットを届けるサービスを可能にする技術を開発していた。しかし2020年3月、COVID-19の感染拡大に関連した財政的な影響と市場の混乱により、目前だった資金調達が完了せず、破産申請を行った。同年7月、英政府とインドのBharti Globalが買収し再建を目指す運びとなった。

[参考リンク]

OneWeb

operation[技術用語]

[名]運用、操作、運営、作業。
人工衛星はロケットで打ち上がった後が重要である。たとえば地球観測衛星であれば何を撮影するのか、また、軌道を維持するための姿勢制御など。その一連の作業について「operation = 運用」が使われている。

operator[技術用語]

[名]運用者、操作員。

opportunity[探査機名]

[名]オポチュニティ。
NASAが開発した火星探査ローバー。

火星探査ローバーオポチュニティ
Credit : NASA/JPL illustration

orbex[会社名]

[名]Orbex。
イギリスで小型ロケット製造と打ち上げサービスを目論むスタートアップ企業である。

[参考リンク]

Orbex

orbit[技術用語]

[名]軌道。
宇宙ニュース頻出ワードの一つ。人工衛星はすべて地上から同じ高さ、傾斜角で打ち上げられているのではなく、その目的に合わせて変わる。たとえば高度による分類だけでもLEO、MEO、HEOがある。
[用法]
LEO / Low Earth Orbit:低軌道。高度2,000km以下の地球周回軌道。国際宇宙ステーション(ISS)などはこの軌道に存在する。
MEO / Medium Earth Orbit:中軌道。高度2,000kmから地球同期軌道(35,786km)までの地球周回軌道。
HEO / High Earth Orbit:高軌道。地球同期軌道(35,786km)より外の地球周回軌道。

orbital[技術用語]

[形]軌道の。
「orbital debris = 軌道上のゴミ」「orbital velocity = 軌道速度」といった使われ方もよく見かける。現在、NORTHROP GRUMMANという会社に買収された「Orbital ATK」はアメリカの大手衛星メーカーだった。買収される前から開発されていた「OmegA」という新型のロケットを2021年に打ち上げる予定で、準備を進めている。

origin[会社名]

[名]Blue Origin, LLC:ブルーオリジン。
Amazon.comの設立者であるジェフ・ベソス氏が設立した民間宇宙ベンチャー。彼らのビジョンは”Millions of People Living and Working in Space”だ。

orion[宇宙船名]

[名]オリオン宇宙船。

オリオン宇宙船とは、ロッキードマーティン社が開発を行っている有人宇宙船だ。当初はNASAのオリオン計画として単独で始動し、現在はSLS(Space Launch System)計画に統合された。SLSとは、現在NASAが開発しているスペースシャトルから派生した大型のロケットの名称であり、SLS計画はこの大型ロケットと有人宇宙船の両方の開発を目的としたプロジェクトだ。

[参考リンク]

pace Launch System (SLS) Overview

Ovzon[会社名]

[名]Ovzon。

地球上でより幅広い地域における衛星サービスを提供すべく、いまだ通信が確立されていない場所も含め地球全域でのソリューションを開発するスウェーデンで設立された会社。

[参考リンク]

Ovzon

P~T

PQRST

P

panasonic[会社名]

[名]Panasonic Corporation:パナソニック株式会社。
1917年に松下幸之助氏が大阪府の借家で電球用ソケットの製造販売を始めたことが起源の日本の電機メーカー。

米国の子会社「Panasonic Avionics」は航空機の機内エンターテインメント(IFE)システムなどを提供している。

2007年に中東の国有航空会社の契約を監督していた政府職員への贈賄を行っていたことが発覚し、2018年、米政府に総額2億8060万2830ドル93セント(約307億円)の制裁金を支払うことになったという発表で話題になった。

[参考リンク]

panasonic

panel [その他]

[名]パネル。
[用例] panel discussion:パネルディスカッション。ステージの上に専門家が並び、与えられたテーマに沿って意見をぶつけ合う討論形式のひとつ。

日本語でパネルというと板状のものが思い浮かぶ。
同じような言葉として英語では委員会のことを”board”といい、やはりまた板状のものだ。

机や黒板など人が討議をする場に欠かせないものから派生して、単語が使われている。

paris[地名]

[名]パリ。フランスの首都。
フランスは、ヨーロッパの中でもドイツの並ぶ有数の宇宙先進国。
衛星製造大手のAIRBUSやロケット打ち上げサービス大手のArianespaceはフランスが本拠地。
World Satellite Business Weekが毎年開催されるのもパリである。
cf.week

part[技術用語]

[名]一部分、部品。
[用例]
It is the part bonded to the rocket body :ロケット本体に結合されている部分だ。

partnership[その他]

[名]契約。

企業間において、お互いにとって事業拡大につながると考えられる場合、契約を交わし、共同で事業を行うことがある。

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payload[技術用語]

[名] 荷物。pay+loadで、お金を払って乗せてもらう荷物。

ロケットにとってのペイロードは衛星であり、衛星にとってのペイロードは観測機器などのミッション機器なので、英語でニュースを読む際には注意が必要。

“hosted payloads”は自分の衛星の余剰スペースを、他の企業に使ってもらうサービスで、今はやりのシェアリングエコノミーの一種。

ホスト側は余剰スペースでお金が稼げ、借りる側は衛星全体を作らずとも自分のミッションを打ち上げることができるというメリットがある。

payloads:payloadの単数形
cf. propulsion

pence[人名]

[名]Mike pence。第48代アメリカ副大統領。

[参考サイト]

マイク・ペンス副大統領 Vice President Mike Pence

pentagon[その他]

[名]五角形。転じて、五角形の建物をしているアメリカの国防総省を指す。

宇宙ビジネスは、国家の安全保障と密接に関わる分野であるため、しばしば記事で使用される単語だ。

people[その他]

[名]人々。
[用法]
the People’s Republic of China:中華人民共和国
People’s Liberation Army:中国人民解放軍
The government of the people,by the people,for the people:人民の、人民による、人民のための政治(第16代アメリカ大統領のリンカーンの演説)

percent[その他]

[名]パーセント。百分。
基本的には収益レポートの話の際によく見かける英単語だ。
[用法] up 136 percent year over year:前年比で136%増
このケースで●倍という言い方をすると「前年比2.36倍」になる。

ちなみに「EBITDA(イービットディーエー)」というアルファベットの羅列を収益レポートの話でみかけるが、これば「Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization」の頭文字をとったもので、利払い前・税引き前・減価償却前利益のこと。会計上の利益である純利益に関係する税率や、借入金利、減価償却費の扱いは国によって異なるため、国際的な企業価値を比較したり評価したりする場合、「EBITDA」が有用な指標として利用されている。

phase[技術用語]

[名]段階

[用例]
This is the second phase of the program previously known as the Evolved Expendable Launch Vehicle:これが、進化した使い捨てロケットとして依然知られていた計画の第二段階だ。

planetary[その他]

[形]惑星の、地球の。

[用法]planetary protection : 惑星保護

惑星保護とは、主に「人類が地球以外の惑星に干渉する際に、有機物を持ち込まないこと」、「他の惑星から地球に有機物を持ち込まないこと」である。
火星ミッションが近づくにつれ、惑星保護政策の見直しが必要だと考えられている。

cf.Planetary Resources

plan[その他]

[名]計画。
似た意味を持つ英単語としてprogram = 計画(表)があるが、「plan」の方が広い意味で「計画」という意味を持つ。

あえて言い方を悪くすれば漠然とした計画についても「plan」が使用される。一方の「program」については、目的かつその内容も明確な「計画」について用いられる。

policy[その他]

[名]政策。
「bill = 法案」「house = 下院」のように、国の動きは宇宙ビジネスの発展と密接な関係にある。

そのため、各国の宇宙政策が発表されるたびに注目が集まるのだ。

power[技術用語]

[名]電力
[用例]
A power problem on the International Space Station has postponed the launch of the spacecraft:国際宇宙ステーションにおける電力問題により、宇宙船の打上げが延期された。

PPE[技術用語]

[名] PPE / Power and Propulsion Element
電力・推進装置。

LOP-Gに使用される予定の電源・推進装置。ステーションと、高度維持のための推進器であるイオンエンジンへの電力供給が主な目的。

LOP-Gのモジュールは、そのほかにもCislunar Habitation Module(居住区画)、Gateway Logistics Module(実験物流区画)やGateway Airlock Module(エアロック)などの開発が計画されている。

LOP-Gコンポーネント開発予定表_1
Credit : Nerds Inc.

LOP-Gコンポーネント開発予定表_2
Credit : Nerds Inc.

cf. Gateway

president[その他]

[名]大統領、社長、会長。
宇宙ビジネスは政府予算との兼ね合いが大きい部分もあり、「president said = 大統領は言った」「vice president said = 副大統領は言った」など、偉い人の話が記事に登場することがしばしば。

private[その他]

[形]民間の。
莫大な資金が必要な宇宙開発では、政府主導で進められてきたが、近年では民間主導の動きも見られ始めている。民間が主導することで、コストを低減したり宇宙利用を拡大したりといったことが期待される。
[用法]private company:民間企業。

procurement[その他]

[名]調達。
[用法]
launch procurement:打ち上げの調達。

program[技術用語]

[名]計画表。
コンピュータによる処理法を具体的に計算機向きに指示した表現。
[用法]
Galileo program:ガリレオ計画
Mars Exploration Program:火星探査計画
[複数形]programs

progress[その他]

[名]進歩。
また、国際宇宙ステーション (ISS) への補給に使われているロシアの使い捨て無人貨物輸送宇宙船の名前も”progress”である。
[用法]
make progress on A:Aを進める、進展させる。
[用例]
NASA makes progress on fixing Hubble gyro.
NASAがハッブル宇宙望遠鏡におけるジャイロの修理を進めている。

proposal[その他]

[名]提案。

宇宙ビジネス、特に衛星やロケットなどのインフラ系はカタログ品にはならないため、個別に提案をして、内容を吟味し契約するかどうか決めるケースが多い。
[用法]
RFP:Request For Proposal:提案要請。
顧客側がこういうスペックで提案してほしいと提案を要請するもの。政府系のプロジェクトでよく用いられている。

propulsion[技術用語]

[名]推進。
この単語は以下の文脈で使用される。
①宇宙へモノを運ぶロケットにおける推進。
②宇宙空間における人工衛星や人工構造物における推進。
ロケットの打上げが所定の軌道から外れてしまった場合、人工衛星が周回する予定だった軌道からずれてしまう。そのため、自らが所定の軌道に入る手段も準備している。
また、ISSのように地上400km(東京-大阪間程度)をくるくると回っている人工構造物は多少なりとも大気の抵抗を受けている。そのため、どうしても速度が落ち、高度が下がってきてしまう。そこで、なんらかの方法で軌道を調整する必要があるのだ。人工構造物には自ら軌道を調整するための推進機構を搭載する場合がほとんどで、その推進方法も様々。どのような推進機構がもっとも良いのか日々研究が行われている。

proton[ロケット名]

[名]プロトン。ロシアが開発した大型ロケット。
1965年に初めて打ち上げ、以来415回以上の打ち上げを誇るベテランロケット。
2020年現在は、アメリカに拠点を置くInternational Launch Services (ILS)がプロトンによる打ち上げサービスを提供しています。

プロトンロケット
Credit : 2013 ILS International Launch Services Inc.

provide[その他]

[動]提供する、もたらす、備え付ける。
[用法]
provide services:サービスを提供する
provide values:価値を提供する

Q

quantum[技術用語]

[名]量子。
[用法]
quantum computing:量子コンピュータ
Pentagon sees quantum computing as key weapon for war in space.:アメリカ国防総省は量子コンピュータが宇宙における争いにおいて最大の武器になるとみている。
記事によれば、量子コンピュータには主に「データの処理速度の向上」「秘匿性の向上」が期待されている。

R

radar[技術用語]

[名] レーダー
[用法] SAR / Synthetic Aperture Radar:合成開口レーダー。

宇宙ビジネスにおいて、データを取得できる頻度はビジネスになるかならないかのキーポイント。だからこそ、夜間や雲があっても地上を観測できるレーダー衛星に期待が高まっている。

range[その他]

[名]範囲。
[用法]
Price tags range:価格範囲

ロケットの打ち上げ費用は総重量により決まってくる。そのため衛星が小型であるほど打ち上げ費用は安くなる。例えばSpaceXのロケットを利用した衛星の相乗り打ち上げ価格は、200kgで100万ドル(約1億円)である。

[参考サイト]

SMALLSAT RIDESHARE PROGRAM

reagan[人名]

[名]Ronald Wilson Reagan。第40代アメリカ大統領。
1981年~1989年までアメリカ大統領を務めた。元俳優。2001年に亡くなった。

[参考サイト]

Ronald Reagan

remote[技術用語]

[名]感知、計測。
[用法]
remote-sensing:リモートセンシング
リモートセンシングという言葉は日本でもそのまま用いられ、宇宙ビジネスにおいては主に「衛星のように遠く離れたところから、対象物の大きさや形、性質を観測する技術」のことを指す。

宙畑では「衛星リモートセンシングベンチャー企業とビジネストレンド 2017」でリモートセンシングについて取り上げているのでぜひご覧いただきたい。

[関連記事]

report[技術用語]

[名]報告書。
最新の宇宙ビジネス、宇宙開発に関する報告書のまとめを紹介する英文記事で用いられる英単語。
[用法]the report said…:報告書によると…

require[その他]

[動]~を必要とする。/人に~を要求する。
needより堅い表現として使われる単語。

[用例]
Forecasts that predict the space industry to grow to a trillion dollars by the 2040s will require the development of new markets, even with the modest annual growth rates needed to achieve that goal.
「宇宙産業が2024年までに何兆ドルに成長すると予測する見通しには、目標達成に必要な年間成長率が穏やかであったとしても新しい市場の発達が必要である。」

research[その他]

[名]研究。
物事を学問的に深く考え、真理を明らかにすること。インドの宇宙機関ISROは、Indian Space Research Organizationで”研究”が入る。

JAXAは日本語では、宇宙航空研究開発機構だが、なぜだかRは入らない。ExplorationのXで研究開発を表現している。

reusability[技術用語]

[名]再利用性。

ロケットのコスト低減の切り札としてよく語られる。

アメリカのスペースシャトルは再利用できる宇宙往還機というコンセプトで開発されたが、予想以上に検査・修復費用がかかり、結果としてコスト低減にはつながらなかったという歴史がある。

2020年現在、SpaceXやBlue Originが再利用ロケット開発を牽引している。一度打ち上げたロケットが地上に戻ってくる技術は圧巻だが、キーポイントはその後の検査と修復をいかに安く正確にできるか、である。スペースシャトルと同じ轍を踏まないように気を付けなければならない。

2018年8月、Exos Aerospaceというアメリカの企業が開発するSARGEという再利用できる小型ロケットの話題で盛り上がった。
3Dプリンターなど製造側の技術革新が進み、製造コストが落ちていく中で、再利用ロケットが本当にコスト低減の切り札なのかは注視する必要がある。

Credit : Exos Aerospace

review[その他]

[名]レビュー。審査。

[用法]
● Preliminary Design Review (PDR):基本設計審査
● Critical Design Review (CDR):詳細設計審査

その時点までの設計が正しくできているかを確認するもので、プロジェクト外の審査員が審査を行い、次フェーズへの移行の可否を判断する。
プロジェクト全体のマイルストーンとして扱われることが多い。
NASAでは、運用しているプログラムの生産性を最大化するため2年に1度Senior Reviewというものが行われる。
宇宙空間で確実に動作するものを作るために欠かせないプロセスだが、資料は膨大な量になるため、審査会が近くなると、メンバーの残業が増えていく。

RFP[その他]

[名]RSP / request for proposal:提案依頼書

[用例]
RFP about a multibillion-dollar national security launch services:数十億ドル規模の国家安全打上げサービスに関する提案依頼書

rocket[技術用語]

[名]ロケット。
ロケットは正確には「Launch Vehicle」であるが、「Falcon Heavy rocket」「H3 rocket」など、各ロケットの固有名詞とセットで本文に用いられることが多い。「rocket」だけでロケットエンジンのことを指す場合もある。

rogozin[人名]

[名]Дмитрий Олегович Рогозин / Dmitry Olegovich Rogozin:ドミトリー・オレゴヴィチ・ロゴージン。
ロシア連邦政府副首相としてロシアの宇宙事業の推進に携わっていたが、ロシアの宇宙開発の進捗が他国と比較してよろしくないことから退任となった。2018年5月より国営企業ロスコスモスの社長に就任している。

roscosmos[会社名]

[名]ロスコスモス。

2015年に設立されたロシアの宇宙開発を担う国営企業。
ロシア政府の宇宙計画と法規制の執行機関。機器の発注等も行う。
元々はソ連崩壊後、同名で国家機関として1992年に設立された。

[参考サイト]

roscosmos

rsgs[衛星名]

[名] RSGS / Robotic Servicing of Geosynchronous Satellite
軌道上の衛星の調整を行うための衛星。

DARPA(米国国防高等研究企画局)は大型衛星の一つ、SBIRS(宇宙赤外線システム)衛星のボディーガードの役割を果たす衛星としてRSGSの利用を検討している。

DARPAが企画するRSGSの様子
Credit : DARPA

ruag[会社名]

[名]RUAG / RUAG Holding Ltd
Rüstungs Unternehmen Aktiengesellschaft

スイスを本拠地とする部品製造企業。
航空、宇宙、防衛の3つの生産部門を設けている。宇宙部門(RUAG SPACE)では、ロケット機内、衛星のコンピューター部品を主に製造している。
スイス以外にも、生産拠点をドイツやスウェーデン、ハンガリー、オーストリア、アメリカに、販売会社をオーストラリアやイギリス、フランス、ベルギー、ブラジル、マレーシアに置き、グローバルに事業展開している。

ナビゲーションシステムの製造
Credit : RUAG

[参考サイト]

RUAG

run[その他]

[動]走る。動作を表す。
runは熟語として様々な意味で用いられている。

[用法]
run out of :(燃料等が)切れる、果てる。使い切って何も残っていない状態を表す。
run over:(液体が)あふれる。
run on:長時間ある出来事が続くこと。特に予想よりも長く続く場合用いる。

russian[その他]

[形]ロシアの。
[用例]
U.S.-Russian relations :アメリカとロシアの関係
人類初の人工衛星は1957年に打上げられたソ連の「スプートニク1号」。それは米ソ両国の冷戦状態において、アメリカとロシアの宇宙開発競争が加速した大きな節目であった。競争に競争を重ねた結果、飛躍的な技術進歩が起こったの末の今である。

S

safety[技術用語]

[名]安全、安全性、無難。
[用例]
NASA reviewed safety cultures at commercial crew companies:NASAが商業有人宇宙飛行会社における安全風土を再調査した。

sar[技術用語]

[名]SAR / Synthetic Aperture Radar
合成開口レーダー。
SAR衛星については「SAR衛星とは?ASNARO-2で広がる宇宙ビジネスの可能性」で詳述しているので家族や友達への説明の参考にぜひご覧いただきたい。
もはや宇宙ビジネスのバズワードになりつつあるが、友達に「SAR衛星って知ってる?」と聞いても「さぁ?」と返されてしまうかもしれないので、自分で調べてみよう。

[関連記事]

SAS[会社名]

[名]SAS / Sky and Space Global Ltd
イギリスを拠点とし、地球周回軌道でナローバンド通信用の赤道上衛星の打上げを行っている企業。

SASが製造した小型衛星
Credit : Sky and Space Global.

[参考サイト]

Sky and Space Global

satellite[技術用語]

[名]衛星、人工衛星。
お供、居候という意味も。

satu[衛星名]

[名]Nusantara Satu
インドネシアの静止軌道衛星。
2019年2月、Falcon9に搭載され打ち上げられた、この衛星はそれまでにインドネシアで打ち上げられてきた衛星と比べ通信容量が最大であり、広域でのアクセスサービスの提供が可能となった。
Nusantara Satuを所有するインドネシアの企業、Pasifik Satelit Nusantara(PSN)の代表者は次の目標としてWi-Fiホットスポットを介して500万人の人をつなぐことを表明している。

[参考サイト]

Pasifik Satelit Nusantara

schedule[その他]

[名]スケジュール。
[動]を予定する。

何を開発するにもスケジュールは重要だ。遅れることはあっても早まることはほぼないのが世の中の常。国際宇宙ステーションは1992年に完成予定だったが、紆余曲折ありスケジュールが遅れ2011年にようやく完成した。

世界標準となっている、プロジェクトマネージメントの知識体系PMBOKの中でもプロジェクト遂行のための重要な要素と位置づけられている。
cf.
PMBOK / Project Management Body of Knowledge:プロジェクトマネジメントに関するノウハウや手法を体系立ててまとめたもの。

scheduled
[動]scheduleの過去形・過去分詞。計画的な、定期的な、予定した。

science[技術用語]

[名]科学。
「はやぶさ」や「Mars = 火星」などにおける科学ミッションの話題が上がる際に「science」が頻出する。

宇宙ビジネスの話題は今の生活がさらに豊かになるかもしれないという点でわくわくするが、科学ミッションの話題もまた、未知への好奇心が喚起されわくわくされる話題である。

scotland[地名]

[名]スコットランド。
スコットランドはイギリスを構成する国の一つで、イギリスの北側にある。スコットランドの北側に新しいロケット発射場として適した場所なのだ。ロケットの射場に適しているのはどういう地域なのか気になる方はぜひ「北海道大樹町にロケット打ち上げ射場が検討されているワケ」をご覧いただきたい。

[関連記事]

SDA[その他]

[名]SDA / Space Development Agency
米国防総省の宇宙開発局。

secretary[その他]

[名]大臣、長官、秘書。
[用法]
Secretary of Defense of the United States:アメリカ合衆国国防長官
Secretary of the Air Force:空軍長官
以上は「Defense Secretary」「Air Force Secretary」と簡略化されていることが多い。

sector[その他]

[名]部門。

[用例]
space sector:宇宙部門

security[その他]

[名]安全。
[用例] national security:安全保障
宇宙開発と安全保障は切っても切れないないものとなっている。

senate[その他]

[名]上院、議会、議員、元老院。
「house = 下院」を紹介しているのと同様に、主にアメリカ議会の話題において上院の話が出るときに頻出する英単語。

sener[会社名]

[名]Sener。スペインの衛星機器メーカー。
衛星の通信機器を手掛けるTRYO Aerospaceを買収した。
この買収を通じてSenerは商用衛星市場への参入を進めたいと考えている。

senior[その他]

[名]シニア、年上の人。
[形]年上の、上級者の。

NASAでは、運用しているプログラムの生産性を最大化するため2年に1度Senior Reviewというものが行われる。

sept[その他]

[名]Septemberの略。9月。

services[その他]

[名]公共事業、勤務、接客。
【基本義:(他人に対する)奉仕、役に立つこと、有用】
「service」と複数形で使われることが多い。日本における通常の会話でもそのまま「サービス」と使われている。
ビジネスで「お金を得る」ためには「(誰かの)役に立つこと」をまず先に考えなければならないが、宇宙ビジネスを考えるにあたっては「宇宙空間のみで役に立てること」には限りがある。

だからこそ、宇宙機器産業以外の産業に目を向け、「他産業の課題を宇宙ビジネスで解決できることはないか」と他産業の見識を深めることが重要である。

servicing[その他]

[名]サービス(提供)、整備。
[用法]
In-Orbit Servicing(IoS):軌道上サービス
軌道上サービスとは、文字通り軌道上で衛星に対して行うサービスのことである。たとえば燃料が尽きてしまいそうな衛星に燃料を補給したり、すでに運用が終わった衛星を致命的なデブリとなる前に安全に軌道から外して大気圏に落とすなどのサービスが構想されている。

ses[会社名]

[名]SES / Société Européenne des Satellites
世界第一位の通信衛星を保有・運用する企業。ルクセンブルグに本社がある。

SESはO3bという衛星コンステレーション(群)プロジェクトを計画している。O3bとは「Other 3 Billion」の略で、世界中にいるインターネットにつながっていない30億人をネットにつなげようという計画だ。

[参考サイト]

SES

settlement[その他]

[名]開拓
[用例]
space settlement:宇宙開拓

shanahan[人名]

[名]Patrick Shanahan。第33代アメリカ国防副長官。

[参考サイト]

Patrick M. Shanahan

shutdown[その他]

[名]閉鎖。一時停止。
[用例]
Space industry executives are optimistic about the future despite a government shutdown and layoffs:宇宙産業における企業経営幹部らは、政府の一時機能停止や解雇にもかかわらず、未来に楽観的だ。

government shutdownはNASAや連邦航空局といった一部政府機関の機能停止指す。これによって政府から企業への通信等の承認が遅れてしまうのだ。

skynet[会社名]

[名]英国軍が運営している衛星プログラム

英国軍ではskynet 6衛星の打ち上げの計画を進めている。このskynet 6は、AIRBUSが打ち上げたskynet5という衛星に続くものだ。2025年から2040年における英国軍が要求する衛星通信のニーズに合わせて打ち出された計画。

SLS[技術用語]

[名]SLS / Space Launch System。NASAが開発中の大型打ち上げロケット。
SLSとは、現在NASAが開発しているスペースシャトルから派生した大型のロケットで、深宇宙探査を目指して開発されている。SLS計画はこの大型ロケットと有人宇宙船オリオン、両方の開発を目的としたプロジェクトだ。SLSはオリオン宇宙船、宇宙飛行士、大型貨物を1回のミッションで月に送ることができる。

オリオン宇宙船とは、ロッキードマーティン社が開発を行っている有人宇宙船だ。当初はNASAのオリオン計画として単独で始動し、現在はSLS(Space Launch System)計画に統合された。

NASAは2024年までにSLSを用いて宇宙飛行士を月へ着陸させることを目指す、アルテミス計画を進めている。アルテミス計画の最終目標は火星において有人宇宙探査を行うことだ。

[参考サイト]

Space Launch System (SLS) Overview

small[技術用語]

[形]小さい。
[用法]
small satellites:小型衛星
small launch vehicles:小型ロケット
小型化はカメラの性能や燃料の量、電池寿命など、宇宙でできることの制約が発生するため、今後の宇宙ビジネスの成功には小型化とセットで地上の宇宙以外の技術の進歩も重要なのだ。

smallsat[衛星名]

[名]Small Satellite。小型衛星、つまり大きい衛星と比較して小さい衛星のこと。

NASAでは180kg以下と定義され、ヨーロッパのコンサル会社EuroCounsultでは500kg以下と定義されている。

Smallsatの中にもさらに質量毎に分類がある。現状多いのは1kg以上のNanosatまででPicosatやFemtosatは研究は行われているが、ビジネス化はまだ進んでいない。

[参考サイト]

EuroCounsult

SMC[その他]

[名]SMC / Space and Missile systems Center:宇宙ミサイルシステムセンター。
アメリカ空軍組織のひとつであり、デルタロケットやICBMの開発に携わり、軍事衛星などの運用支援なども行っている。

sofia[技術用語]

[名]sofia / The Stratospheric Observatory for Infrared Astronomy」:遠赤外線天文学成層圏天文台。
飛行機に赤外線望遠鏡を搭載し、ドアを開けっ放しにしながら観測を行う天文台だ。

[参考サイト]

SOFIA Overview

software[技術用語]

[名]ソフトウェア。
昔は操縦桿を握って宇宙船を操作するのは人間だった。しかし、いまや人間は操縦桿を握ることはほとんどなく、スタートボタンを押すだけ。どうやってたどり着くか、機体をどう動かすかはコンピュータが計算するようになった。ソフトウェアがアポロ計画の成功の一因であったということは『宇宙に命はあるのか』(小野雅裕 / コルク)に分かりやすく、かつ、面白く記されているので、ぜひご覧いただきたい。きっとわくわくすることだろう。

[参考サイト]

『宇宙に命はあるのか』(小野雅裕 / コルク)

soldier[その他]

[名]兵士
宇宙技術を軍事的に活用するという動きが進んでいる。
軍では、持ち運び可能なコミュニケーションシステムを要求している。

cf.
T2C2

最大の特徴は、膨らませて使うアンテナ。小さなバッグくらいの大きさに畳んで持ち運びができるようになっている。

試験的に導入した結果、利用した兵隊からは好評価。

[参考サイト]

膨らんでいるT2C2の様子

solid[技術用語]

[名]固体。
[形]、固形の。
宇宙ビジネスで固体といえば、固体ロケットである。日本ロケットの起源「ペンシルロケット」も固体ロケットである。

soyuz[ロケット名]

[名]ロシアのソユーズロケット。
1957年のスプートニク1号の打ち上げに使われたロケット(R-7A)を改良したロケットであり、1973年に改良され、現在のソユーズロケットに至る。

ソユーズロケットではこれまで何件か、事故が発生している。

2018年6月6日に打ち上げられISSにドッキングしたロケット、ソユーズMS-9の軌道モジュールに穴があいていたことだ。ドッキングされたソユーズから空気が漏れ出し、国際宇宙ステーション全体の空気が漏れる事態に発展したようだ。ロケットの製造・組み立て時に原因があると考えられている。

また2018年10月11に打ち上げられ、長期滞在予定のクルー2名を乗せた有人宇宙飛行のロケットソユーズMS-10が、発射されてから2分後、問題が発生。乗っていた2人は自分たちが乗っている部分を本体から分離させ、無事帰還したという事故が発生した。
詳しい原因解明と、再発防止が求められる。

space[その他]

[名]宇宙。
まごうことなき宇宙。この英単語を知らなければ何も始まらない。宙畑も英語で表すならば「Space Field」となるだろう。略してSF。「Science Fiction」ではない。
※たまに空間、場所という意味で使用されることもあるので注意。
cf. 英語では「宇宙」を単語によって意味を使い分けている点に注目。
space[名] (地球を含まない)宇宙。宇宙空間。
↔universe[名] (地球を含む)宇宙。
cosmo[名] (秩序ある体系としての)宇宙。
↔ chaos[名] 混沌

spacecom[会社名]

[名]イスラエルの通信衛星企業。
Amos衛星を運営している会社。

spacecraft[技術用語]

[名]宇宙船、宇宙機。
宇宙船と言ってしまうと、人が乗っている乗り物をイメージしてしまうが、人工衛星・探査機について、広い意味で「spacecraft」を使用する。

「-craft」は「技術」という意味があり、接尾語として使用されると乗り物を意味することが多い。

spaceflight[会社名]

[名]宇宙飛行。また、米国Spaceflight社。

Spaceflight、で一続きの単語だ。宇宙飛行という意味の言葉だが、アメリカのスタートアップ、Spaceflight社を指す場合も多い。同社は衛星打ち上げ、また相乗りでの打ち上げサービスを提供しており、同サービスでは衛星を静止軌道まで運ぶことが可能だ。
2020年2月、三井物産株式会社はSpaceflight社を買収した。Spaceflight社を通じて、宇宙利活用を検討する顧客に対して宇宙へのアクセスを提供していくことで、事業のさらなる拡大を目指していくそうだ。

[参考サイト]

衛星ライドシェアサービスを展開する米国のSpaceflightを買収

spaceloft[ロケット名]

[名]UP aerospace社が開発した観測ロケット。
12回も打ち上げを行ってようやく成功した。

spaceport[技術用語]

[名]宇宙港。
つまり、宇宙船基地、ロケットの射場だ。
人工衛星を宇宙へ運ぶためには、ロケットや宇宙機を打ち上げる場所がなければ始まらない。

Spacety[会社名]

[名]SPACETY。中国初の民間の衛星開発企業。
国が進める宇宙産業発展の促進に向けた政策に伴って2016年に立ち上げられた。
低コストで高性能な超小型衛星に特化したベンチャーだ。
小型衛星のソリューションの提供を基盤とし、中国の投資家からも支援を受けて運営している。

[参考サイト]

spacex[会社名]

[名]Space Exploration Technologies Corp.
アメリカの民間宇宙ベンチャー。再利用ロケット開発や火星移民構想、「Starlink」と銘打った衛星コンステレーション計画など話題に事欠かない。
2020年5月、民間企業として初めて有人宇宙船飛行に成功した。

[参考サイト]

SpaceX

spyder[ロケット名]

[名]米ロケット開発企業UP Aerospaceが提供している固形燃料型ロケット。サブオービタル用、つまり、地上から出発し、高度100km程度まで上昇後、地上に帰還する飛行用のロケットだ。

固形燃料型ロケットはポンプ等の機械部品で燃料を燃焼室に移送する必要がなく固体燃料へそのまま点火する。燃料を充填するための地上設備が不要で構造が簡単なので、取り扱いが容易でコストがかからないというのが特徴だ。

安全保障にかかわる衛星は有事のとき、直ぐに打ち上げる必要がある場合がある。短い間隔での打ち上げが必要になる政府のミッションにこの固形燃料型ロケットが利用できるのでははないかと期待されている。

Spceloftの打ち上げ
Credit : UP Aerospace

[参考サイト]

UP Aerospace

SSL[会社名]

[名]SSL / Space Systems Loral。アメリカの衛星製造メーカー。
通信、探査、データ収集また次世代のサービスを提供している。

[参考サイト]

SSL

stage[技術用語]

[名]first-stage booster:段、段階。(多段式ロケットの)段《それぞれにタンクと燃料をもっているもの》

[例文]
Milestones after completion of the first stage burn include stage and payload fairing separation, ignition of the rocket’s upper stage engine, and reaching orbit.:第1ステージの燃焼完了後のマイルストーンには、ステージとペイロードのフェアリングの分離、ロケットの上段エンジンの点火、および軌道への到達が含まれる。

standards[技術用語]

[名]基準
宇宙開発における安全面を担保するうえで、基準設定は大切だ。
[用例]
They speed development of commercial space flight safety standards and certification processes:彼らが商用宇宙飛行の安全基準と認証プロセスの発展を加速させる。

star[その他]

[名]星。恒星。
[用例]
Sirius is the second brightest star in the whole sky
シリウスは全天で二番目に明るい恒星だ。
cf. starlink, tracker

star tracker[技術用語]

[名]star tracker
衛星に搭載する機器の一つ。衛星の位置や姿勢を測定する役割を担っている。ヨーロッパの巨大グループArianeグループの一つであるSodern社も製造している。

starlink[衛星名]

[名]SpaceXが進めている衛星コンステレーション。
衛星コンステレーションとは人工衛星の群を指す。

cf. constellation

state[その他]

[名]国家の。
states:stateの複数形。国家。状態。
[用法]
United States of Americaでアメリカ合衆国。
アメリカが宇宙外交に力を入れていくというニュースが出ていた。

statement[その他]

[名]声明・宣言・発表。公式文書。
[用例]in a statement:発表の中で。

station[その他]

[名]駅、停留所、拠点。
いちばん有名、かつ、最も頻繁に用いられるのは宇宙飛行士が滞在する国際宇宙ステーション、「ISS(International Space Station)」だろう。その他商用の宇宙拠点を打ち上げると言った話がでることもあり、その際は「commercial station」となる。文脈次第では静止衛星を正しい場所に保つことを「station keeping」といった表現をすることも。

study[その他]

[動]検討する。勉強する。
[用法]
Feasibility Study:プロジェクトが実現可能かどうかをあらかじめ検討すること。
宇宙開発では技術的に難しいミッションもあるため、開発に着手する前にプロジェクトが実現可能かどうかをあらかじめ検討する。
日本語ではFS(エフエス、Feasibility Studyの略)といい、RFP(アールエフピー、Request for proposalの略)の前に顧客が仕様を固めるために実施する。

[参考サイト]

RFPとは?提案依頼書の基本を解説

subcommittee[その他]

[名]小委員会
[用例]
Chairman of House appropriations subcommittee that funds NASA to retire:NASAに資金提供をしている下院における歳出小委員会の議長が引退へ
cf, chairman

support[技術用語]

[名]サポート、支持、支援、援助。
宇宙開発はあらゆる研究機関、企業、大学、個人のsupprtがあってこそ成立している。

Swarm[会社名]

[名]Swarm Technology。衛星開発を行う企業。

2016年に設立された、アクセス可能で低コストのグローバルな通信を提供することを目指す企業。世界最小の通信衛星を開発し、ネットワークサービスとハードウェアを最も低コストで利用できる独自の方法を実現している。

現在様々な衛星の打ち上げが増加し、小型衛星打ち上げに関しての取り決めが厳しくなっています。
衛星を打ち上げるには、FCC(米国連邦通信委員会)による認可が必要だ。

symposium[その他]

[名]討論会。
年に一度、アメリカ・コロラドスプリングスで開催される「Space Symposium 」というアメリカ最大の宇宙関係の祭典がある。産学官が一同に会し、様々な議論が行われる。開会式には花火も打ち上がる。宙畑もいつか潜入したい。

system[技術用語]

[名]システム。
システムには「多くの要素や部品が相互に絡み合って定義された目的を成し遂げるためのものであり、ハードウェア、ソフトウェア、人、情報、技術、設備、サービスおよびその他の要素を含む」という定義がある。

そして世界初のシステムズ・エンジニアリングの標準は1969年に米国が空軍向けに制定したMIL-STD-499であり、同時期に行われていた人類初の月への有人宇宙飛行計画「アポロ計画」はシステムズ・エンジニアリングによって成功した。

[用法]
①Space Tracking and Surveillance System:
②Global Maritime Distress Safety System:世界海洋遭難安全システム
③systems engineering:システム工学

①②のように、一つの機能を持つ装置そのもののみを指す場合は単数形を用い、③のように、装置だけでなくシステムの中に人の動きも含める場合は複数形を使う。

日本語で単数形/複数形を意識することはあまりないが、「system」「systems」が使い分けられているように、英語では繊細な違いがあるようだ。

T

tactical[技術用語]

[形]戦術的な

[用例]
tactical satcom program:戦術的衛星通信プログラム
satcom はsatellite communicationsの略称。
アンテナを設置するアメリカの兵士
Credit : U.S. Army photo by Staff Sgt. Timothy R. Koster

technology[技術用語]

[名]技術。
宇宙開発にとって欠かせない要素のひとつである。技術の進歩が宇宙開発を加速させる。

日本では1955年にはじめてペンシルロケットの実験を行い、1970年には自国のロケットで自国の衛星「おおすみ」の打ち上げに成功した。

そして今、衛星のサイズも技術の進歩とともに小さくすることが可能となり、海外の事例ではあるが、ロケットも一度打ち上げたものを地上に再着陸することで再利用できるといったロケットも誕生している。これからの技術の進歩にも目が離せない。

telesat[会社名]

[名]カナダの衛星通信事業会社。世界でも有数の静止衛星サービスプロバイダーだが、SpaceXのStarlinkなどが実施している、低軌道における通信衛星事業にも参入しようとしている。

terminals[その他]

[名]端末、終点、末端。

端末とはデータの入出力により、他の機器と通信を行う機器のことだ。
ちなみに「ターミナル駅」という言葉を聞いたことのある読者も多いだろう。ここで言うターミナルはもちろん今回ご紹介した「terminal」であり、「発着点(末端)の駅」のことだ。

[用法]
optical terminals:光通信端末

test

[名]試験。
「flight」とセットで「test flight」という使われ方を良く見かける。宇宙ビジネスはまだまだ発展途上。特に宇宙旅行や有人ロケットなどは、人の命に関わるものであるため、まずは試験をして安全性の実証などが重要である。

thales[その他]

[名]タレスグループ。
本拠地をフランスに置き、世界50ヶ国以上で事業を展開する企業。交通システム、民間航空、宇宙、防衛、サイバーセキュリティにおいてサービスを提供している。

[関連記事]

Thales Group

Thinkom[会社名]

[名]ThinKom Solutions。2000年に設立されたアンテナを製造している会社。

航空機、船舶、車両などに用いられる衛星通信用のアンテナを製造している。

[参考サイト]

Thinkom

threats[その他]

[名]脅威

[用例]
This a huge problem, as it is critically important that we have a real understanding of the scope, degree, and diversity of the threats facing future use of space so that we can get the solutions to those threats right

これが大きな問題なのは、将来、宇宙を利用する中で直面する脅威の範囲、程度、そして多様性を理解することで、その脅威に対する適切な解決方法を得ることが非常に大切だからだ。

thrusters[技術用語]

[名](人工衛星の軌道修正用の)スラスター、小型ロケットエンジン。形はスカート状に広がるあの部分のこと。画像は金星探査機あかつきに搭載したスラスタ―である。

「propulsion = 推進系」はスラスター含む、タンクなどを包摂した意味を持っている。

[参考サイト]

衛星長寿命化に貢献!世界最高性能・小推力スラスタの開発

Thuraya[会社名]

[名]Thuraya Telecommunications Company。アラブ首長国連邦の衛星通信サービス会社。

同じくアラブ首長国連邦の衛星通信サービス会社であるYahsatに買収された。
Yahsatは中東、アフリカ、ブラジル、東西アジアにおいて防衛及び通信用の衛星サービスを提供している。

[関連記事]

Thuraya Telecommunications Company

Yahsat

time[その他]

[名]時。
ロケットの打ち上げ時間を報道する際に「local time(現地時間)」と言ったり、「reentry time」で(大気圏への)再突入時という使われ方も。その他、宇宙ビジネスのワクワク感が伝わる使用例として「It’s time to(今こそ~の時)」といった使用例もたまに見かける。

tracker[技術用語]

[名] 追跡装置。
人工衛星やスペースデブリを追跡する。

cf.star tracker
衛星に搭載する機器の一つ。衛星の位置や姿勢を測定する役割を担っている。ヨーロッパの巨大グループArianeグループの一つであるSodern社も製造している。

star tracker本体
Credit : Sodern

traffic[その他]

[名]交通、交通量。
[用法]
traffic management:交通管理

宇宙ビジネスにおける交通管理とは何か。それは衛星同士の衝突や衛星とデブリ(宇宙ゴミ)の衝突が発生しないための管理である。

秒速7km以上もの速度で地上をくるくる回る衛星と衛星との衝突事故を想像を絶する。デブリを生み、それがさらにデブリを生み……と自然増殖し、人類では手の施しようがないほど宇宙がゴミだらけになってしまうかもしれない。

それを未然に防ぐため、交通管理を行うことが重要なのだ。現在デブリを処理するサービスも生まれ始めており、期待が高まっている。

transition[その他]

[名]過渡期
[用法]be in the transition:過渡期にある
[用例]
Space exploration in the transision:過渡期にある宇宙開発

transportation[技術用語]

[名]輸送。

[用例]
Commercial Space Transportation:商業宇宙輸送
宇宙空間への商業的な輸送が民間企業によって活発に進み始めている。

trump[人名]

[名]Donald John Trump
アメリカの大統領、2020年現在。

2019年12月、陸海空軍など五つの軍と同格の宇宙軍(Space Force)を発足させた。

U~Z

UVWXYZ

U

ULA[会社名]

[名]ULA / United Launch Aliance。

ULAは、2006年にボーイング社とロッキードマーティン社の衛星打ち上げ部門を統合して設立された合弁事業。
同社は契約から3ヶ月での打ち上げという迅速なサービスが特徴である。

[参考サイト]

United Launch Aliance

united[その他]

[形]連合した、団結した。
[用法]
United Kingdom = 連合王国(通称イギリス)
United States of America = アメリカ合衆国

university[その他]

[名]大学。

urthecast[会社名]

[名]UrtheCast Corp.
カナダの地球観測サービスを計画しているスタートアップ。
国際宇宙ステーションにIrisという1m解像度のビデオカメラを取り付けていた。

Irisで撮影された動画。
よく見ると車が動いているのが見える。

Credit : urthecast

同社は、OptiSARという16機の0.5m解像度の光学センサと1mSARセンサを合わせた地球観測衛星群や、5m解像度のUrtheDailyという衛星群などを計画している。

[参考サイト]

UrtheCast Corp.

London, UK, Captured by UrtheCast's Iris Camera

Utah[地名]

[名]ユタ。アメリカの地名。ユタ州。
宇宙ビジネスでユタというと、ユタ州立大学で毎年開催される「Small Satellite Conference」が有名。

V

vega[技術用語]

[名]vega rocket。ESA(欧州宇宙機関)が低軌道用人工衛星打ち上げのために開発した小型ロケット。
Vegaロケットを製造しているのは、Avioという会社だ。Avioは現在のVegaロケットよりも700㎏多く運搬できるVegaCロケットを開発している。

[参考リンク]

Avio seeking to compress Vega launch delays

vehicle[その他]

[名]乗り物、車両。

「launch vehicle」でロケットを指すこともあれば、衛星やモジュールなど、地球空間を移動する移動体のことを総称して「vehicle」と呼ぶこともあり、文脈をきちんと理解することが必要な英単語である。

vehicles[その他]

[名]乗り物。
[用法]
Launch Vehicle:ロケット

英語でRocketは衛星を打ち上げるロケットに限らず、ロケットのエンジンを指す場合がある。また、ミサイルや打ち上げ花火などもRocketと言いう。

ロケットは一般的には”Rocket”ということが多いが、業界内ではLaunch Vehicleを使うことが多い。

[参考リンク]

What Is a Rocket?

viasat[会社名]

[名]Viasat。アメリカの衛星通信会社。
ヨーロッパの衛星通信会社であるEutelsatと協業し、Viasat-3という世界最大の通信容量を持つ通信衛星を打ち上げる計画を立てていたが、Eutelsatが別の企業との協力を重視し、Viasat-3への投資の中止を決断した。

[参考リンク]

About Viasat

virgin[会社名]

[名]Virgin Galactic。宇宙旅行をビジネスとして行っている会社。
年間500人に1人当たり25万ドル(約2500万円)で宇宙旅行を提供することを目標として掲げている。

[名]Virgin Orbit。Virgin Galacticから独立した人工衛星の打ち上げを目的に掲げている会社。「Cosmic Girl」という飛行機を用いて、上空で衛星を積んだ「LauncherOne」という二段ロケットを発射させる仕組みを開発している。

[関連記事]

[参考リンク]

The Launch Process

vostochny[その他]

[名](ロシア語)東の
[用例]Vostochny Cosmodrome:ボストチヌイ宇宙基地。

Vostochny Cosmodrome
Credit : Matthew Bodner for SpaceNews
ロシアは2020年現在主にバイコヌール宇宙基地を利用している。しかし、この発射場はソビエト時代に建設され、ソ連崩壊後、カザフスタンの国土になってしまった。そのため、バイコヌール宇宙基地を利用するには、カザフスタンとの政治的に良好な関係性を保つことが必須とされている。この状況を脱却するために進められているのがVostochny Cosmodromeの建設だ。既に運用も進んでいるが、施設の建設は続いている。

[参考リンク]

The long road to Vostochny: Inside Russia’s newest launch facility

voyager[衛星名]

[名]NASAの惑星探査機ボイジャー。
1977年8月20日に2号機、同年9月5日に1号機が打ち上げられ、木星から外側にある惑星を探査し数々の発見をもたらした。両機ともに現在も航行中で、1号機は太陽系の最外縁部に到達している。

cf. voyage: (船・飛行機・宇宙船による)旅、船旅、航海、航行
”von voyage”は、旅立つ者に対して言う「よい旅を!」という意味のフランス語の挨拶。

[参考リンク]

Pentagon criticized for stagnant innovation, lack of investment strategy

W

washingthon[その他]

[名]ワシントン。
アメリカ合衆国の首都。

water[その他]

[名]水。

人間をはじめとする生物が生きていくために欠かせないもの。
月や火星などの天体で人類が居住する未来を見据えた場合、その天体に水があるのかは一つ重要なポイントになる。

weapons[その他]

[名]兵器。攻撃するもの。

[用法]Space Weapons:宇宙兵器

week[その他]

[名]週。月火水木金土日の7日からなるまとまり。
[用例]
World Satellite Business Week:
Euroconsult 社が毎年主催する大規模なカンファレンス。
ユーロコンサル社は、宇宙ビジネスのコンサルティング企業で、本部をパリに置く。

[参考リンク]

EUROCONSULT’S ANNUAL EXECUTIVE MEETING PLACE IN PARIS

WGS[衛星名]

[名]WGS / Wideband Global SATCOM system:アメリカ軍の衛星通信システムの略称。
初号機は約10年前に打ち上げられたものではあるが、広帯域衛星通信としては国際的な衛星だ。現在はWGS-11+の開発を進めている。

[参考リンク]

Wideband Global SATCOM Satellite

WGS-11+ Leveraging Model-Based Systems Engineering to Speed Delivery to the Warfighter

Wilson[人名]

[名]Heather Wilson:アメリカ空軍第24代空軍長官ウィルソン氏。2019年までアメリカ空軍の長官を務めた。

2018年7月、ウィルソン氏はトランプ大統領による宇宙軍創設の発表を受け、宇宙軍は5年間で約130億ドル(約1兆4,700億円)の費用がかかるとの試算を発表した。

具体的な宇宙軍創設の方法については、ウィルソン氏を中心に、国防総省、ロッキードマーティンをはじめとする軍事衛星市場の民間企業などで議論がなされた。

[参考リンク]

HEATHER WILSON

win[その他]

[動]勝つ、勝ち取る
入札形式の契約を受注するといった宇宙ビジネスの話題で多く使用される単語。

[参考リンク]

Air Force to continue to push back on proposed space launch legislation

work[技術用語]

[名]作業。研究。
[用法]
work is ongoing to ~ :~の作業が進行中である
work breakdown structure(WBS):複雑な作業を詳細なworkに分けてプロジェクトの進捗を管理する手法。宇宙関係のプロジェクトでよく使われる手法だ。

working:workの現在分詞。働いている、稼働している。
人に対しても、設備についても使う。

world[その他]

[名]世界。
似たイメージを持つ言葉として、”global”がある。
“global”は地球を意味する”globe”から来ており、地球全体を一つと捉えるのに対し、
“world”は”international”に近い、国家間の、すなわち個々の集合体というイメージだ。

URLの先頭に入る”www”は”world wide web”の略で
まさしく個々の間に網を張っている状態を表しています。

X

Y

year[その他]

[名]年。
宇宙開発は道のりが長いため、時間を表す単位は日や月ではなく年の場合が多い。

years[その他]

[名]「year」の複数形。
「take nine years to ~ = ~するのに9年かかる」「in two years or less = 2年以内に」といった使用例をよく見かける。やはり宇宙開発は時間がかかるものである。政府が求める期限内に開発を終わらせなければ契約不成立となってしまうリスクもあり、気が長いようで難易度が高いため、実際にはスピードが求められる産業である。

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