宙畑 Sorabatake

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Amazonの通信衛星コンステレーションKuiperはULAのAtlas Vで打ち上げへ 【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/4/19〜4/25】

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AmazonがULAと契約し、通信衛星Kuiperの打ち上げへ

United Launch Alliance (ULA) が、Atlas VロケットAmazon.com, Inc.が開発する通信衛星”Kuiper”を打ち上げる契約を締結しました。今回の契約には9回分の打ち上げが含まれています。各ミッションで打ち上げるKuiperの数や契約金額は公表されていません。

Amazonが100億ドル(約1.1兆円)を投資する通信衛星コンステレーション計画Project Kuiperは、3,236個の小型通信衛星で構成され2029年までに完成させる計画です。AmazonがKuiperの打ち上げ契約を締結するのは、今回が初めてです。

ULAのCEOであるTory Bruno氏は、今回の契約について以下のコメントを出しています。

Project Kuiper will help bridge the digital divide across the United States and around the world, and we could not be more pleased to be working with Amazon to support the initiative. ULA is focused on serving our customer’s missions and providing reliable, innovative launch solutions. We look forward to launching these important missions.
(訳:Project Kuiperは米国および世界中のデジタルデバイドの解決に貢献する計画であり、Amazonと協力してこの構想を支援できることを大変喜ばしく思います。ULAは、顧客のミッションに貢献し信頼性の高い打上げ機会を提供することに注力しています。Amazonの重要なミッションを打ち上げることを楽しみにしています。)

通信衛星コンステレーションは、ビジネスモデルの特徴から一定以上の衛星機数を打ち上げないとサービスイン出来ないため、ロケットの輸送費が事業を圧迫しがちです。Amazonは今後、輸送費や信頼性など複数の条件を考慮しながら、ULA以外のロケット企業との契約も模索していくと見られます。

通信衛星コンステレーションとして競合となるSpaceXStarlinkは、自社のFalcon 9で打ち上げることで輸送費を上手く抑えています。

米連邦通信委員会(FCC)が公開したKuiper Systems, LLC Application for Authority to Deployによると、Amazonは2026年7月までに、コンステレーション全体の50%にあたる約1600機の通信衛星を打ち上げる必要があります。

Elon Musk氏が率いるSpaceXのStarlinkとよく比較される、AmazonのProject Kuiper。Amazonが順当に通信衛星コンステレーション計画を進めることが出来るか注目です。

Cape Canaveral空軍基地から打ち上げられるAtlas V Credit : United Launch Alliance Source : https://www.flickr.com/photos/noaasatellites/25695990847/

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