アストロスケールとOneWebが共同で、英国宇宙庁から4億円の契約を受注。2024年のサービス化を目指す【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/5/24〜5/30】
一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを厳選してお届けする連載「週刊宇宙ビジネスニュース」は毎週月曜日更新!
軌道上のスペースデブリ除去サービスに取り組むアストロスケールは、衛星通信サービスを提供するOneWebをパートナーに、英国宇宙庁から250万ポンド(約4億円)を受け取ったと発表しました。
この取り組みは、欧州宇宙機関(ESA)が進める通信システム先端研究プログラム「Sunrise(サンライズ)」の一環です。資金は、一度のミッションで複数のデブリを除去できる衛星「ELSA-M」の開発および2024年までに商用サービス化するのに向けた技術革新に充てられます。
具体的には、制御が効かない状態にあるデブリに接近する技術や画像認識技術の向上に取り組むということです。
アストロスケールは数年にわたって、英国やOneWebと緊密に連携してきました。今回の契約はその連携が功を奏したと言えます。同社の担当者を取材すると、
「今回の英国宇宙庁、ESA、およびOneWeb社との契約は、宇宙産業が軌道上サービス市場に投資する意欲があることを明確に示していると言えるでしょう。こうした技術開発を共同で行うことは、スペースデブリ除去サービスを英国や欧州だけでなく、世界中の顧客への提供を実現するための大きなステップであると考えています。」
と、デブリ除去サービスの関心の高まりと世界各国へサービスを展開していきたい考えを示しました。
アストロスケールは2021年3月に、デブリ除去技術実証衛星「ELSA-d」を打ち上げました。
捕獲機と模擬デブリの距離を徐々に離しながら回収し、最終的には大気圏に再突入させる実証実験が行われる予定です。商用化に向けての重要なマイルストーンの一つだと言えるこの実験の動向にも、引き続き注目していきたいです。