宙畑 Sorabatake

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AxelGlobe 5機体制での運用がまもなく開始。独自の地球観測コンステによるサービス提供は日本初。【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/5/31〜6/6】

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小型衛星事業者のアクセルスペースは、同社のGRUS衛星1機で運用していた地球観測サービス『AxelGlobe』に、3月に打ち上げた4機を加え、6月10日より5機体制でのサービス提供を開始すると発表しました。地球観測衛星コンステレーションを活用したサービスの提供は、日本初です。

Credit : アクセルスペース

5機体制になったことで、これまでは2週間に1度の頻度で撮影していたところ、2〜3日に1度の頻度で同じ地点の撮影が可能となります。

サービスの料金形態は、ユーザーが自由に指定した撮影対象エリアを、用途や予算に応じて、月あたり1枚/3枚/6枚撮影して、画像データ提供を確約するサブスクリプション型

アクセルスペースCEOの中村友哉氏に、AxelGlobeのサービス展開についての展望を聞くと、衛星の特性を活かして、国内に限らず、幅広い地域や業界のユーザーにアプローチしていく姿勢を示しました。

「特定の業界や地域のみに絞ってアプローチするつもりはありませんが、やはりGRUS衛星が提供できるデータの強みを考えた時に、植生を扱う利用法についてはアピールしていきたいと考えています」(アクセルスペースCEO 中村友哉氏)

宙畑メモ
アクセルスペースのGRUS衛星は、近赤外やレッドエッジといった波長のデータを取得することができ、詳細な植生分析が可能です。

「精密農業や赤潮検知などがよく利用例として挙げられますが、エンドユーザが必ずしも農林水産業の従事者にとどまらない点は特筆すべきかと思います。金融や保険といった業界でも注目が高まっており、投資業界でもオルタナティブデータとしての活用事例が生まれつつあります。さらに、SDGsやESG投資といった文脈での、環境・サステナブル領域での活用にも注目が集まっており、AxelGlobeの高頻度な観測が貢献できると考えています。地域について言うと、新興国には大きなポテンシャルを感じています。もちろん国内事業者として日本での普及も重要なテーマではありますが、東南アジア、南米、アフリカといった地域への展開には力を入れていきたいと考えています。」(アクセルスペースCEO 中村友哉氏)

同社は5月に、約25.8億円を調達したことを発表し、2023年に10機体制での運用を実現する計画を明らかにしました。実現すると、世界のいかなる地点でも1日1回の撮影が可能となります。

「2015年から取り組んできたAxelGlobe事業はようやく垂直立ち上げ時期を迎え、社員の士気も高まっています。今後の新たなプロダクトや協業の進展にぜひご注目ください」(アクセルスペースCEO 中村友哉氏)

これまでは実験的に利用されていたAxelGlobeが本格始動することで、日本国内においても衛星データの利活用に注目が集まるのではないでしょうか。

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参考

アクセルスペース、 AxelGlobe 5機体制でのサービスを6月10日に開始

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