宙畑 Sorabatake

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Astrocastが上場を検討。衛星コンステレーションの拡大へ【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/6/21〜6/27】

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Astrocastが上場を検討。衛星コンステレーションの拡大へ

超小型IoT衛星を開発するスイスの宇宙ベンチャーAstrocastが、Euronext Growthへの上場を検討していることを明らかにしました。同社の上場における証券の発行や取り扱い業務を引き受ける主幹事証券会社には、欧州の投資銀行であるBryan, Garnier & Coが就任し、上場は、早ければ今年の第3四半期になるようです。

Astrocastは、超小型通信衛星と低消費電力のIoTモジュールの接続を実現します。同社が開発するIoTモジュールとアンテナは小型で消費電力も少なく、海洋・物流・農業など、様々な領域で活用されることが期待されています。

IoTに関連する通信サービスの市場は急速に成長しており、遠隔地での低コストな通信接続などが求められています。オーストラリアの宇宙ベンチャーのMyriota、米国の宇宙ベンチャーのSwarm Technologies、イギリスの宇宙ベンチャーのLacuna Spaceなども、同様のサービスに取り組んでいます。

また、近年、SPAC(特別買収目的会社)を活用した宇宙ベンチャーの上場が急増していますが、今回のAstrocastの上場ではSPACは活用しないようです。

SPACを活用した上場を予定している宇宙ベンチャー一覧 Credit : さくらインターネット

AstrocastのCFOであるKjell Karlsen氏は、今回の発表にあたり以下のコメントを出しています。

Astrocast is recognised as one of the pioneers, and one of the most advanced companies in the world tackling the issue of low-cost global connectivity for the IoT, which is the roadblock for a massive expansion of the market. A listing on a European stock market would represent a major step for the company as we are now accelerating the deployment of our constellation.
(訳:Astrocastは、IoT市場における重要課題である低コストでグローバルに通信接続を提供するパイオニア企業の1つとして認識されています。現在、コンステレーションの構築を進める我々にとって、欧州の株式市場への上場は大きなステップとなるでしょう。)

Astrocastのサービスは、現在7基の小型衛星で構成されています。2021年6月末に打ち上げ予定のSpaceXの相乗りミッション”Transporter-2”で、5基の小型衛星を打ち上げ、その後、2024年末までに100基の小型衛星コンステレーションを構築する予定のようです。

衛星通信サービスが各国で進む中、Astrocastの今後の歩みに注目です。

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参考記事

IoT Focused Satellite Company Astrocast Contemplating a Listing on Euronext Growth