インターステラが2機連続での打ち上げに成功【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/7/26〜8/1】
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7月31日、インターステラテクノロジズ(以下、IST)は、観測ロケットの6号機を打ち上げました。
最高高度は約92km(速報値)に達し、7月3日に続き2機連続、3度目の宇宙到達となりました。予定時刻丁度の安定した打ち上げでした。
宙畑メモ
国際航空連盟(FAI)の定義では、高度100km以上を宇宙空間としていますが、アメリカ連邦航空局(FAA)では高度80km以上が基準となっています。
ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのジョナサン・マクダウェル博士の主張によると、4万3000の軌道上物体をデータ解析した結果、衛星が楕円軌道を描いている場合には、近地点高度が100km以下であったとしても周回し続けることができた例が多数あるそうで、軌道に乗れなくなる限界高度は、ほぼ80kmだということでした。
開発の体制について、打ち上げ後の記者会見で、稲川貴大氏と堀江貴文氏はそれぞれこのように説明しました。
「インターステラテクノロジズとしては、今後は軌道投入ロケット『ZERO』の開発にリソースを注いでいきたいと思っています」(稲川貴大氏)
「『MOMO』をいつでも打ち上げられるような状態を維持しながら、『ZERO』を開発できる体制が整ったということです」(堀江貴文氏)
具体的な企業名や団体名は明らかになっていないものの、MOMOロケットによる観測実験の引き合いをすでに受けているとのことで、商用化が進んでいくのではないかと考えられます。
さらに6号機では、宇宙空間でのペイロード放出を行い、海上での回収にも成功しました。これは、国内民間企業としては初の快挙です。
ペイロードの放出機能は、単独スポンサーであるTENGAの要望を受けて開発された機能であり、民間企業同士ならではの取り組みだと言えそうです。