有人飛行を目指すSPACE WALKERが高圧タンクメーカーを吸収合併。宇宙・地上両用のものづくり【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/8/30〜9/5】
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サブオービタルスペースプレーンの開発を行うSPACE WALKERは、高圧タンクの開発・製造を手がけるCoMReD(コムリード)を吸収合併したと発表しました。
SPACE WALKERのスペースプレーンは2024年に科学実験、2026年に小型衛星の打ち上げ、2029年に有人飛行を目指しています。ロケットの機体の軽量化を目指す上で、軽量かつ頑強なガス・液体燃料タンクが求められます。
そこで、高圧水素タンクの開発・製造技術を持つコムリードは、パートナー企業、2020年11月からは子会社として、SPACE WALKERを支援してきました。
コムリードの代表である山本睦也氏は、国立開発研究法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(通称NEDO)との共同研究「タイプ4超高圧複合容器の設計と試作、評価」のプロジェクトチームリーダーを5年間、さらにJAXAの「宇宙探査イノベーションハブ」の共同研究のプロジェクトチームリーダーを3年間担当した経験がある人物です。
コムリードは、NEDOやJAXA、東京理科大学、東レ、三菱ケミカル、本田技術研究所などの協力企業から、山本氏の研究成果を惜しむ声や事業化の要望を受けて2019年に設立されました。
今回の吸収合併により、山本氏はSPACE WALKERの技術顧問に就任。コムリードの業務や顧客との契約は、SPACE WALKERに継承されます。
SPACE WALKERとコムリードが開発する高圧タンクは、ロケットだけではなく、地上での利用も可能。ロケットの開発や実証には比較的長い時間がかかりますが、その過程で新たな事業を行うというビジネスケースにも期待されています。