宙畑 Sorabatake

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【2020年11月の宇宙ビジネスニュースまとめ】企業の買収や協業が加速する宇宙ビジネス。SpaceXはStarlinkの実用化に向けたインターネットサービスのベータ版を公開。

本記事では、2020年11月に起きた宇宙ビジネスニュースをまとめてお届けします。

11月は、ベンチャー企業の買収や異分野との協業が加速。またSpaceXの小型通信衛星網「Starlink」がインターネットサービス提供に向けてベータ版をローンチしました。ビジネス化に向けて、どのような結果になるのか今後に注目が集まります。

それでは、2020年11月に取り上げたニュースとその要約を9本ご紹介します。興味のある記事や読み忘れていた記事などございましたらぜひご覧ください。

続々と続く宇宙ベンチャーの買収 選択と集中で加速していく宇宙ビジネス

宇宙ベンチャーを続々と買収して注目を集めるRedwireが、太陽光パネルなどの展開物を開発するRoccorの買収を発表しました。Redwireが企業を買収するのは、今年に入ってから4度目。軌道上サービスを展開するために欠かせないコア技術を有する企業を買収してスケールを狙う同社の戦略から目が離せません。

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Starlinkアプリ ベータ版をローンチ。年内に北米でのサービス提供開始

SpaceXは小型通信衛星網「Starlink」の実用化に向けて、インターネットサービスを提供する公式アプリのベータ版を公開しました。ベータ版のテストは米国とカナダで2020年中に実施する予定で、テストに参加するには、初期費用としてハードウェア代499ドルのほか、月額99ドルを支払う必要があります。順調に進むと、日本でも2021年にStarlinkのサービスを利用できるようになるかもしれません。

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バイデン政権の宇宙政策はいかに? アルテミス計画 有人月面着陸は後ろ倒しか

アメリカ大統領選の結果は、日本の宇宙計画にも大きな影響を与えるかもしれません。バイデン氏の当選が確実と報道される中、月面有人着陸などを目標に掲げる「アルテミス計画」の動向も注目されています。

2021年度予算案の概算要求でアルテミス計画関連に810億円を計上している日本にとっても、バイデン氏の宇宙政策に注視し続ける必要がありそうです。

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Rocket Labが第一段回収試験の日程を発表

16回目の商業ロケット打ち上げにRocket Labが、小型ロケットElectronの第一段回収に挑み、見事成功させました。これにより、第一段の再利用に向けてステップアップし、数億円とも言われる製作コストの削減、そして打ち上げ費用の大幅な削減が視野に入ってきました。

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人事改革の1年間。Virgin Galactic COOがオーストラリア宇宙庁長へ

2021年に有人飛行試験の実施を予定しているVirgin Galacticが、組織改革を進めています。同社でCOOを務めていたEnrico Palermo(エンリコ・パレルモ)氏が退任し、オーストラリア宇宙庁(Australian Space Agency 以下ASA)の長官に就任すると発表されました。後任についての発表はなく、代わりに最高情報責任者(CIO)にAlistair Burns(アリステア・バーンズ)氏が就任したことを発表しています。

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NEW SPACE対応でSaaS化する地上サービス

地上に基地局を持つ地上局サービス企業と宇宙ベンチャーの融合が進んでいます。顧客に船舶の位置情報を提供するフランスの宇宙ベンチャー・Unseenlabs社は、衛星運用者へ地上局を貸与するKSAT社と契約を結び、情報提供のスピードを従来の約1/3まで短縮することを目指します。

また同じく地上局サービスを提供するSSC社は、小規模から中規模程度のコンステレーションを運用する衛星事業者に対して、周波数割り当てなど効率的な運用方法を提案する「SSC Infinity」を発表。今後、宇宙ビジネスの異分野との協業がますます進みそうです。

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OneWebが新しい衛星打ち上げを発表。買収が完了し再起を目指す

インドの大手通信企業・Bharti Globalと英国政府によって買収されたOneWebが、米国破産法第11章(Chapter11)による保護状態を脱したと発表しました。また、2020年12月7日にボストーチヌイ宇宙基地から、Arianespaceのソユーズ2.1bロケットで36基の通信衛星を打ち上げると発表し、2022年のグローバル展開を見据えて再始動しました。新生・OneWebがStarlinkなどにどこまで迫れるか、注目が集まります。

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若田・古川宇宙飛行士のISS滞在が決まる。2024年以降のISSの運用方針は

萩生田文部科学大臣は11月20日の記者会見で、若田光一宇宙飛行士が2022年頃、古川聡宇宙飛行士が2023年頃に国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在すると発表しました。今年11月には、野口聡一宇宙飛行士がISSに到着して滞在を開始し、2021年は星出彰彦宇宙飛行士の滞在も決定しています。2024年以降の運用延長も検討されているISSで、日本人宇宙飛行士の存在感が高まっていきそうです。

Capella Space 衛星間通信を用いて画像のリアルタイム取得に成功

小型SAR衛星のコンステレーション構築を進めるCapella Space(カペラ・スペース)は、Inmarsat(インマルサット)とAddvalue(アドバリュー)が提供するデータ中継システム(IDRS)を用いて、撮影依頼からデータの取得までをリアルタイムで成功したと発表しました。Capella SpaceはAWS Ground Stationを用いてわずか数分で画像公開を可能にしており、今回の成功はさらに大きなステップアップを果たしたと言っても良いでしょう。リアルタイムで地球上の画像データを収集できるーー。そんな時代がもうすぐ到来するかもしれません。

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以上、2020年11月に宙畑が取り上げた宇宙ビジネスニュースでした。

次回2020年月の宇宙ビジネスニュースまとめは、1月中旬ごろの公開を予定しています。

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