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Rocket LabがNASAの新型ソーラーセイルシステムを2022年に打ち上げ【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/10/4〜10/10】

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Rocket LabがNASAの新型ソーラーセイルシステムを2022年に打ち上げ

小型ロケット事業及び衛星サービスを展開しているRocket Labが、NASAの新型ソーラーセイルシステムであるAdvanced Composite Solar Sail System (以下:ACS3)の打ち上げ事業者として採択されたと発表しました。ACS3は、​​Rocket LabのElectronにより、2022年半ば打ち上げ予定の相乗り打ち上げミッションの一部として打ち上げられる予定です。

ソーラーセイルとは、ヨットが帆を張って風を受けて進むように、太陽光の圧力を利用して推進力を得るシステムであり、JAXAの小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」などでも採用されている技術です。ACS3を用いたミッションでは、ソーラーセイルの帆の部分に複合材料を使用し技術実証を行います。複合材料を使用することで、既存のソーラーセイルと比較して75%の軽量化を実現する他、宇宙空間での熱変形を100分の1に抑えると期待されています。

ACS3は、23cm×23cm×34cmの12Uキューブサットに格納されて打上げられ、軌道上で自律的に展開します。ソーラーセイルの帆を完全に展開すると一辺の長さは約9mとなる予定です。ACS3の実証実験で得られたデータは、地球近傍小惑星への深宇宙探索ミッション・有人探査ミッションの中継衛星など、将来のより大規模な複合ソーラーセイルシステムを検討する上で重要な材料となります。

2018年以降100基を超える衛星の軌道投入に成功しており、NASAの新プロジェクトの打ち上げ事業者として採択されるRocket Lab。小型ロケット事業者の数は増加の一途をたどっていますが、今後も民間企業や政府機関にとって重要な打ち上げを担っていくでしょう。

一辺の長さ9mのソーラーセイルの帆を完全に展開した状態のACS3のイメージ図 Credit : NASA

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