宙畑 Sorabatake

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BoeingからSpaceXの宇宙船へ。大幅な開発遅延により宇宙飛行士のフライトスケジュールに影響【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/10/11〜10/17】

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2022年秋以降、若田光一宇宙飛行士が5度目の宇宙飛行へ

クルードラゴンの打ち上げの様子 Credit : SpaceX

10月12日、JAXAは若田光一宇宙飛行士が2022年秋以降に打ち上げ予定のSpaceXの宇宙船クルードラゴン運用5号機に搭乗することを発表しました。若田さんの宇宙飛行は5度目、ISSの長期滞在は3度目となります。

このことについて、末松信介文部科学大臣は、

「若田飛行士の能力が高く評価をされた結果であるとともに、日本の実験棟の『きぼう』や宇宙ステーションの補給機『こうのとり』の着実な運用を通じまして、我が国が国際的な信頼を築きまして、プレゼンスを発揮していることの表れだというふうに考えております」

と説明しています。

Boeingの宇宙船「CST-100スターライナー」開発遅延の影響は?

若田宇宙飛行士が搭乗するのではないかと見られていた、Boeingが開発中の宇宙船「CST-100スターライナー」は、開発に遅れが出ている状況です。

CST-100スターライナーは2019年12月に無人飛行試験を実施しましたが、軌道投入に失敗し、ISSへのドッキングを果たすことができませんでした。2回目の無人飛行試験が2021年8月に行われる予定でしたが、推進システムの不具合が見つかり、打ち上げが延期されています。

若田宇宙飛行士と同じくクルードラゴン運用5号機に搭乗することが発表された、NASAのニコール・マン宇宙飛行士とジョシュ・カサダ宇宙飛行士は、もともとCST-100スターライナーの搭乗に向けて訓練を行なっていました。CST-100スターライナーの開発期間が伸びていることを受けて、搭乗する宇宙船がクルードラゴン運用5号機にに変更されました。

また、スターライナーに搭乗予定のほかの宇宙飛行士については、打ち上げに向けて訓練を継続するということです。

二人の再アサインについて、NASAは

「将来のニーズに備えて、(マン宇宙飛行士とカサダ宇宙飛行士が)宇宙飛行の経験を積むための計画を継続するために、このような配置転換を行うことが重要であると判断しました」

と説明しています。急な変更のように思えますが、二人の宇宙飛行士は、今回の変更をポジティブに捉えているようです。

「スターライナーという真新しい宇宙船で訓練を行うというのは一生に一度の機会であり、Boeingのチームと一緒に仕事ができるのは素晴らしいことでした」(マン宇宙飛行士)

「両方のプログラムで訓練を行うことは、学ぶだけでなく、これらの宇宙船を操縦する将来の宇宙飛行士に貴重な知見を提供するまたとない機会です」(カサダ宇宙飛行士)

有人飛行では、安全が確保されるまでミッションが延期されることが少なくありません。独自の輸送手段を持たない日本においても、宇宙飛行士が経験を積む機会を柔軟に用意できるかどうかは課題の一つとなり得るのではないでしょうか。

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参考

JAXA若田光一宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在 搭乗機決定について

末松信介文部科学大臣記者会見録(令和3年10月12日)

NASA Announces Astronaut Changes for Upcoming Commercial Crew Missions