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HughesとAirtelがインドで合弁企業を設立。インドにおける衛星通信サービス展開を加速【宇宙ビジネスニュース】

【2022年1月10日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。

HughesとAirtelがインドで合弁企業を設立。インドにおける衛星通信サービス展開を加速

通信大手企業のHughes Network Systems(以下Hughes)が、インドにおけるブロードバンド化を推進するために、インド国内で「Airtel」ブランドの通信事業を展開するBharti Airtel(以下Airtel)とジョイントベンチャー(合弁企業)を設立しました。

ジョイントベンチャーの正式名称はHughes Communications India Pvt Ltd(以下HCIPL)であり、すでに国立会社法審判所インド通信省電気通信から法定承認を取得済みです。HCIPLは、両社のVSAT(直径1m程度の小型通信アンテナ)事業を統合し、20万を超えるVSAT基盤を活用して衛星通信エンタープライズサービスをインド国内へ提供していく予定です。

HCIPLのマネジメントディレクターであるPartho Banerjee氏は、今回の発表について以下のコメントを出しています。

Combining the proven capabilities of both Hughes and Airtel, the partnership will bring synergies to the forefront – including multi-orbit solutions – for the benefit of customers across the length and breadth of India.
(訳:今回のジョイントベンチャーの設立によってHughesとAirtelの実績ある能力を組み合わせることで、インド国内で展開される他のサービスと相乗効果を発揮し、インド全域の顧客に利益をもたらすでしょう。)

Hughesと、Airtelと同じくBharti Enterprisesの子会社であるBharti Globalは、通信衛星コンステレーション構築を目指すOneWebの株主です。2021年9月には、HughesがOneWebとMoUを締結しており、今後HughesがHCIPLを通じてインド国内でOneWebの通信衛星サービスを販売していく計画です。

OneWebの競合であるStarlinkも2021年11月にインドで現地法人を設立しています。しかしインド国内でのサービスインに必要なライセンスをStarlinkが取得していないことからインド政府がSNS(Tweet)にて名指しで非難する他、SpaceNewsの記事によると、2022年1月にはStarlinkのインド法人の最高責任者であるSanjay Bhargava氏が辞任するなど、Starkinkのインド市場参入はあまりうまく行っていないようです。

10億を超える人口を有するインドの市場で、HughesやOneWebが今後どのようにサービスを拡大させていくのか楽しみです。

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参考記事

Hughes and Airtel Form Joint Venture to Provide Satellite Broadband Services in India