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車、列車、ドローン、船までも!? 衛星を利用した自律化の拡大進む

近年、船舶の自動運航化も可能となり海上の物流システムにも変化がおきています。船舶の自動運航化に伴い、具体的にどのような変化が起きているのかをご紹介します。

GPSや準天頂衛星システム「みちびき」を利用し、高精度に自律化された自動車や列車、航空機やドローンなどの例は普段のニュースや記事でも目にすることが多くなりました。

これは衛星を利用することによって自動運転(自律走行)の技術が向上したことに他なりません。近年では、船舶の自動運航もついに可能となり、海上の物流システムにも変化が訪れ始めています。

本記事では、船舶の自動運航化に伴い、具体的にどのような変化が世間で起きているのかをご紹介します。

(1)航空機自動運転の歴史は1917年まで遡る

自動運転開発の歴史は、その機体によってまちまちですが、どれも(意外にも?)とても長いことが知られています。

例えば航空機であれば、アメリカの動力飛行機の発明者で、世界初の飛行機パイロットである「ライト兄弟」が初めて有人動力飛行を成功させた1903年から、およそ14年後である1917年に姿勢制御された無人飛行機のフライトが確認されています。

自動車であれば、欧州で1987年から1995年にかけて、交通効率及び安全性向上を目的とした研究開発プロジェクト「EUREKAプロメテウス計画」が開催されており、このプロジェクトがなければ昨今の無人自動車の発展はなかったとまで言われています。

このように、人類は以前から自動運転技術に着目してきました。ではなぜ近年、船舶の自動化に注目が集まっているのでしょうか。

(2)世界中の衛星サービス会社による挑戦

自動船舶運航イメージ Credit : Rolls-Royce

遠隔によるエンジン監視、自動電子海図更新を行うことができれば、技術的には船舶の自動運航ができるとされています。今までの技術では、海上を航海する船舶に対して常時ネットワークを提供することは不可能でしたが、近年、衛星を利用することによって常に地上-船舶間で通信が可能となりつつあります。

アメリカのイリジウムコミュニケーションズ社は、「Iridium Certus(イリジウムサータス)」と呼ばれる新しいサービスによって、船舶への常時ネットワークを提供する予定です。

Iridium Certusは66機の地球低軌道による衛星コンステレーションで構築されており、最大1.4Mbpsで全地球をネットワーク提供範囲とするシステムです。地上-船舶間の通信だけでなく、船舶同士の通信にも対応するため、地上側のシステムに障害が起きた場合でも、船舶間の通信によってリスクを回避でき、耐障害性に優れています。

イギリスのインマルサット社は「Fleet Xpress」と呼ばれる海上通信サービスを既に5,000以上の顧客に提供しています。Iridium Certusと同様に、高速で高信頼性のネットワークを全地球上のどこからでも利用を可能にしています。

このように、衛星サービスを提供している企業の尽力により、実現可能なことが増えてきています。今回の船舶の自動運航もそのひとつなのです。

(3)船舶の自動運航化によるメリット

自動運航船のイメージ Credit : 日本船舶技術研究協会

世界的に注目が集まっている船舶の自動運航ですが、日本でも国土交通省が主体となり2025年までの実用化を目指しています。では、自動運航化をすることによるメリットとはなんなのでしょうか。

現在、自動運航化は様々な面で期待を持たれています。自動運航化により可能になることとして「船舶同士の衝突回避」「港湾業務の生産性を高める運用技術」「24時間目視で行っている見張り業務の機械化」が挙げられており、いずれもヒューマンエラーが原因で起こりうる問題の解決に貢献できるとされています。

これにより「海上輸送の安全性と効率性の向上」、「船員の業務効率化による労働環境改善」「海運、造船、舶用工業等の海事産業競争率向上」などさまざまなメリットがあるとされているのです。

日本を含め、これからますます世界的に開発競争が激化する船舶の自動運航化。これによって世界がどのように変わっていくのか、今後の動きにもぜひご注目ください。

【宙畑の気になる英語フレーズ】

This will increase the reliability, since the approach will provide an alternative if there is a problem with the shore infrastructure. Effectively, it is mitigating the risk of power outage or other network infrastructure related incidents.

この方法は地上側の設備に障害が発生した場合でも代替策を提供するため、これは信頼性を高める。結果的に事故や停電によるリスクを軽減することになる。

【出典元・参考サイト】

準天頂衛星システム「みちびき」11月1日サービス開始(そらへのポータルサイトsorae)

Satellite operators offer communications for autonomous ships(SPACE NEWS)

自動運航船、実証段階へ!!~2025年までの自動運航船の実用化に向けた取組をスタート~(国土交通省)