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ユーグレナとElevationSpaceが提携。2023年に打ち上げ予定の小型衛星にミドリムシを搭載【宇宙ビジネスニュース】

【2022年1月31日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。

1月26日、ElevationSpaceは、ミドリムシを活用した食品を販売するユーグレナと宇宙実験事業に関する覚書を締結したことを発表しました。

ElevationSpaceは、宇宙の微小重力環境を活かした研究や高品質材料の製造が可能な小型宇宙利用プラットフォーム「ELS-R」の開発を進めるスタートアップ企業です。

2021年12月には、国際宇宙ステーション(ISS)から離脱した無人宇宙補給機こうのとり(HTV)から放出して物質を地上で回収する小型カプセルの開発を主導した、愛知工業大学の渡邉泰秀教授を技術顧問として迎えたことを発表していました。

2023年の打ち上げに向けて開発中の技術実証機「ELS-R100」に、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)を搭載し、機内での成長を観察、データを収集します。さらに、2024年には軌道上から再突入したカプセルを回収して、微細藻類ユーグレナのDNAの変化を調べる予定です。

微細藻類ユーグレナ Credit : ユーグレナ

これまで、ISSで実験した生物等はアメリカやロシアの宇宙船を使って回収しており、生きた生物を日本の宇宙機で回収するのは初めての試みとなります。

ユーグレナの執行役員 CTOを務める鈴木健吾氏は、ElevationSpaceの小型宇宙利用プラットフォームについて

「ISSと違い、高頻度に気軽に実験を行えることは大変意義があることだと感じています」

とコメントしています。

小型宇宙利用プラットフォームは無人であるため、ISSと比較すると安全基準は緩和されるのではないかと推測されます。ISSでは実施できなかった科学実験も、小型宇宙利用プラットフォームにより実現できるようになるかもしれません。

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参考

ElevationSpaceが微細藻類ユーグレナの宇宙培養を目指し共創を開始

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