ハイパースペクトル画像に特化したWyvernがカナダ政府らから約9億円を調達。農業分野に貢献【宇宙ビジネスニュース】
【2022年2月14日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
2月7日、カナダ政府が設立した財団Sustainable Development Technology Canada(SDTC)が衛星画像事業者Wyvern(ワイバーン)に400万カナダドル(約3億6300万円)を出資することを発表しました。
Wyvernは2018年に設立されたカナダのスタートアップ企業で、ハイパースペクトル画像に特化して取り組んでいることで知られています。
宙畑メモ:ハイパースペクトルセンサ
ハイパースペクトルセンサとは、通常の光学センサと比較してより細かく観測波長を分割し、細かい波長ごとのデータを取得することが可能なセンサです。
2021年1月に、シードラウンドでカナダ政府と6社のベンチャーキャピタルや企業から450万ドル(約5億2200万円)を調達。その際に衛星「DragonEye」3機を打ち上げる計画と、AirbnbやDropboxを輩出したことで知られるアクセラレータープログラムY Combinatorに参加することを発表していました。
SDTCのCEOを務めるリア・ローレンス氏は、
「彼ら(Wyvern)のソリューションは、農家が肥料、農薬、水の使用量を減らし、より大きな収穫を得るのに役立つでしょう」
とコメントしています。
通常の光学センサと比較してより細かく観測波長を分割し、細かい波長ごとのデータを取得することが可能なハイパースペクトル画像は、農作物の種別判定や病害の検知、土壌の水分を推定などに有効です。
農作物の状態について様々な情報を広範囲に把握できるため、普及すれば食糧需給の動向調査などにも役立てられるのではないかと考えられます。
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参考
Better Space Data To Reduce Canada’s Agricultural Environmental Impact
Wyvern Brings Business Intelligence to New Markets Using Compact Satellites