SpaceLinkが手掛けるISSと地上をつなぐリアルタイム通信サービスの実証パートナーとしてAxiomが参画【宇宙ビジネスニュース】
【2022年2月21日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
2月17日、地球低軌道向けの通信サービスの提供を計画するSpaceLinkが国際宇宙ステーション(ISS)と地上をつなぐエンドツーエンドの通信中継サービスの実証実験を行うパートナー企業にAxiom Spaceを選んだと発表しました。
SpaceLinkは2021年8月に、ISSのU.S. National Laboratoryを管理する宇宙科学振興センター(CASIS)から資金提供を受け、ISS-地上間の安全かつ継続的な大容量通信を提供するエンドツーエンド・リレー・サービスの実証実験を行う企業として採択されたことを発表していました。
SpaceLinkのネットワークは、現在ISS-地上間の通信を担っている追跡データ中継衛星システム(TDRSS)の後継として設計されています。
実証実験では、毎秒10ギガビットの通信ができる光通信ターミナルを使用し、リアルタイムでの音声や動画、データの送受信を目指します。
SpaceLinkのCEOであるDavid Bettinger(ダビット・べティンガー)氏は、
「ISSでの長年の経験を持つAxiomのチームメンバーは我々の実証試験の理想的なパートナーです」
とコメントしています。
Axiom Spaceは商用宇宙ステーションの構築を計画するベンチャー企業です。NASAでISSのプログラムマネージャを務めていた人物が創業したことや、2022年3月末に打ち上げ予定の民間人4人がISSの既存のモジュールに滞在するミッション「Ax-1」を進めていることなどから、ISSに関する知見が豊富なのだと推測できます。
宙畑編集部のおすすめ関連記事
200兆円規模の産業を宇宙に拡大! 宇宙空間の多目的娯楽施設の建設計画が始動 【宇宙ビジネスニュース】
Axiom Space による旅行者のISS滞在、3月末に打ち上げへ。元NASA宇宙飛行士や投資家らが参加【宇宙ビジネスニュース】
ISSの商用モジュール構築にAxiom Spaceが選出【週刊宇宙ビジネスニュース 1/27〜2/2】
今週の宇宙ニュース
IoT衛星オペレーターであるOQ Technologyが省電力に関する米国特許を取得【宇宙ビジネスニュース】
民間宇宙飛行「Polaris計画」、宇宙遊泳やStarship初の有人飛行を予定【宇宙ビジネスニュース】
参考
SpaceLink Selected to Fly Demo on International Space Station