Rocket Labの小型ロケットElectron第一段のヘリコプターによる空中捕獲は部分的成功【宇宙ビジネスニュース】
【2022年5月9日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
Rocket Labの小型ロケットElectron第一段のヘリコプターによる空中捕獲は部分的成功
小型ロケット企業のRocket Lab(Nasdaq:RKLB)が、26回目となる打ち上げミッション「There And Back Again」に挑み、34機の小型衛星の軌道投入に成功しました。
今回の打ち上げミッションでは、小型衛星の軌道投入とRocket Labの小型ロケット第一段Electronをヘリコプターで空中捕獲するという試験を初めて行い、部分的成功をおさめました。Rocket Labは過去3回、いずれも、Electronの第一段回収をパラシュートで海に降下し、その後船での回収に成功していますが、ヘリコプターによる空中捕獲は初めての試みです。
Rocket Labの専用ヘリコプターであるSikorsky S-92は、高度約1.9kmの地点で、地上に帰還する第一段とランデブーし捕獲に成功しました。しかし、捕獲の数分後にヘリコプターがシミュレーションとは異なる荷重を検知し、機長の判断で第一段を切り離し海に落下させました。着水後のElectron第一段は、Rocket Labの回収船に積み込まれ工場に運搬されました。
Rocket Labの創設者兼CEOであるPeter Beck氏は、以下のコメントを発表しています。
Bringing a rocket back from space and catching it with a helicopter is something of a supersonic ballet. From here we’ll assess the stage and determine what changes we might want to make to the system and procedures for the next helicopter catch and eventual re-flight.
(訳:宇宙からロケット第一段を帰還させ、ヘリコプターで空中捕獲することは、超音速で行われるバレエのようなものです。今回の試験の結果から私たちは現段階のElectron第一段を評価し、次回の空中捕獲と最終的な再利用実現のために、どのような改良を加えるべきかを判断する予定です。)
ロケット再利用に挑戦するRocket Lab。再利用型の新型ロケットNeutronの打ち上げも2024年を予定しており、同社のロケット第一段再利用への挑戦に引き続き注目です。