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岸田首相、打ち上げ能力の強化を表明。民間小型ロケットの事業化を促進へ【宇宙ビジネスニュース】
【2022年5月30日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
5月20日、宇宙開発利用の推進に関する方針を検討する「宇宙開発戦略本部」が総理大臣官邸で開催され、宇宙基本計画工程表改訂に向けた重点事項について議論が行われました。
宙畑メモ 宇宙基本計画工程表
宇宙基本法に基づき策定している、日本が宇宙分野においてどのような施策を実行していく予定か、計画を示す資料です。この計画は毎年見直され、年末に改定されます。
岸田首相は議論を踏まえ、打ち上げ能力の強化やアルテミス計画の推進について言及しました。
「まず、我が国のロケットの打上げ能力を抜本的に強化いたします。災害時の迅速な被災状況の把握や通信などに利用できる、衛星コンステレーションを構築するため、人工衛星を多数打ち上げていく必要があります。そのため、ロシアのロケットが活用できない中で、ロケットの国内の打上げ能力を拡充していきます。具体的には、複数の人工衛星を同時に、高い頻度で打ち上げることを可能とするH3ロケットの実用化や、政府による活用(政府衛星の打ち上げ等)を通じて民間小型ロケットの事業化を促進するなど、必要な人工衛星を、国内から打ち上げられる態勢を整えます」
H3ロケットは開発中のエンジンに不具合が見つかり、2021年度中に予定していた初号機の打ち上げを延期している状況です。小型ロケットに関しては、国内では複数の民間企業が運用や開発を進めていて、事業化に向けた政策策定が期待されます。
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