気象情報会社Tomorrow.ioの衛星製造を受注したBlue Canyon、年間85機キューブサットを生産する工場を新設【宇宙ビジネスニュース】
【2022年8月15日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
8月9日、衛星の製造を手掛けるBlue Canyon Technologies(以下Blue Canyon)が大手気象情報会社Tomorrow.ioに キューブサット衛星18機のバスやペイロードを提供するほか、ペイロードの統合や環境試験、打ち上げ前の運用をサポートすることを発表しました。
Tomorrow.ioは約30機のキューブサット衛星を打ち上げ、地上のセンサでは見られない、全世界の降水量やそのほかのパラメーターを高解像度かつ1時間ごとに取得する計画を発表しています。2022年後半に実証衛星が打ち上げられる予定です。
大手気象会社が独自の衛星コンステを構築。1時間ごとに全世界の気象データが取得可能に【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/9/20〜9/26】
今回受注を獲得したBlue Canyonは、2008年に設立されたアメリカの企業です。創業以来、44機の宇宙機を打ち上げた実績があります。2020年にアメリカの大手航空宇宙企業Raytheon Technologiesに買収され、子会社になりました。
2020年6月に、年間100機の衛星を製造できる工場をコロラド州ラファイエットに開設していました。さらに、2022年8月4日に新たにキューブサット衛星専用の工場をコロラド州ボルダーに開設したと発表しました。このキューブサット衛星専用の工場では年間85機を生産できるということです。
Tomorrow.ioのキューブサット衛星は、Blue Canyonの専用工場で設計、製造、試験が行われます。製造が開始すると、毎月2機のペースでTomorrow.ioに納品される予定です。
Blue Canyonが短い期間で高い生産能力を持つ工場を2棟開設したことから、衛星の需要が増している様子が読み取れます。
宙畑編集部のおすすめ関連記事
目標は476億円の資金調達、大手気象情報会社Tomorrow.ioがSPAC上場へ。30機の衛星コンステ構築計画を加速【宇宙ビジネスニュース】
米空軍が気象情報会社に20億円資金提供、気象衛星コンステの構築を後押し。その狙いとは【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/9/27〜10/3】
今週の宇宙ニュース
小型SARベンチャーCapella Spaceの新型衛星、解像度は21.4cm。2023年初頭に打ち上げへ【宇宙ビジネスニュース】
参考
Blue Canyon Technologies wins largest constellation to-date with Tomorrow.io contract
Blue Canyon Technologies opens new factory dedicated to manufacturing cubesat
Blue Canyon Technologies opens smallsat constellation factory