ワープスペースとセネガルのICT技術企業が提携。衛星通信網を活用した農機の遠隔操作等を期待【宇宙ビジネスニュース】
【2022年8月29日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
8月25日、衛星間光通信ネットワークの実現を目指すワープスペースが、TUMIQUI Japon SASU(以下TUMIQUI)と提携し、衛星通信網をアフリカで活用するための実証試験実施を検討していくことを発表しました。
TUMIQUIは、西アフリカ・セネガルで電気と通信を未電化地域へと届けるインフラサービス事業を展開しています。2019年には、セネガル保健省とMOUを締結し、持ち運び可能な小型太陽光発電とWifi通信をセットにした機器をセネガル国内10箇所の診療所に導入した実績があります。
さらに2021年に大容量発電に通信アンテナを組み合わせた「TUMIQUI Power Digital Solutions」を構築し、ワープスペースとMOUを締結するきっかけとなりました。このTUMIQUI Power Digital Solutionsを活用し、TUMIQUIはセネガル教育省とともに未電化・未電波地域における学校教育でのデジタル配信実証実験を行い、成功を収めています。
TUMIQUIによると、アフリカの地方では未だに6億人が電気にアクセスできていません。電話ができても高速に繋がるインターネットが普及していない地域や、全く電波のない地域が多く見られるといいます。TUMIQUIはワープスペースのネットワークについて
「ワープスペースの光地上局と衛星通信網を中心としたネットワークの構築は、アフリカ各地と日本とを高速通信で繋ぎ、安全なデータの運用を行うことや、(通信が確立されれば容量が大きい衛星データもダウンロードできるようになり)アフリカ地域の衛星データから水源確保や農地開発の計画・実行を可能にします。
また、自動農機などの遠隔操作や、安定的な稼働を目指しながら、世界における競争力のある農業インフラの開発を推進する考えです」
とポテンシャルの高さを説明しています。今後はセネガルに光地上局を設置することを目指し、ワープスペースでは光地上局、TUMIQUI Japonでは現地法や特殊環境下での施工や運用のノウハウを互いに提供していく予定です。