宙畑 Sorabatake

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Launchers 〜宇宙への挑戦者〜 イベントレポート

去る2019年1月26日(金)に開催された「Launchers 〜宇宙への挑戦者〜」のイベントレポートを宙畑編集部がお届けいたします。注目の登壇者たちが考える「宇宙を身近にする」方法とは……?

去る2019年1月26日(金)に宇宙ビジネス拠点 X-NIHONBASHIにて、「Launchers 〜宇宙への挑戦者〜」が開催されました。同イベントでは、宇宙ビジネスコンサルタントの大貫美鈴さんをファシリテーターとして迎え、注目の宇宙スタートアップの重役3名、さらに「みんなの宇宙(ソラ)」プロジェクトコミュニケーター/元AKB48メンバーの前田亜美さんがパネリストとして登壇しました。それぞれが考える「宇宙を身近にする」方法とは……? 宙畑編集部がレポートをお届けいたします。

起業家や女優が登壇? 一風変わった宇宙イベント

左から、スペースアクセス株式会社 代表取締役 大貫 美鈴さん
合同会社Yspace 共同代表/株式会社ispace インターン 松広 航さん
株式会社OUTSENSE 代表取締役社長 高橋 鷹山さん
「みんなの宇宙(ソラ)」プロジェクト コミュニケーター/AKB48元メンバー 前田 亜美さん
株式会社スペースシフト 代表取締役 / Elysium Space,Inc. 取締役 金本 成生さん
株式会社OUTSENSE 共同創業者 植松 風登さん Credit : 株式会社OUTSENSE

イベントは、ファシリテーターを務めるスペースアクセス株式会社 大貫 美鈴さんと、「月に家を建てる」ことを目指すスタートアップ、株式会社OUTSENSE  共同創業者の植松 風登さんの挨拶からスタート。

続いて、パネリストが入場。パネリストは、

松広 航さん
合同会社Yspace共同代表/株式会社ispaceインターン
未来の月面都市を体験できるVRを手掛ける合同会社Yspaceを立ち上げた、現役大学生社長。

高橋 鷹山さん
株式会社OUTSENSE 代表取締役社長
月面基地の構築を目指し、「折り紙」を応用した世界で唯一の建築技術を開発する、株式会社OUTSENSEの創設者。大学時代は宇宙建築を専攻。

前田 亜美さん
「みんなの宇宙(ソラ)」プロジェクトコミュニケーター/元AKB48メンバー 宇宙をまだまだ知らない一般の方と専門家のつなげ役になるべく、「みんなの宇宙(ソラ)」プロジェクトコミュニケーターを務めている。

金本 成生さん
株式会社スペースシフト 代表取締役/Elysium Space,Inc. 取締役
AIを活用した衛星データ解析ソフトウェアおよび宇宙データ解析を行うベンチャー企業 株式会社スペースシフト 代表取締役兼、宇宙葬サービスを行うElysium Space,Inc. 取締役。

の豪華4名。

株式会社OUTSENSEが主催の同イベントは、なんと80席用意されていたチケットが事前に売り切れてしまうほどの人気っぷり。参加者は宇宙関係の仕事に従事している方から最近宇宙に関心を持ったという方、はたまた登壇者である前田亜美さんの根強いファンなど、ほかのイベントと比較しても幅広い印象を受けました。パネルディスカッションの後の懇親会では、「今までは特に宇宙との接点はなったけれど、今回のイベントを通して興味を持った」といった声も聞くことができ、宇宙の魅力が伝わったのだと編集部の私自身も嬉しく感じました。

宇宙をもっと身近に。登壇者の原動力は

パネルディスカッションでファシリテーターを務める大貫さん Credit : sorabatake

パネルディスカッションでは、宇宙に関心を持ったきっかけに始まり、宇宙を身近にするためのアイディアなどテーマは多岐にわたりました。前田さんの「日帰り5万円で宇宙旅行に行けたら」というコメントには、一同の笑いが弾けました。

中でも、「政府だけではなく民間が宇宙開発に参入する意義は」という質問には、少し堅い内容であるにも関わらずファシリテーターの大貫さんの解説もあり、参加者も真剣に聞き入っている様子でした。

金本さんは、政府が目指す宇宙開発は国民全員共通して利益があるもの、一方で民間による宇宙開発は、もっと宇宙からのデータを使ってもらい経済活動に利用してもらえるようにという視点で活動しているのだと語りました。

それに続いて松広さんは、まずは宇宙に気軽に触れられる接点を作りたいのだと、活動の原点となる思いを語り、うなずく参加者の姿が印象的でした。

ますます勢いに乗る若手宇宙スタートアップ

パネルディスカッションの様子 Credit : sorabatake

また、パネルディスカッションの最後には、株式会社OUTSENSEがクラウドファンディングに挑戦することを発表し、会場は大盛り上がり。同企画は、米国で毎年3月に開催される、世界最大級のスタートアップの祭典「South by Southwest(サウス・バイ・サウスウエスト 以下、SXSW)」で展示する『ミライの月面基地』の製作費の支援を募るものです。こうしたクラウドファンディングは、宇宙に関心を持ちながらもなかなか行動に踏み出せないファンを巻き込む、良い機会になるのではないでしょうか。

SXSWは過去に、TwitterやAirbnbといったサービスが知名度を上げるきっかけとなったイベントであり、名だたる投資家や宇宙関係者も視察に訪れる、アピールには絶好のチャンス。OUTSENSEをはじめ、若手による宇宙スタートアップ企業の活躍からは今後も目が離せません。

株式会社OUTSENSE Webサイト

登壇者

〈ファシリテーター〉
大貫 美鈴 さん
スペースアクセス株式会社 代表取締役

大手建設会社宇宙開発室、JAXAでの勤務を経て、現在、宇宙ビジネスコンサルタントとして、商業宇宙開発の推進を目指して活動中。
2015年から経済産業省国立研究開発法人審議会臨時委員。
著書に「宇宙ビジネスの衝撃」(ダイヤモンド社2018年)など。
日本女子大学卒業、東京都出身。

〈モデレーター〉
植松 風登さん
株式会社OUTSENSE 共同創業者

1996年生まれ。
京都大学 工学部 物理工学科 宇宙基礎工学コース 4年生(休学中)
幼い頃から宇宙が大好きで、宇宙工学を学ぶために大学に入るも、想像していたものと実際に机上で学べるものとのギャップに幻滅。
バンド活動に明け暮れる大学生活を過ごしていたが、アメリカ旅行中に死にかける体験をしたことを機に、「いつ死んでも後悔のないように生きよう」と心に決める。
以前より交流のあった髙橋との再会を経て、自分の原点である宇宙を見つめ直し、創業前のOUTSENSEにJoin。
同時に、大学から離れることを決意し、上京して現在に至る。

〈パネリスト〉
松広 航 さん
合同会社Yspace 共同代表
株式会社 ispace インターン

1994年生まれ。
2013年、早稲田大学 創造理工学部 総合機械工学科に入学。
小型の環境モニタリングロボットの開発に従事。現在は修士課程に所属。

2018年、日本HP社が主催した人類100万人が住む火星都市をデザインするコンテスト
「Project MARS -Education League JP-」に、チーム「Yspace」として参加し、優勝。その後、6月にYspaceを法人化し、共同代表に就任。
12月には、早稲田大学・アントレプレナー育成海外武者修行プログラムに選抜され、イスラエルに派遣される。

「遠いと思っていたSFの世界をVRでもっと身近に感じてほしい」という思いから、
「宇宙×VR」を軸に活動を続けている。

 

前田 亜美 さん
「みんなの宇宙(ソラ)」プロジェクト コミュニケーター/AKB48 元メンバー

1995年生まれ。東京都出身。
AKB48のメンバーとして8年間活動し、2016年に卒業。  

2018年12月、みんなの宇宙(ソラ)PROJECT(呼称:みんソラ)コミュニケーターに就任。
宇宙×エンタメに関するコミュニケーターとして、
宇宙産業に関わる企業・エンジニアと一般の人々をつなぐかけ橋となるべく活動中。

ロケット、人工衛星、宇宙ステーションなど、
手の届きにくい要素に占められがちな宇宙分野において、
その他の部分にも光を当て、「PLAY 宇宙!」をコンセプトに宇宙を遊び場にすることを目指す。

 

金本 成生さん
株式会社スペースシフト 代表取締役/Elysium Space, Inc. 取締役

1975年鳥取県米子市生まれ。神戸大学工学部卒。
小学校2年の頃にハレー彗星に興味を持ち宇宙に目覚める。

少年時代は天文学者を志すが、大学在学時代にITベンチャーを起業。
その後音楽業界、IT業界を経て、2009年、宇宙ベンチャー「株式会社スペースシフト」を起業。代表取締役に就任。衛星キット開発や衛星データ解析ソフトウェア開発、非宇宙企業への宇宙ビジネスコンサルティングなどを手掛ける。

2013年には宇宙葬事業を展開する米ベンチャー企業、エリジウムスペースの取締役に就任。

総務省「宇宙×ICTに関する懇談会」「宇宙利用の将来像に関する懇話会」構成員などを務める。

 

髙橋 鷹山さん
株式会社OUTSENSE 代表取締役社長CEO

1994年生まれ。
大学3年次、宇宙建築について学ぶべく東海大学へ編入学。宇宙空間で使用する大型展開構造物の研究に尽力する。

また並行して、学生団体「TNL」を創設。「宇宙で暮らすを実現する」をモットーに、宇宙建築を志す学生たちのプラットフォームとして精力的に活動を行う。

大学院に進み、JAXA特別研究員としても研究を続けるが、次第に研究現場の実情と自分の創りたい世界との間にギャップを感じるようになり、半年で自主退学。

株式会社ispaceでのインターンを経て、本気で宇宙に挑戦することを決意する。
2018年8月、学生団体や研究室の仲間たちと共に、株式会社OUTSENSEを創業。
「折り紙」を応用した独自技術で「家を折り畳む」を実現し、「月に家を建てる」ことを目指す。