ISS搭載ロボットアームを開発したカナダ企業MDA Space、商業宇宙ステーション「Starlab」構築を支援【宇宙ビジネスニュース】
【2024年6月3日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
5月29日、商業宇宙ステーションの構築を目指すStarlab SpaceがカナダのMDA Space(以下MDA)と戦略的パートナーシップを締結したことを発表しました。
Starlab Spaceは、Voyager Space、Airbus Defence and Space、三菱商事の合弁会社です。ISSの後継機としての活躍が期待されている商業宇宙ステーション「Starlab」を2028年に打ち上げる予定で、打ち上げにSpaceXのStarshipを選定したことを2024年1月に発表しました。
MDAは1969年に設立された航空宇宙企業で、スペースシャトルやISSに搭載されているロボットアーム「カナダアーム」「カナダアーム2」を開発、運用していることで知られています。
また、月軌道プラットフォーム「ゲートウェイ」向けの「カナダアーム3」の設計と構築もカナダ宇宙庁より委託されています。
さらに、2024年4月には、カナダアームの技術を応用し、宇宙ステーション、月面探査車や着陸機、軌道上サービスなどのさまざまなミッションをサポートするロボットソリューション「MDA SKYMAKER™」を発表していました。
今回のStarlab Spaceとの戦略的パートナーシップにより、MDAはSKYMAKER™を含むロボットやインターフェース、ロボットミッションの運用などをStarlabに提供するということです。
Starlab SpaceはMDAが戦略的パートナーに加わったことについて「Starlab Spaceのグローバル・パートナー・ネットワークがさらに拡大した」と説明しています。
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参考
NASA’S GATEWAY MISSION: CANADARM3
MDA SPACE DEFINES THE NEXT GENERATION OF ROBOTICS WITH NEW MDA SKYMAKER™ PRODUCT LINE