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国土地理院の地図更新業務に衛星データによる変化部抽出技術・分析システムが導入へ。Ridge-iが開発【宇宙ビジネスニュース】

【2024年6月24日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。

6月18日、AI・ディープラーニング技術のコンサルティングと開発を行うRidge-iは、同社が開発したソリューション「RIDGE DUAL AI」の変化検出AI機能が国土地理院の電子国土基本図の更新業務に採用されたことを発表しました。

宙畑メモ:電子国土基本図
電子国土基本図とは、国土地理院が整備するデジタル形式の基本図のことです。国土地理院は日本の国土の現況を統一した規格で表し、様々な地図の基礎となる地図(基本図)を整備しています。2009年に紙媒体の2万5000分1地図系からデジタルデータを中心とした基本図体系に移行しました。

参考:国土地理院 電子国土基本図

従来の電子国土基本図の更新は、地図情報と空中写真を目視で比較することで更新範囲の決定を実施していたため、多大な時間を要していました。Ridge-iが開発した、AIを用いた衛星画像による変化部抽出技術および衛星画像分析システムにより地図更新の効率化が期待されます。

国土地理院に採用されたRIDGE DUAL AIの変化検出AI機能は、異なる2時期で撮影された画像をもとに家屋や道路の変化を抽出できます。

また、Ridge-iは国土地理院向けに変化検出AI機能が搭載されるWebアプリケーションを作成したといいます。これにより、分析結果は地図修正業務に直接応用できるフォーマットで出力されるだけでなく、作業員によりシステム内で効率的に修正し、アノテーションとして蓄積できるシステムとして設計・実装を行い、将来的に多くの教師データが溜まった際に効率的なAIモデルの更新が可能となります。

なお、RIDGE DUAL AI は2024年3月に発表された「第6回宇宙開発利用大賞」の国土交通大臣賞を受賞していました。

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参考

国土地理院の電子国土基本図の更新業務に、 リッジアイの変化検出AIソリューションが採用

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