SpaceX出身技術者が創業のImpulse Space、静止軌道(GEO)への小型衛星の相乗り打ち上げを発表【宇宙ビジネスニュース】
【2024年8月12日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
8月6日、アメリカのスタートアップImpulse Space(インパルス・スペース)は静止軌道(GEO)に小型衛星を輸送するライドシェアプログラムを発表しました。
Impulse Spaceは、SpaceXでファルコン9ロケットのMerlinエンジンの開発に主任設計者として貢献したトム・ミューラーさんが2021年に創業した企業で、軌道間輸送機(OTV)を開発しています。
2023年7月にシリーズAラウンドで4,500万ドルを調達。同年11月に同社が開発したOTV「Mira」を用いて初の軌道上ミッション「LEO Express-1」を実施し、顧客のキューブサット衛星を地球低軌道(LEO)の所定の軌道に高精度に投入することに成功しました。2024年1月には、5トン以上のペイロードをLEOからGEOに24時間以内に輸送できる能力を持つキックステージ「Helios」の仕様を発表していました。
今回発表されたGEOライドシェアプログラムの最初の打ち上げは2027年に実施される予定です。
また、8月7日には小型衛星のライドシェア打ち上げサービスを提供するExolaunchと戦略的パートナーシップを締結したことがアメリカ・ユタ州で開催されたスモールサット・カンファレンスにて発表されました。GEOライドシェアプログラムのサービスはExolaunchを通じた販売も行われる予定です。
両社はLEO向けのサービスでも協力しています。Impulse Space はOTVを、Exolaunchは分離システムを提供し、早ければ2024年秋にLEOへの軌道投入を行うLEO Express-2の打ち上げを共同で実施するということです。
宙畑編集部のおすすめ関連記事
Spaceflightが静止軌道へのライドシェアミッションを発表。ラストワンマイル事業の加速へ【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/9/13〜9/19】
今週の宇宙ニュース
SpaceXによる商業宇宙飛行「ポラリス計画」、8月26日以降に初打ち上げへ。民間初の船外活動の予定も【宇宙ビジネスニュース】
サグリ、シリーズAラウンドで10億円を調達。農地マッチングや脱炭素事業を拡大へ【宇宙ビジネスニュース】
インターステラテクノロジズがシリーズEラウンドで31億円を調達。ロケットと衛星の両事業を加速【宇宙ビジネスニュース】
最大20回。小型ロケット開発のFirefly AerospaceがL3Harrisと複数回の打ち上げ契約を締結【宇宙ビジネスニュース】
参考
IMPULSE SPACE SECURES $45M IN SERIES A FUNDING ROUND
IMPULSE SPACE UNVEILS DESIGN SPECIFICATIONS FOR NEW HIGH PERFORMANCE KICK STAGE, HELIOS