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Spaceflightが静止軌道へのライドシェアミッションを発表。ラストワンマイル事業の加速へ【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/9/13〜9/19】

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Spaceflightが静止軌道へのライドシェアミッションを発表。ラストワンマイル事業の加速へ

世界中のロケット打上事業者と協業して、衛星ライドシェアサービスを展開するSpaceflight Inc.が、”GEO Pathfinder”という地球静止軌道へのライドシェアミッションを発表しました。

Spaceflightは、ロケットから放出された後に小型衛星を特定の軌道まで輸送する”軌道投入のラストワンマイル”を実現するために、Sherpa EScapeと呼ばれる輸送機を開発しています。Spaceflightは、2020年2月に三井物産株式会社山佐株式会社買収しており、三井物産エアロスペース株式会社が日本総代理店を務めています。

本ミッションでは、2022年第4四半期までにSpaceXファルコン9で打ち上げ予定の、Intuitive Machinesの月面着陸機Nova-Cの余剰スペースを利用します。Nova-Cの余剰スペースにSherpa EScapeを搭載し、地球静止軌道まで顧客のペイロードを運搬します。

Sherpa EScapeを活用することで、衛星事業社は自らの小型衛星に軌道を上げるための余分な推進剤を積むことなく、ミッションに向けて衛星を最適化することができます。今回のミッションでは、同じくライドシェア事業に取り組むGeoJumpと宇宙空間での燃料補給事業に取り組むOrbit Fabのペイロードが搭載される予定です。

Spaceflightの事業開発責任者のGrant Bonin氏は、今回の発表について以下のコメントを出しています。

Spaceflight will utilize a launch with a creative trajectory and our best-in-class propulsion system to slingshot around the Moon, allowing us to deliver payloads to GEO in an environmentally safe manner. Spaceflight is committed to being the leading space transportation provider for Earth orbit and beyond, and this is an unprecedented example of delivering on that vision.
(訳:Spaceflightは、軌道打上げと最高の推進機構を利用して、環境に配慮した安全な方法で顧客のペイロードを静止軌道に届けることができます。Spaceflightは、地球周回軌道への宇宙輸送をリードする企業になることを目指しており、今回はそのビジョン達成に向けた前例となります)

小型衛星のラストワンマイル事業は、NASDAQ市場に上場しているMomentus(MNTS)も手がけています。大型ロケットのライドシェアを活用しても希望の軌道に投入できると小型衛星事業者のビジネスが更に加速すると期待されます。

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