カリフォルニア州がメタンの排出源特定に商用衛星画像を活用。Planetらと契約【宇宙ビジネスニュース】
【2025年3月31日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
非営利団体Carbon Mapperと地球観測企業Planetは3月21日、アメリカ・カリフォルニア州大気資源委員会(CARB)の衛星データ購入プログラム(SDPP)の事業者に選定されたことを発表しました。主契約者であるCarbon Mapperの受注額は9,500万ドルに上ります。
CARBは、温室効果ガスの排出規制やその取り組みの検証などを行う政府機関です。カリフォルニア州では1943年に世界で初めて自動車の排気ガスによる大気汚染が観測され、健康被害が報告されました。こうした状況を受けて、カリフォルニア州は国内でいち早く自動車の排気ガスによる大気汚染規制が始まり、管理機関が発足しました。
また、同州は、2013年と比較して、2030年までにメタン排出量を40%削減するという目標を設定しています。
これまでにCARBは、航空機に「メタン・プルーム・イメージャー」と呼ばれる装置を搭載して、カリフォルニア州におけるメタンの排出源を特定する研究を支援してきました。2022年カリフォルニア州予算では、商用衛星会社からメタンの排出量のモニタリングのためのデータ購入する費用として1億ドルが割り当てられました。
今回の契約で活用されるのは、2024年8月に打ち上げが始まったPlanetのハイパースペクトル衛星「Tanager」です。
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Tanager衛星は、50m毎にメタンの発生源を特定することすることができるといいます。PlanetのTanager衛星が画像を取得し、Carbon Mapper がそれを分析するということです。
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参考
Carbon Mapper Selected for California Satellite Data Purchase Program
Planet Awarded as a Subcontractor for $95M California Satellite Data Purchase Program