スカパーJSATとPenetrator、衛星画像から月次レベルでの土地変化を検出するシステムを共同開発
スカパーJSATとPenetratorは、衛星画像から土地の変化を検出するシステムを共同で開発したことを発表。その新システムがどのような課題を解決するものか、概要を紹介。
2025年5月8日、スカパーJSATとPenetratorは、衛星画像から土地の変化を検出するシステムを共同で開発したことを発表しました。
なお、この新システムは、撮影時期が異なる衛星画像からデータの差異を抽出し、土地の変化を可視化するもので、Penetratorが手がける不動産探索SaaS『WHERE』を通じて一部顧客にベータ版が提供され、現在はPoC(概念実証)の段階とのこと。

Penetratorは、衛星データとAIを活用して不動産探索AI『WHERE』を提供する、JAXA発のスタートアップ企業。2024年2月、不動産取引の課題解決に取り組むことを目的に、スカパーJSATと業務提携を締結し、同年4月にはスカパーJSATがPenetratorのシリーズAラウンドに出資したことが発表されていました。
また、「宇宙から地球の不動産市場を変える」というビジョンを掲げるPenetratorの創業者である阿久津岳生さんは、これまでに8社の不動産関連企業を起業・経営しています。従来の不動産業界では、営業担当者が地域を巡回し、空き地や土地の変化を目視で確認するのが一般的だったとのこと。
そこで、今回の新システムにより、土地の変化を『WHERE』上で把握できるようになれば、労働時間の削減や、特定の人材に依存しない業務運用が期待できるとしています。
今回の共同開発においては、スカパーJSAT独自の技術により衛星画像から抽出したデータの差異を『WHERE』上にマッピング。これにより、最新の衛星画像に基づく高精度な現況予測が可能となります。
また、注目すべきは月次レベルでの高頻度かつ高分解能に近いデータで、コストを抑えながら上記のような差分解析ができるということでしょう。具体的にどれほどのコスト削減ができるのかについてはプレスリリース内で明らかになっていませんが、今後の正式なサービスリリースの日がくるまで共同開発が進むことが非常に楽しみです。