2025年9月30日、スペースデブリ除去などの軌道上サービスに取り組むアストロスケールが、宇宙領域把握（SDA）技術を保有するHEO社と、3年間のMoUを締結したことを発表しました。

アストロスケールは、宇宙の持続可能性を目指し、デブリ除去や衛星の寿命延長といった軌道上サービスを手がける宇宙ビジネス企業です。また、HEOは、宇宙空間から他の人工衛星やデブリを撮影・分析する「Non-Earth Imaging（NEI）」技術を開発する豪スタートアップで、アクセルスペースとも提携をしています。

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両社は以前からパートナーシップを結んでおり、今回のMoUによって協力範囲を拡大するとのこと。特に、安全保障目的の衛星や政府関連の衛星が多く周回する静止軌道および静止トランスファー軌道を対象とし、同盟国や政府、民間の軌道上物体を監視・解析するシステムの開発を進めることとなっています。

具体的には、HEOは静止軌道を含めた様々なデブリや衛星の軌道位置や状態を把握するマップを提供。アストロスケールは、静止軌道でリスクの高いデブリについて、より詳細なデータを取得します

軌道上物体のより詳細な解析・診断能力の強化や、リスクが高く将来除去対象となりうるデブリのカタログ作成、さらには同盟国が軌道上サービスを安全かつ効率的に実施するための運用コンセプトの構築などが期待されます。

本連携について、アストロスケールおよびHEOから以下のコメントが発表されています。

アストロスケール CTO Mike Lindsayさんのコメント：
「このパートナーシップを通じて、軌道リスクの監視と管理、重要なSDA機能の向上、そしてあらゆる軌道におけるミッション成功のための支援の連携を強化します。持続可能な宇宙エコシステムには、データと行動の協調が不可欠です。私たちは、HEOとの協力を深め、その実現に貢献できることを誇りに思います。」

HEO CTO Hiranya Jayakodyさんのコメント：
「過去数年間、アストロスケールと緊密に協力し、NEIの能力が、軌道上の困難な課題を解決するための持続可能なアプローチをどのように生み出せるかを探ってきました。（中略）頻繁な衛星監視とリスク管理能力によって提携先の運用を支援するため、パートナーシップを強化し新たな軌道領域へ進出していくことを嬉しく思います。」

高速道路には交通カメラやロードサービスのように、軌道上の宇宙機を追跡、管理、保守するためのツールがありますが、宇宙はまだそのようなツールが完全に整備されているわけではありません。GPSや天気予報、安全保障など我々の日常生活を支える衛星のさらなる安定運用が可能となる環境構築が早まることが期待されます。

参考記事

• アストロスケールと HEO、同盟国の宇宙監視能力を向上

• Astroscale and HEO Advance Space Monitoring Capabilities for Allied Nations

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