Rocket Lab、JAXAが顧客となった2回目の専用打ち上げに成功。軌道投入された編隊飛行や折り紙アンテナなど超小型衛星8機の紹介【宇宙ビジネスニュース】
2026年4月23日、小型ロケットによる宇宙輸送事業を手がけるRocket Labは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)を顧客とした打上げとしては2度目となる専用打ち上げの成功を発表しました。搭載された8機の衛星について簡単に紹介します。
2026年4月23日、小型ロケットによる宇宙輸送事業を手がけるRocket Labは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が顧客となった打上げとしては2度目となる専用打ち上げ(ロケット1機貸し切り)に成功しました。
Rocket Labは、衛星を打上げたい政府や民間企業を対象に、小型ロケットでの高頻度かつ柔軟な打上げを強みとする企業です。今回の打ち上げは、Rocket Labにとって2026年で8回目、通算では87回目の打ち上げとなります。同社は今後も、地球観測サービスや新技術の軌道上実証、さらには安全保障関連など、多様なミッション向けに打ち上げを予定しています。
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今回のミッションは、ニュージーランドにあるRocket Labの射場から打ち上げられました。ロケットには同社の小型ロケット「Electron」が使用され、JAXAの「革新的衛星技術実証プログラム」に基づく8機のキューブサット(10cmの立方体を基本単位とする超小型衛星)を軌道上へ投入することに成功しました。
宙畑メモ:革新的衛星技術実証プログラム
大学や研究機関、民間企業等が開発した部品や機器、超小型衛星に宇宙環境での動作実証機会を提供するプログラム。地上試験ではなく「宇宙で実際に動いた」実績をつくることで、事業化や海外展開につなげることを目指しています。
今回の打上げは、2025年12月に実施されたRocket Labによる初のJAXAが顧客となったミッションに続くものです。前回は小型実証衛星4号機「RAISE-4」が打ち上げられ、日本国内の企業や大学、研究機関が開発した宇宙技術の実証が行われました。
2度目となる今回のミッションの8機の衛星には、以下のようなものがあります。
(1) 編隊飛行技術試験衛星 MAGNARO-II
名古屋大学が提案。連結された超小型衛星を回転分離し、編隊を形成する手法を実証します。これにより、地上の多地点を同時に、かつ継続的に観測することを目指します。
(2) 海洋観測データ収集IoT技術実証衛星 KOSEN-2R
米子工業高等専門学校が提案。海底地殻変動観測データの収集等を実証します。
(3) 一体成型技術実証衛星 WASEDA-SAT-ZERO-II
早稲田大学が提案。ネジゼロ・機構部品ゼロ・デブリ(宇宙ゴミ)ゼロを目指した、衛星の一体成型技術を実証します。
(4) CubeSat搭載用超小型マルチスペクトルカメラ実証衛星 FSI-SAT2
一般財団法人未来科学研究所が提案。データ処理系を含む1Uサイズ(10×10×10cm)のマルチスペクトルカメラ(可視光だけでなく、近赤外線や赤外線など複数の波長帯域で同時に撮影できるカメラ)を低コストに開発し、軌道上での基本動作実証を行います。
(5) 折り紙リフレクトアレーアンテナ実証衛星 OrigamiSat-2
東京科学大学が提案。折り紙の折りたたみ技術を用いてコンパクトに収納され、展開時には最大で25倍に広がるアンテナを実証します。
(6) バッテリ異常検知システム実証衛星 Mono-Nikko
大日光・エンジニアリングが提案。超小型宇宙機に搭載するバッテリの劣化具合・異常を検知する技術実証を行います。
(7) 地震先行現象検知検証衛星 PRELUDE
日本大学が提案。地震前に発生するとされる電場・プラズマ変動(上空の電離圏に生じる 電気的な乱れ)を検知し、地震発生予測を目指す技術の実証を行います。
(8) 速報実証衛星 ARICA-2
青山学院大学が提案。衛星通信ネットワークを利用した新しい突発天体(短い時間に急激に明るくなる天体)速報システムの性能評価を行います。
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2回目となる今回も、Rocket Labは各衛星のミッションに合わせた精密な軌道投入を実現し、小型ロケット市場における高い信頼性を示しました。
同社のCEOであるピーター・ベック氏は、以下のようにコメントしています。
「数か月の間に2回のミッションを成功させ、必要な軌道へ正確に投入できたことは、なぜElectronが国家宇宙機関にとって好まれる小型ロケットなのかを明確に示しています。JAXAは宇宙分野における世界的リーダーであり、日本の宇宙産業の発展に貢献するこれらの連続ミッションを任せていただけたことを光栄に思います。」
また、今回投入された8機は、地震先行現象の検知や海底地殻変動の観測、多地点を同時に見守る編隊飛行など、防災や環境モニタリングを通じて私たちの暮らしに直結し得る技術が並びます。実証を経て、いずれ私たちの日常を支える社会インフラとして根付いていくことが期待されます。

